2019年10月15日

トヨタ式生産(プル生産)方式が多品種少量生産に向かないわけ (製造業の品質改善の進め方・事例)

カンバン方式でおなじみのトヨタ生産方式は、プル式生産に分類されます。
MRPに代表される生産管理システムはプッシュ式生産方式です。
ではなぜ、プル式生産方式は中小企業には向かないのでしょうか?




 ★生産性改善、日常業務改善手順を事例で習得するセミナー
 ★製造業の品質改善事例解説書シリーズ
 ★無料サービス

例えば、今、生産管理方式で最も注目を集めているのは、トヨタ生産方式
(プル型生産方式)です。

プル型生産は言わずと知れたトヨタ生産方式を実現する為の手法であり、後
工程からの引き取りにあわせて、前工程が生産を開始する生産方式です。

現在はこのプル型生産がモノ造りの理想のように言われていますが、多品種
少量、受注生産型ではプル型は効果が出ません

1.トヨタ式生産が多品種少量生産に向かないわけ
実は、プル型生産が成立する為には、色々な前提条件があるのです。
代表的なものを上げると
 ● 生産の平準化(量の平準化、種類の平準化)が出来ていること
 ● 定量在庫を決めて管理することが出来ること
 ● ある程度の期間安定的に商品を製造出来ること

などが上げられます。しかし現実的には生産の平準化が出来る企業はあまり多
くなく、月次や週次の生産変動に悩まされている企業がほとんどなのです。

なぜ自動車産業などでこのプル型生産が成り立っているのかについては、詳し
く解説しませんが、前提条件からプル型生産が成り立たない企業が取り組んで
も、うまく行くはずがありません。

よく下請け企業で、在庫を抱え、カンバンで引き取り要求が来たら、その在庫の
中から出荷し、親企業では、ジャストインタイムで組立を行っているというよ
うな笑えない話を耳にします。

プル型生産の大きな問題点は、変動が大きい製品では、リードタイムが返って
長期化すること、在庫が一定量以下に減らないということを上記の例は証明して
いるのです。

2.自社に最も適合した生産方式を採用する
自社は一体どのような種類の製品をどのようなリードタイムで生産している
でしょうか?また、それは今の生産管理システムの実態と適合しているので
しょうか?

生産管理方式は、製品特性、生産量、そして企業特性に応じて、“最適な生産
方式・管理方式”を選択・構築することが重要です。

(1)生産形態による分類
多品種少量生産企業を生産形態によって分類すると、以下の4種類となります。
 ● 多品種少量個別受注生産企業(毎回異なる仕様の加工部品等の生産)
 ● 多品種少量ロット受注生産企業(同一仕様、繰返し性のある製品の生産)
 ● 多品種ロット見込み生産企業(多品種の混在、繰り返しロット生産)
 ● 一品個別受注生産企業(大型設備、工作機械などの生産)

B to B受注生産企業のほとんどは、多品種少量ロット受注生産が主体の企業
であり、それ以外に多品種少量個別受注生産/多品種ロット見込み生産の要素
も多少ミックスされた部分も持っていると考えられます。

(2)生産管理システムによる分類
生産管理システムを大きく分けると、「MRP」に代表される「プッシュ式」の
生産管理システムと、「トヨタカンバン方式」で有名な「プル式」生産管理
システムに分けられます。

また、「製番管理システム」は、日本では昔から多くの企業で運用されており
代表的な生産管理システムの一つで、製番(製造番号)を使って管理します。

製造指令書を発行するときに、その製品に関するすべての加工と組立の指示書
を準備し、同一の製造番号をそれぞれにつけて管理をおこなう方式であり、
個別生産のほか、ロットサイズの小さい、つまり品種ごとの月間生産量が少な
い場合のロット生産で用いられることが多い場合に有効なシステムです。

「ゼロ戦」を作っていた中島飛行機が使っていた生産管理のやり方で、「追番
管理システム」がありますが「製番管理システム」と基本的な考え方は変わり
ません。飛行機のような「個別受注生産」で用いた生産方式です。

見込み生産に強いMRPと、個別受注生産に強い製番管理(追番管理)を融合さ
せて、部品や中間品はMRPで大量生産、そこから個別に製番生産という組み合わ
せをとる場合もあります。

以上をまとめると以下のようになります。
 ● トヨタ式生産管理システム(PULL型)
 ● MRP生産管理システム(PUSH型)
 ● 製番(追番)管理システム(PUSH型/PULL型と併用)

(3)リードタイムによる分類
リードタイムは、顧客リードタイム、生産リードタイム、調達リードタイム
などに分けられますが、一般に需要量が多いほど、顧客は待たずに入手できる
ことを期待します。家電製品や医療などはこの分類に入り、これらの製品は
見込み生産を行って、在庫の中から販売する方法を取っています。

これとは逆に、ビル建築や船舶、プラントなどは受注してから設計し製造を
行います。以上をまとめると以下の種類に分類されます。
 ● 見込み生産(Make to Stock)
 ● 半見込み生産(Assemble to Order)
 ● 部品中心型生産(Parts Oriented Production)
 ● 受注生産(Make to Order)
 ● プロジェクト型生産(Engineerring to Order)

上流側の見込み生産と、下流側の受注生産がぶつかる点の場所をどこに置くか
がポイントで、両者がぶつかる地点に(理論的には)在庫が必要となります。
これをカップリング・ポイントないし在庫ポイントと呼んでいます

以上を図示すると以下のようになります。

製造戦略1.jpg

(4)生産形態の分類表
以上、(1)~(3)にて説明した生産管理の分類と生産ライン、生産工程
の対応を示すと下表のとおりとなります。

製造戦略2.jpg

このように、生産管理方式の設計に先立って、影響を及ぼす要因別に整理
分類し、自社にとって何が一番適しているのかを、良く検討しておく必要
があります。

 ★無料:品質管理書式フォームお申し込み ★無料:ネット相談フォーム

2020年4月1日から「時間外労働(残業)の上限規制始まる!
★★★若手中核人材を鍛える工場の業務改革プログラム★★★
★詳しくはこちら

gd06.jpg
Step1:残業が多い原因を分析しよう
Step2:残業削減の具体的な方法を考えよう
Step3:しくみの定着を図ろう

2020年 セミナー開催予定(東京/大阪/名古屋/群馬)
会員割引特典があります。受講料15,000円 → 10,000円(税込み)会員登録は<こちらから
新型コロナウイルス感染防止のため参加者人数を10名以下とし
濃厚接触を避ける対策を実施します。
2020年7月予定:大阪 9:30~16:30

 FMEA(DRBFM)/FTA実践コース
 設計FMEA/工程FMEAにおける潜在不良流出防止

 ★2017年に発生した新幹線のぞみの台車亀裂事故の原因は何だったのでしょうか?
  直接の原因は、台車製造メーカーの製造ミスによるものですが、FMEAを
  正しく実施していれば防ぐことが可能だったでしょうか?
   ・安全性設計の考え方が末端の作業者に伝わらなかった
   ・現場監督者が、現場や製品をよく確認しなかった
   ・指示書通りに溶接を行おうとしたがうまくできなかった
  様々な現場の問題が浮かびあがってきますが、設計には全く問題はなかった
  のでしょうか?皆さんと一緒に検証してみたいと思います。
(今後の開催予定)
◆2020年8月予定 愛知県産業労働センター
◆2020年9月予定 東京都北とぴあ
2020年4月24日(金)名古屋市愛知県産業労働センター1601会議室 9:30~16:30
2020年6月24日(水)東京北区北とぴあ806会議室

 不良品を流出させない品質対策!
 全数検査による不良流出防止
   ヒューマンエラー再発防止・予防対策

★セミナー4つのテーマ
 ①再発防止手順:「なぜなぜ2段階法」による再発防止対策(ルールの見直しと定着)
 ②全数検査の見逃しゼロ対策:周辺視検査法、画像検査機導入手順
 ③ヒューマンエラー予防策:ルール順守とは?異常に気づく、コミュニケーション
 ④IT・AI技術導入:ヘッドマウントディスプレイ(HMD)AI検査機導入ステップなど
2020年5月29日(金)群馬県太田市新田文化会館会議室1 9:30~16:30

 小ロット受注生産工場の
   実践的!生産現場の課題達成・問題解決手法!

1.現場の3悪(リードタイム・在庫・不良)はなぜ放置されているのか?
2.若手・中堅社員の「プロ人材」としての「現場改善力」を徹底的に鍛える!
中小製造業の生き残り策はただ一つ!
 固有技術を磨き、ニッチな市場でオンリーワンの地位を確立すること。
 それにはまず、身近な課題を解決する改善力を身に着けることから始める。

  ★お支払いは、Paypalまたはクレジットカード、銀行振り込みで!
  会員入会(無料)で、30%割引特典!
  ★購入お申し込みは <こちら>
  検査合格品が市場でクレームとなる、客先で不具合が発見されるなど、品質問題に
  悩まされている工場では、一体何が課題となっているでしょうか?時代は変化しています。
  これからの品質管理のポイントを徹底的に解説!

   2020 新品質管理の基礎講座.jpg