事業再構築を図り、下請け体質から脱皮する、中小製造業に
とって何が必要なのかを「人」「組織」「経営戦略」「顧客
との関係」「固有技術」などの観点から解説します。
【INDEX】
第一章 中小企業の現状
第二章 脱下請け体質の方策
第三章 各企業の取り組み、事業戦略事例
キーワード解説:下請け体質からの脱出対策
下請け体質から抜け出す第一歩は、例えば、小物プレス業であれば、20トン程度
以下のプレスで抜き・曲げその他の加工について精通し、必要な金型の構造や
その作り方、価格、などについて引き合い先に説明できる能力と知識があること
が必要となる。
また製品メーカーからプレス部品の設計形状について、加工の可否や能率について
の問合せに、適切に答えられる能力も有していなければならない。
単に一定精度の加工ができるだけでなく、プレス加工技術全般について知識と
情報を持っていることである。この場合、技術の間口は狭くてもよい。たとえ
ば板金業でも箱物を得意とするところと、シャーシなど平面ものとに分かれて
受け持つ範囲を特化してもよい。
その範囲内では他の下請工場と差別化した技術を持つ専門家として客から信頼され
そこに聞けば間違いない回答が得られると思われることが大切である。