2017年12月17日

セル生産ライン再構築の手順(死んだセルをよみがえらせる):セル生産ライン構築事例

「セルラインを設けてみたが、なかなか効果が見えない」
「具体的にどのように運用していったらいいのか分からない」
「具体的に何をどのように改善していったらいいのか分からない」
このような悩みを良く耳にします。

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最初に作ったままのセル、セルを作る人と使う人のコミュニケーション
が全くない、生産性が低いままなので、忙しさに追われて、なにもでき
ないままになっている。

いわゆる「死んだセル」状態のまま、放置されているのはなぜなのか?
考えてみたいと思います。

1.セル生産ライン構築の問題点
セル屋台そのものは、解説書も豊富に手に入れることができ、また他社工場
を見学した際に見ることができ比較的容易に製作が可能です。しかしセルラ
インを構築し、運用し始めると、それほど効果も見えず、また様々な疑問が
沸いてきてもそれをどうやって解決していったらいいか分からないと言った
悩みが多いのが実態です。

一番の悩みは、「セルを導入したが、生産性が上がらない」という悩みです。
それをどうやって解決していったらいいか、解説書にもあまり具体的な記述
がされておらず、参考にならないのです。

この記事では、装置組立工場の事例をもとに、どうやったら生産性を高めて
行くことができるのか、具体的なセル生産ライン再構築の手順と注意ポイン
トを解説してみたいと思います。

1.セル生産ライン構築のフロー
(1)前提条件
今回の事例では、以下の条件のもとにセルライン化を検討します。
 ・フロア面積は、約600平方メートル
 ・2種類のユニット(A,B)を別々のセルで組立て、最後に総合組立を行う
 ・セルはU字型、一人生産とする
 ・生産台数は、30台/日〜60台/日(年間生産台数は、9600台)
 ・部品点数は、Aが150点、Bが50点
 ・Aは、小型で、セル屋台の上で組み立てる
 ・Bは、少し大型で、キャスター付き。組立てはフロアー上で行う
 ・A,Bとも機構部品、電気部品をねじなどでフレームに組み込み方式
 ・A,Bとも数か所の調整・測定箇所がある
 ・A,Bとも組立後、試験機を接続して、動作テストを行う
 ・A,Bとも個別にはセル生産はすでにされている

(2)セル生産ライン再構築のフロー

 ① セル生産のアウトラインを決める
 (フロアー全体で、A,Bユニットを組立、完成品までのラインを構築)
     ⇩
 ② 資材INPUTから、製品OUTPUTまでのタクトタイムを計算する
 (過去の生産実績、将来の生産量予測により生産数量/日を設定する)
     ⇩
 ③ 各セルの標準作業を明確にし、セルごとのタクトタイムを決める
 (作業分析シート、作業組み合わせ票、標準作業票の作成)
     ⇩
 ④ ラインバランスを考慮して各セルの必要台数・必要人員を決める
     ⇩
 ⑤ フロアー全体のレイアウト図・流れ図を作成する
     ⇩
 ⑥ セルライン同士、同期を取りながら試行運用を行う
  (日程計画に従って、セル台数の増減、人員配置を行う)
     ⇩
 ⑦ 各セルの作業、運搬作業など、フロア全体の流れのムダを改善する
     ⇩
 ⑧ セル生産運用システムを確立する
  (日々の日程計画、作業指示、異常処理、などの運用ルールを決める
   ③に戻り、継続的に生産性向上を図る)

(3)セル生産ライン再構築のポイント
上記のフローで、もっとも重要なポイントとなるのは②、③、④です。
顧客需要の変動に合わせ、必要な「タクトタイム(変化する)」を求め
その変動に柔軟に対応して、「セルと作業者の増減」させ、生産台数を
コントロールする仕組みをどのように作るのか?

つまり、生産台数を増減した時に、いかに生産性を落とさずに、運用する
のか?がセル生産ラインに求められる「命題」です。

ライン生産では、生産量が変化しても、そこに従事する人員は変わらず
数量が少なければ、それなりにゆっくり作業を行うために、生産性は
悪くなります。

なぜ、セル生産を行うのか?
頭の中から、ライン生産の考え方(今までの常識)をすべて取り除く
ことが求められます。

(4)目標を決める(タクトタイム)
これは、非常に重要なことですが、残念ながらここが曖昧のままスタート
しているケースが非常に多いのです。
このタクトタイムに従って、フロアー全体が、心臓の鼓動に合わせ、血液
が、脈々と流れるように、各セル同士が同期を取りながら整然と生産する
ことが重要になります。

では、②~④をもう少し具体的に見てみましょう。
②資材INPUTから、製品OUTPUTまでのタクトタイムを計算する
 ・過去1年間の毎月の生産台数の最大、最小、平均を求める
 ・今後の需要動向を考慮する(増えるのか、減るのか)
 ・上記をもとにタクトタイムを計算する
 ・変動が大きい場合は、生産計画の段階で、平準化対策を行う
 ・タクトタイムは需要量に応じて、複数(3種類)設定する
 ・計算値は0.27H(16.2分)min/台~0.14H(8.0分)/台max
   平均値は0.2H(12.0分)

③各セルの標準作業を明確にし、セルごとのタクトタイムを決める
 ・セルの標準作業を作業分析シート、作業組み合わせ票、標準作業票
  を作成して明確にする
 ・標準作業に沿った作業を行った時のA,B各セルのタクトタイムを決める
 ・現状の測定値はAセル:50分、Bセル:30分→ 更なる効率化を検討する
 ・全体のタクトタイムを満足するためには、A,B各セルは複数台必要になる
 ・標準作業に従って多能工の教育・訓練

④ラインバランスを考慮して各セルの必要台数・必要人員を決める
 ・タクトタイムの変化に応じたA,B各セルの台数の決定(3種類のパターン)
 ・タクトタイムの変化に応じたA,B各セルの人員の配置の決定(3種類のパターン)
 ・タクトタイムの変化に応じた資材補充方法(数量、間隔)の決定 
 ・各パターンにおけるフロアー全体の生産性の計算(台/1日・1人)

 (注)以上の計算方法は、ここでは省略します。
    詳しく知りたい方は、お問い合わせください。


目標を明確に決めたら、それを運用に移し
 ・目標をまず守るためにはどうするのか?
 ・さらに生産性を上げていくためには何をどう改善するのか?
など、次の課題が待っています。

欠品や、不良、多能工化などセル生産ラインを取り巻く様々な問題が山の
ようにありますが、まずフロアー内の運用ルールを決めて、それに向かっ
て、一つ一つ問題を解決していくマネジメント力が問われます。

また半年、一年、二年後と、工場全体の到達目標を決めて長期な取り組み
が求められます。


7月東京 名古屋2.jpg
セ ミ ナ ー 予 定 表
テーマ(目的日時開催場所
主な項目
 多品種少量生産工場の現場改善力強化による
 付加価値生産性向上と利益率UP
未定
 
・生産活動の目的
・生産性向上・リードタイム短縮
・ムダ取り(直接・間接業務)
 若手・中堅社員の自立化と現場力の発揮
未定
・QCサークル活動
・個人目標管理(MBO)
・業務計画による改善活動
 ヒューマンエラー予防7つの対策
 ヒューマンエラー要因4分類と再発防止策
12月20日
(木)
9:30~12:30

12月20日
(木)
13:30~16:30
東京都北とぴあ
8F 807会議室
JR王子駅北口5分
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・再発防止対策と流出防止策
・是正と予防、水平展開
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 顧客から信頼を得る3つの品質対策手法
 ロジカルシンキングに沿った正しいなぜなぜ分析
・ヒューマンエラー要因
・ヒューマンエラー予防策
・IOT活用技術
 小規模チームで効果の上がるFMEA/FTA手法
2019年
1月30日(水)
9:30~16:30
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・工程FMEA
・信頼性設計とFMEA(DRBFM)/FTA
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