2018年05月06日

「ものづくり白書」にみる日の丸製造業の課題:強い工場のあるべき姿

この記事は、日本経済新聞社「ビジネスリーダー ニュースこう読む(中山淳史)」より引用しました。

この記事では、独フォルクスワーゲン(VW)や米アップルの経営手法をもとに、
日本のものづくりの形の変革を迫っています。


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「ものづくり白書」といえば、世界に冠たる日本の製造業の現状分析をする経済産業省
編集の刊行物だ。だが、6月5日に政府が発表した「2012年版」をみると、主役は
「日本の匠(たくみ)」でなく、独フォルクスワーゲン(VW)や米アップルの経営
手法だ。

■出だしから「ものづくりのデジタル化」登場
2012年版白書の第2章「我が国ものづくり産業が直面する課題と展望」では、出だし
から、CAD/CAMの普及などによる「ものづくりのデジタル化」が登場し、最新
鋭設備を導入しつつ、先進国並みの品質を持つ製品を安く、大量に世界に供給する新
興国の話などが紹介されている。

通常なら、日本の「匠の技」の重要性を説き、いかにそれを守っていくかの課題や提
言にページを割くところだろう。2011年版も東日本大震災で途切れたサプライチェ
ーンの話がたくさん出てくるが、「6重苦」などに苦しんでも日本の製造業は強い
のだ、との雰囲気が白書には漂っていた。

だが、デジタル化に続いて登場するのは、「擦り合わせが不要な製品設計(モジュー
ル化)」や「製造工程以外から獲得する付加価値」の話題である。

この2つ、企業でいうなら前者はVW、後者はアップルだ。
モジュール化はVWが世界中に広げようとしている新しい生産手法だ。モジュール
自体は聞きおぼえのある言葉かもしれない。ただ、ここでいうモジュール化は部品
というより、「擦り合わせが不要な製品設計」のことだ。

VWは高級車から小型車まで、先進国向けから新興国向けまで、すべての車を積木
に似たモジュールを使って組み立ててしまおうとしており、現にこうした手法です
ばやく車を開発し、販売台数の拡大につなげている。

製品の企画と開発に特化し、ハードウエアの機能だけに頼らないアップルの経営モ
デルはもう有名なので省くが、VWと共通しているのは、設計の段階から車なら世
界で数百万台規模、デジタル家電なら数億台規模で生産することを念頭に置く経営
だ。世界経済をけん引する新興国ビジネスの要諦はとにかく「速く、安く」である。
それを実現するにはつくり方を標準化しつつ、たくさん生産してコストを下げるに
尽きる。

■恐るべきコストダウンの力
日本が恐れるべきはそれだ。東大大学院経済研究科の小川紘一特任研究員は「VW
やアップルのすごさは品質というより、超大量生産による恐るべきコストダウンの
力だ」と話す。

自動車でいえば、日本の強さは工場にあった。だが、コスト削減は工場ごと(通常
は年産能力が20万~30万台規模)に、地道に積み重ねていくだけでは今後は勝てな
くなる。設計を源流から見直し、「つくりやすく」「価格が安く」「利益の出る」
生産方式をグローバルで構築し直す時代になったと言える。

もちろん、今後も個々の工場の現場力は大切だ。日本の工場には世界のマザー工場
としての機能も期待されよう。だが、白書から浮かぶのは製造業の潮流の大転換だ。
来年は世界のベストプラクティスを奪回すべく、日本の製造業も海外企業の最先端
を研究してみる必要がありそうだ。

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