コスト競争力を持った、強い工場を作るには?
今、会社は儲からなくなってきています。
価格要求も厳しくなっています。
値段が厳しいからコストダウンの取り組みをします。
しかし、それは真のコスト競争力とは言えません。
1章~5章目次
【現場ですぐ使えるマニュアル】
2016年現在、最も製造業競争力が高い国は中国だが、今後5年間で2位に後退
し、2020年までに米国が1位の座を奪取する―こんな予測をデロイト トウシュ
トーマツ リミテッドと米国競争力協議会が「2016年世界製造業競争力指数」
報告書でまとめました。
■2020年世界製造業競争力指数(予測)
1位 米国
2位 中国
3位 ドイツ
4位 日本
5位 インド
6位 韓国
7位 メキシコ
8位 イギリス
9位 台湾
10位 カナダ
製造業の将来の競争力につながる重要なものとしては、予測分析、IoT、インダストリー4.0
によるスマート製品とスマート工場、先端材料が挙げられています。
アジア太平洋地域のマレーシア、インド、タイ、インドネシア、ベトナムの、いわゆる「MITI-V」
の5カ国は、低コストの労働力、機動的な製造能力、好ましい人口構成、市場と経済成長という
点で「新たな中国」と目され、今後5年間に競争力ランキングが上昇し、製造業の競争力トップ
15カ 国に入ると予測されています。
企業が考える世界製造業競争力の最も重要な要因は、1位が人材で、次いで2位にコスト競争力
3位に生産性、4位にサプライヤーネットワークと続く。
日本のビジネスリーダーに新産業革命を後押しする政策を聞くと、インフラとエネルギー
(次世代車両)を明記した日本再興戦略やロボット革命実現会議の立ち上げなどが挙げられて
います。
また、競争で日本が優位だと考えているものは、製造工程の自動化やベストプラクティスの
実行、世界市場の50%を占める工場用ロボットの他、自動車、自動車部品、エレクトロニクス
の輸出が挙げられています。
一方、高い法人税率や新規事業投資に対する実効税率、エレクトロニクス、自動車産業での
韓国企業の台頭、中国の工場用ロボット市場でのシェア拡大、乏しい天然資源と急速な高齢化
を今後の競争力の課題としている。
(調査は、世界各国の製造業企業のCEO、企業経営陣ら550人以上を対象にアンケートを実施
し分析した)
このような内外の環境変化を踏まえて、中小企業のコスト競争力とは何かを整理してみます。
■コストダウンではなくコスト力をつける
●価格競争に勝つためには、真のコスト競争力をつけなければならない
●他社のノウハウを持ってくるだけのコストダウンは「コスト力」とは言えない
●他社とちがうものを生み出そうとする力をつけなければならない
■真の“コスト力”とは何か
●「共通・共用化」ということを基本的にした商品設計とモノづくりが大切
●フル稼動のコストに見合う 小規模ライン・設備のコスト力を追求すること
●組織のムダ、人材活用のムダ、コミュニケーションのムダ、改善活動のムダ徹底排除
●最初からコストメリットは出ない、試行錯誤し、そこに自社独自のアイデアが生まれる
●差別化とは、他社のマネではなく、自分で考え、現場で努力することで会得する
●強い現場を作ること、それには人の育成、人材力こそが最重要となる
企業は、売上低迷の中、不良を減らし、ムダを極限まで省いて費用を低減しなければ
利益が確保できません。
「強い工場を作るプログラム」は、人材力・資金力の乏しい中小企業にとって導入が
容易な方法で、利益を出す強い工場を作る「プログラム」をコンセプトとしています。