2017年12月17日

セル生産方式導入の疑問点:セル生産ライン構築事例

近年、ものづくりは、顧客志向に基づき、多品種少量や変種変量といった
需要の変化に対応するフレキシビリティを持った生産ラインの構築が求め
られるようになり、その手段として、セル生産方式が注目を集めています。

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1.セル生産方式に対する疑問
ただ、ベルトコンベアラインを廃止し、セル生産に移行しようと考えている
企業にとって、本当に効果が出るのだろうかと疑問を抱いている方も多いと
思われます。

●セル方式は、1人生産方式、U字ライン方式、自己完結方式、屋台、1個
 流しなど、さまざまであるが、一体どれがその本質なんだろうか?

●セル生産では、生産品種の変更の都度、すべてのラインを変更しなければ
 ならないが、負担にならないようにするにはどうしたらいいのか?

●部品の納入から製品の出荷までのトータルを考えた時、本当に効率的な
 方法が実現できるのだろうか?

●一貫した流れのなかに大型設備によるロット生産が含まれていたり、外注
 依存度が高い場合に、本当に効果が出るのか?

●多品種少量の受注情報が未確定であったり、変更がたびたび発生するよう
 な不規則な生産を強いられる中で、本当にこの方式を進めるべきか?

●セル生産方式は、人間に依存した作業で、生産性が左右されるが、モチベ
 ーションを本当に保てるのだろうか?

2.セル生産方式導入の条件
セル生産方式は、生産現場に顧客の需要情報が流れ、それに基づいたフレ
キシブルな生産を行うことで、その効果を発揮します。そのためには間接
業務(管理業務)をセル生産方式に取り込んでいく必要があります。U字ラ
インを構築したり、屋台を製作することがセル化の本質ではありません。

但し、
(1)「計画~調達~製造~出荷」の流れが完全に仕組み化されていなけ
れば効果は出ませんが、このようなシステマチックな考えや行動を苦手とし
ている企業は実に多いのが現実です。

(2)セルラインの生産を支援する作業システムの構築が不可欠であり、
生産を効率よく進めるために、現場の知恵と工夫により、絶え間ない改善
活動を行っていかなければなりません。
ところが、途中で挫折してしまい、効果が見えないままセルのみが残骸と
して放置されてしまうケースが非常に多いのです。

(3)また中小企業にとって、部品・材料メーカーや、外注に対する力
関係は相対的に弱く、コントロールは困難を極めます。

(4)人手不足の中で、パート社員、派遣社員などが多数を占める中、
モチベーションを高め、多能工化を推進していくことは、やはり困難な
取り組みとなります。

これを克服することで、セル生産方式は大きな効果を得られるのですが
逆に、中小ものづくり企業にとってはハードルが高く、セル生産方式導入
の障害として立ちはだかっているのです。

3.セル生産方式の本質とはなにか?
セル生産方式を導入すると言うことは、
顧客志向に基づき、需要の変化に対応するフレキシビリティを持った
 生産管理方式
」の導入そのものなのです。

生産現場のセルライン化」にとどまらず、「多品種少量生産方式の考え方
と仕組み
」を考案し、その仕組みを運営する「運営技術を習得」することこ
そ、その本質と言えます。

4.セル生産方式導入の手順
まず、導入の手順を考えてみましょう。
但し、この記事は手順の詳細を解説する目的ではないので、項目だけを
列挙します。
(1)導入準備
①PQ分析(ターゲット)選定
②工程デザイン(アウトライン)決定
③現状把握(現場のムダの確認と排除)

(2)セルラインを作る
①U字レイアウトを基本として加工工程順に設備を配列する
②部品の置場、および供給方法を設定する
③標準作業を設定し、多能工化訓練を行う
④生産進捗の把握、異常時の対応ルールを作る

(3)生産システムを作る

①受注~生産~納入までを、短いリードタイムで流す仕組みを作る
②セルライン前後をつなぐ運搬の仕組みを作る
③各セルラインへ最適部品供給の仕組みを作る
④受注変動、異常発生時の生産コントロールの仕組みを作る

 ★詳細は、こちらを参照してください。

5.セル生産方式導入の障害を克服する
では、中小ものづくり企業が、セル生産方式導入の障害(前記2項の4項目)
を克服して行くためには、具体的にどうすればいいでしょうか?
(1)「計画~調達~製造~出荷」の流れを仕組み化する
多品種少量生産における、生産管理の仕組みをどのように構築するのか
が問われています。

生産管理の目的は、欲しいものを欲しいときに客先に届ける「ジャストイン
タイム」の仕組みで、顧客の満足度を向上させると同時に、工場の「スル
ープット」を最大限高めるため、「生産性向上」「リードタイム短縮化」
を図り、結果として、工場の利益の確保、更には利益の向上を図って行か
ねばなりません。

そのためには
・見込み生産/受注生産のカップリングポイントをどこに置くか
・プッシュ式/プル式のどちらにするか
・セル生産ラインとの同期をどのように図るか
などを検討しなければなりません。

生産管理システムを改善していくことは、工場にとって極めて大きな課題
であり、担当者レベルの改善では済まされない、工場トップの仕事なのです。
トップ自らが、積極的にシステムの理想像を描き、長期計画に基づいて、
一歩一歩確実に構築していかなければ解決できない問題なのです。

 ★詳細は、こちらを参照してください。

(2)直接作業を支える作業システムを作る
セル生産の作業システムは、限られた人材の教育、固定化せず、組織に
縛られないフレキシブルな人材配置、パート、派遣社員などの流動性の
高い作業者をいかに早く即戦力として教育できるか、がポイントとなり
ます。
・多能工を前提として、ライン間でのフレキシブルな要員移動やフリー
 要員の配置を行う
・部品供給のサイクルが短く、回数が多くなる部品に応じて供給を担当
 する「水すまし」を置く
・各セル化ラインごとに、多品種を少ロットで生産するため、段取り替え
 が増加するので、必要に応じ段取り専門者を置く
・簡便自働化により、小型設備が多数設置され、直接作業が大幅効率アッ
 プすると同時に、設備のメンテナンスの作業は増加する
・中間仕掛品が少ないため、異常が分かり易くなる半面、監督者の異常
 管理が重要となり、作業者が異常を早期発見する仕組みと監督者の迅速
 な対応が求められる

いづれにしても、セルラインというハードウエアと、直接作業者だけで
成り立つものではなく、セル作業をサポートする準備作業、運用の仕組み
があって初めて実現可能となります。


 ★詳細は、こちらを参照してください。

(3)部品・材料メーカーや、外注をサプライチェーンに組み込む
部品材料の調達のポイントとしては
・内示の出し方、タイミングの設定
・正式発注(または納入指示)の出し方とタイミング設定
・内示、納入指示の精度向上と引き取り責任の明確化
・ITシステム活用による取引先、社内情報システムの整備
・物流システムの最適化
・品質管理の徹底と無検査体制の確立

などによって、調達に関わるリードタイムを徹底的に短縮することが求め
られ、サプライヤーはパートナーとして、Win-Winの関係を構築していか
無ければなりません。

つぎに、外注政策に関しては、生産量の変動、生産品種の変動を社内で吸
収しきれない場合は、外注工場を上手に使って対応しなければなりません。
そこで、外注管理を強化することで、品質面や納期面でのメリットを最大
限引き出していくことが求められます。

ところが、企業によっては、外注管理部門を購買部門に組み入れて、部品
や材料の発注業務と同様の扱いで、進捗管理や、品質管理が全く行われて
いないというケースも見受けられます。

これからは、外注を製造部門の延長線上に位置づけ、目的を明確にした
上で、QCDを管理するという社内体制を構築していく必要があります。

調達メーカーや外注を自社の生産体系に組み込んでコントロールするのは
至難の業であり、一朝一夕には実現は困難です。やはり、自社の管理体系を
しっかりと固め、長期計画で信頼関係を築いていくほか方法はありません。

 ★詳細は、こちらを参照してください。

(4)パート社員、派遣社員の多能工化を推進
製造現場の人員配置体制を固定人員配置型から、変動人員体制に切り替え
柔軟な人材活用を図る必要があります。それには、新人、パート・アルバ
イト等は即戦力化に取り組むことが必要で、一般的に3日で、戦力になる
よう、作業の標準化、教育訓練の仕組みをつくり、多能工化計画を推進し
ていかなければなりません。

多くの企業で、非正規社員のウエイトが高まる中で、有効な新人教育シス
テムを持つことは、非常に重要な事項となっています。

そして、作業者のモチベーションの維持、向上を図って行くことが、セル
生産方式では非常に重要となります。セル生産を始めて、3か月もたつと
作業にも慣れ、刺激が低下し生産性も低下し始めます。

そのため、常に新たな改善を行って興味の対象を作り、また、技能の競争
原理を作業者間で競わせるなど、モチベーションが低下しないような工夫
が必要です。

 ★詳細は、こちらを参照してください。

このように見て来ると、セル生産方式の障害を克服するためには、セル
生産方式に関わる、スタッフや作業者、管理監督者のより一層のレベル
アップと、課題を克服して改善を行っていく前向きな姿勢が求められて
いると言えます。


7月東京 名古屋2.jpg
セ ミ ナ ー 予 定 表
テーマ(目的日時開催場所
主な項目
 多品種少量生産工場の現場改善力強化による
 付加価値生産性向上と利益率UP
未定
 
・生産活動の目的
・生産性向上・リードタイム短縮
・ムダ取り(直接・間接業務)
 若手・中堅社員の自立化と現場力の発揮
未定
・QCサークル活動
・個人目標管理(MBO)
・業務計画による改善活動
 ヒューマンエラー予防7つの対策
 ヒューマンエラー要因4分類と再発防止策
12月20日
(木)
9:30~12:30

12月20日
(木)
13:30~16:30
東京都北とぴあ
8F 807会議室
JR王子駅北口5分
AM/PM連続受講の場合割引特典あり
・再発防止対策と流出防止策
・是正と予防、水平展開
・顧客信頼の品質対策手法
 顧客から信頼を得る3つの品質対策手法
 ロジカルシンキングに沿った正しいなぜなぜ分析
・ヒューマンエラー要因
・ヒューマンエラー予防策
・IOT活用技術
 小規模チームで効果の上がるFMEA/FTA手法
未定 
・工程FMEA
・信頼性設計とFMEA/FTA
・リスクアセスメント
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