2017年03月03日

ある金属加工企業の取り組み:下請け体質からの脱出対策

自社の独自技術を生かして製品開発を行い販売したいと考えている企業も多い
と思います。

ただ、今まで、大企業の下請けとして位置づけられていた中小企業にとっては、
非常に難しいテーマですね。
営業マンや企画担当者など、人材も十分ではなく、職人肌の技能者が多い組織
構成では新しい発想を求めようとしてもとても困難が伴います。

ある下請け金属部品加工メーカーを例に、この問題を考えてみましょう。

1.金属部品加工メーカーの状況
高度成長期に創業したこの企業は、それまで大企業の下請けとして金属部品加工
を行っていたあるメーカーは、オイルショックや、バブル崩壊も乗り越え、順調
に売り上げを伸ばして来ました。

ところが、リーマンショックを境に、売り上げが1/2まで落ち込み、その後
立ち直るきっかけがつかめないまま推移して来ました。大手企業は軒並み海外
へ生産拠点を移し、特に今まで取引を行っていた、大手家電メーカーからの
受注がほとんどなくなってしまいました。
このような状況で、今後どのように、事業を立て直していったらいいでしょうか?

2.強みは何か?
金属部品加工の事業で、他社ではできない精密な特殊形状の加工が得意で
少量の試作品の製造でも高い評価を得て、これまで大手企業から安定した
受注によって売り上げを伸ばしてきたのですが、大手企業の海外移転に伴い
新たに顧客を開拓しなければならず、営業員も増員しましたが、中々安定した
顧客が獲得できませんでした。

そこで、自社の強みは何か?をもう一度見つめなおしてみては?という助言を
行いました。
どのような形状が得意なのか?また多品種少量の試作品の製造において、他社
より何がすぐれているのか、もう少し深く掘り下げ、高い評価を得ている技術
やサービスに絞って、その強みをアピールしていく戦略を取ります。

それには、長い付き合いの大手企業が、なぜ自社を選んだのか?を知ることです。
大手企業が、自社にしか発注しないとしたら、他社がまねのできない何かがある
としたら?それが「強み」なのです。

3.誰に何を売り込むのか
自社ブランドと言っても、一般消費者向け(B to C)に最終商品を開発する
ことは、中小企業の規模で実現は難しいと言って良いでしょう。万が一ヒット
商品を開発できたとしても、それを次のヒット商品につなげ、継続させるには
商品開発力や販売力が追い付きません。おそらく単発のヒット、一過性に終
わってしまうでしょう。

では具体的に誰に何を売ればいいでしょうか。
それは、顧客としての企業向け(B to B)に、自社の「強み」をメッセージ
として伝え、売り込む努力をすることです。お客様に喜ばれ、安心感を与える
技術・サービス、競合企業を退け、大手企業が自社を選ぶきっかけとなった
ものに注目し、明確に自社の差別化技術として位置付けることです。

例えば「金属加工の**における特殊精密形状加工技術と、試作**即応
サービス対応」
というようにです。

絞られた特定の技術、それこそ、自社の「強み」であり、自社独自ブランド
なのです。
そして、必ず「技術(ハード)」+「サービス(ソフト)」がセットになって
いるはずです。いかにその技術が顧客に利益を与えるか、それにはハード/ソフト
の組み合わせが必要なのです。

それと同時に、社内に対しても、「強み」を凝縮したメッセージを伝え、自社の
「強み」を社員全員に浸透させます。それによって、会社全体で意識統一が
図られ「強み」をさらに磨き、ゆるぎないものにします。

4.売り込むための手段
優れた技術・サービスを持っていても、それをお客様に伝えなければ意味が
ありません。
伝える手段は、営業員の増員による営業活動の強化、広告投資、ダイレクト
メール、ウエブサイト充実などが考えられます。

いくら優秀な技術でも、お客様に売る事、伝える事に投資しなければ、売れる
ものも売れません。モノづくりの企業は、優秀な設備を導入することは考えても
売ること、伝えることに余りにも関心が薄いのではないでしょうか?

5.事業構造の転換
このことをきっかけに、下請け構造からの転換を図って行きます。
高い技術力があるのですから、それをアピールして、新規顧客を獲得し、事業
を伸ばす戦略に転換していくことを会社の方針として明確にします。

もっとお客様にアピールして認めてもらう!そのための投資は惜しまない、この
視点が日本のものづくり中小企業には、欠けているのではないでしょうか?


7月東京 名古屋2.jpg
セ ミ ナ ー 予 定 表
テーマ(目的日時開催場所
主な項目
 多品種少量生産工場の現場改善力強化による
 付加価値生産性向上と利益率UP
未定
 
・生産活動の目的
・生産性向上・リードタイム短縮
・ムダ取り(直接・間接業務)
 若手・中堅社員の自立化と現場力の発揮
未定
・QCサークル活動
・個人目標管理(MBO)
・業務計画による改善活動
 ヒューマンエラー予防7つの対策
 ヒューマンエラー要因4分類と再発防止策
12月20日
(木)
9:30~12:30

12月20日
(木)
13:30~16:30
東京都北とぴあ
8F 807会議室
JR王子駅北口5分
AM/PM連続受講の場合割引特典あり
・再発防止対策と流出防止策
・是正と予防、水平展開
・顧客信頼の品質対策手法
 顧客から信頼を得る3つの品質対策手法
 ロジカルシンキングに沿った正しいなぜなぜ分析
・ヒューマンエラー要因
・ヒューマンエラー予防策
・IOT活用技術
 小規模チームで効果の上がるFMEA/FTA手法
未定 
・工程FMEA
・信頼性設計とFMEA/FTA
・リスクアセスメント
    好評!解説書シリーズ一覧
  ★お支払いは、Paypalまたはクレジットカード、銀行振り込みで!
スライド1.JPG