多品種少量生産における4M管理の考え方・事例・進め方の紹介・製造業の体系的4M変化点管理

多品種小ロット(少量)生産工場の4M変動管理はどうあるべきか?
体系的4M管理について、どのサイトよりも詳しく解説しています。





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ものづくり工場での悩みは尽きません。
営業マンが個別受注で取って来た小ロットの製品を設計部門で顧客の要求に
合わせて図面を引き製造部門に渡す。

図面に合わせて、部品・材料を購入、そして、加工・組み立て・・・。
こんな流れで生産していたのでは、品質も不安定、納期も守れず、しかも
無駄な費用がかさみます。

以下に多品種小ロット生産の採算と、製造品質を決定する「4m変動」管理
ポイントについてまとめてみます。

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1.設計品質
(1)モジュール化設計
 例えばパソコンを例に取ると
パソコンとして成り立つためには、少なくとも数十ぐらいの要求仕様があり、それ
が設計パラメータとなります。画面の大きさ、メモリの容量などから始まり、振動
や騒音、熱はもちろん、衝撃を受けても割れないようにするなどといった要求仕様
を加味した上で、パソコンを構成する部品のモジュール化が世界的な標準として確
立されています。

モジュール化を行うには、部品(ユニット)同士まずきちんと組み付くかどうかが
問題になります。物理的にも、信号などのインタフェースの標準化が必要で、あら
かじめモジュール化設計時に評価しておく必要があります。そして、営業マンも、
どの部品(ユニット)を組み合わせると顧客の要求に沿った製品が出来上がるのか
を熟知して営業活動を行わなければなりません。

このように、個別受注品でも、モジュール化設計によって、新たに設計しなけれ
ばならない要素をできる限り少なくし、製造段階での設計変更を減らすことによ
って設計品質向上、設計納期短縮を図ります。

(2)図面の共通化
 設計部門と生産設計部門が協力することにより、図面の共通化を図ります。
 ・モジュール化部品(ユニット)は機能ごとにまとめて一つの図面とする
 ・共通化図面では、外形寸法、曲げ寸法、穴位置など異なる部分は注記で表現する
 ・どの部品(ユニット)を組み合わせるかは、受注製品ごとに仕様書を作成する

(3)設計スケジュール管理
 設計品質を確保する事と、出図納期を遵守する事は、裏表の関係にあります。
事前に設計すべき内容を充分検討し手戻り(訂正図)を発生させない事、設計者が
その作業に集中出来るように日程を計画する事が重要です。
出図日程計画は少なくとも週区切りで、設計内容や工程(検討・計算、作図、検図
、出図作業、など)、出図成果を明示する事が重要になります。

2.生産スケジュール管理
(1)Push生産とPull生産
 製造業は受注と生産の関係によって、4種類の生産形態に分けることができます。
  • 個別受注生産
  • 繰り返し受注生産
  • 受注組み立て生産
  • 見込み生産
の4種があります。
 図を見れば分かるとおり、どんな業種でも上流側は見込み(Push)で進められ、
下流は受注が入ってから動きます(Pull)。

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 生産形態の違いとは、上流側の見込み生産と、下流側の受注生産がぶつかる点
の場所の違いです。しかも、両者がぶつかる地点に(理論的には)在庫が必要と
なります。これをカップリング・ポイントないし在庫ポイントと呼んでいます。

(2)モジュール部品(ユニット)の見込み生産
 在庫ポイントはできるだけ下流側に設定することで、リードタイムを短縮する
ことができます。
それには、できるだけ部品の共通化(モジュール化)を行います。さまざまな製品
で使用する部品の共通化を図ることで、部品需要の平準化を狙います。需要が平準
化され予測精度が上がると、在庫が抑えられ、しかもリードタイムを短縮すること
ができます。

3.製造品質
(1)基本作業の洗い出しと標準化
 個別受注品であっても、製造工程では必ず共通作業が存在します。
例えば、切る、曲げる、溶接する、組み付けるなどの作業です。これらの共通作業
を洗い出し、作業方法の標準化(共通作業指示書の作成)を行います。
共通作業指示書では、以下の内容を記載します。
 ・作業手順
 ・必要な工具、治具、測定機など
 ・必要な補助資材(半田、接着剤、テープなど)
 ・作業結果の点検方法
 ・良否判定基準(写真、限度見本)

上記のように、多品種小ロットであっても、変化することのない共通作業を標準化
することによって、品質確保、生産性向上を図ります。

(2)多能工化
 少人化、作業の人によるばらつきをなくすためには多能工化を推進します。
多能工養成の手順としては、
 ①多能工養成のためのチームを編成する
 ②現状のスキルを工程別に明かにする
 ③“多能工訓練計画表を使って、各作業者の目標を設定する
 ④残業時間などを有効に使った多能工化スケジュールを作成する
 ⑤定期的に星取り状況を朝礼・夕礼などで発表し意識を高める

多能工化は、物を作る楽しさや創造の喜びの復活や、自己の能力の向上に通じるも
のであり「生産性と人間性の融合」からなる真の生産性向上に貢献するものと考え
られます。それゆえ企業もこのような従業員の教育体制を積極的に整えることが大
切となります。

(3)中間管理層の育成
 多品種、小ロット生産の工場では、現場の管理監督を行う中間管理者の役割が、
生産性・品質に大きく影響します。デスクに向かって仕事をしているだけではだ
めで、作業の進捗や不良の発生、作業者などに常に注意し、問題が起こればすぐ
にその原因を取り除くよう適切な処置を行います。

中間管理層に一番求められるのは、自分の職場の問題や、課題となっていること
を自ら発見し、改善すること。そのために部下を適切に指導したり、仕事をしや
すいように、またミスの起きないような作業方法を工夫したり、治具を製作した
りします。つまり、現場の改善のためのマネジメント力が問われるのです。

このような人材を育成したり、外部から経験ある人材を補強して現場力を高める
ことは経営トップの責任であり、最優先で行うべき仕事です。


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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
 日本が誇るものづくり技術にもっと磨きを掛けよう!!

 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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