2018年06月30日

ISOを正しく取得する方法

ISO9000の小規模企業での無駄のない取得方法について解説します。

日本もグローバル化の中で、1990年代にISO取得ブームが巻き起こりました。
あれから、25年以上たって、どうでしょうか?取得した企業は口をそろえて
「役に立たない」「維持費用が高すぎる」と、否定的な意見が多く聞かれますね。

■ 建設業界のISO事情
下のグラフを見てください。
2006年をピークに取得件数は減少傾向が続いています。
スライド1.JPG
引用:日本における認証の実態(公益財団法人日本適合性認定協会)

主な原因は、建設業界の取得が大幅に減少しているからです。
建設業者がこのように当初ISO9001取得に向かったのは、公共工事の入札の問題
があり、入札への影響を懸念する建設業者が一斉にISO取得に乗り出したのが、
建設業者の認証が急増した理由です。

受審業者の中には小さな会社が多く含まれており、社員が数10人程度の会社が
次々とISO9001の認証を受けています。小さな会社が無理をしてISOを取り、
メリットを出せず、経営を圧迫している点も大きな問題です。

建設業は、公共工事を巡って行政に対し、大量の書類を作成し提出しています。
このような会社がISO9001に取り組むと、近隣の業者から品質マニュアルや
規定類を集めてきて、あっという間に同じものを作ります。

しかし、ISO9001は仕事に合わせて書類を作るのが重要で、書類を先に作ってしま
うと動けなくなります。自慢の機動力がアダになって、他社の丸写しの動かないシ
ステムを作ってしまうのです。

■ ISO取得企業がなぜ不祥事を起こすのか?
次に下の図を見てください。
ルールで決められたことを忠実に守り、守られているかどうかを監視する機能の
確立、社員に対するルール順守の認識が高められているなら、このような問題は
市場に出ないはずです。

下表のような問題は、ISOの認証を受けたマネジメントシステムのもとで発生し
ており、一体何のためにマネジメントシステムを構築し、そしてまた、第三者機
関は何のために定期審査を実施しているのでしょうか?

スライド2.JPG
引用:日本における認証の実態(公益財団法人日本適合性認定協会)

これらを見ると、ISOの取得は決して、消費者にとって、信頼に値するものでな
い事が証明されたことになります。

では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
先ほどの入札に参加する目的だけの建設業界のように、各企業は単にライセンスを
が目的だけで取得しているのでしょうか?

いや、経営者は、「品質が向上するから」「マネジメントシステムが整備される
から」など、会社を良くしようとして、お金を掛けてでも取得しようと考えたに
違いありません。

では、なぜ当初の目的を達成できなかったのか?また当初の目的を達成するため
には、どのような手順で、システムを構築し、どのようにそのシステムの維持管
理を行っていけばいいでしょうか?

以下、実際にある小規模企業で実施した例を示します。

1.トップの考える会社の将来像(5年後、10年後のビジョン)を明確にする
2.経営の基本となるトップの理念・行動指針を明確にする
3.会社の将来像を見据えて、必要な業務や工程を明確にし、業務フローを作成する
  (例:市場開発部、多品種小ロット対応製造ライン、アフターサービス部など)
4.組織図を作成する(各組織の役割、権限を明確にする)
5.必要な人材像を明確にする(どんな技能や職務経験を持った人材が何人必要か)
6.1年間(年度)の方針、目標を決める(経営計画書作成)
7.方針、目標にそって、各組織の年度の目標と達成計画を立てる(業務計画書作成)
8.業務計画実行の進捗度と、目標達成度を毎月レビューする
9.必要な人材を育成するための教育計画を作成し、業務計画に加える
10.以上1~9をルール化(規定化)する(ISO9000の品質マニュアルに相当)

上記を見て、従来持っていた一般のISO9000の構築手順とはずいぶん違うイメージ
を持ったと思います。
1~10までの手順は、経営の根幹を成す活動です。これがしっかりと実行できて
ルール化がされることが大前提です。これができていないまま、ISO9000を取得し
ても、全く意味がありません。


経営者としての要求事項を実現させるためのマネジメント・システムのはずですから
まずトップの考えを優先させるべきです。ISO9000の要求事項はその後に当て
はめればいいのです。

ISO認定機関は、あなたの会社の経営の事は全く考えてくれません。
iso9000の要求事項さえ規格が満足していれば認定証をくれます。
しかも実行は伴っていなくてもいいのです。
(記録類がでっち上げでもとがめられることはありません)
これが、嘘がはびこる原因となっているのです。

認証取得するには、ISO認証機関、ISO専門のコンサル会社に依頼する前に
このことをしっかり考えなければならないのです。

posted by k_hamada at 00:59| ★標準化とルール:ISO9000 | 更新情報をチェックする
 ★無料:品質管理書式フォームお申し込み ★無料:ネット相談フォーム

★★★工場の業務改革支援プログラム★★★
★詳しくはこちら

gd06.jpg 2020年4月1日から「時間外労働(残業)の上限規制始まる!
★★★若手中核人材を鍛える工場の業務改革プログラム★★★
Step1:残業が多い原因を分析しよう
Step2:残業削減の具体的な方法を考えよう
Step3:しくみの定着を図ろう

2020年 セミナー開催予定(東京/大阪/名古屋/群馬)
会員割引特典があります。受講料15,000円 → 10,000円(税込み)会員登録は<こちらから
新型コロナウイルス感染防止のため参加者人数を10名以下とし
濃厚接触を避ける対策を実施します。
 FMEA(DRBFM)/FTA実践コース
 設計FMEA/工程FMEAにおける潜在不良流出防止
 7月予定 大阪市産業創造館 9:30~16:30

 ★2017年に発生した新幹線のぞみの台車亀裂事故の原因は何だったのでしょうか?
  直接の原因は、台車製造メーカーの製造ミスによるものですが、FMEAを
  正しく実施していれば防ぐことが可能だったでしょうか?
   ・安全性設計の考え方が末端の作業者に伝わらなかった
   ・現場監督者が、現場や製品をよく確認しなかった
   ・指示書通りに溶接を行おうとしたがうまくできなかった
  様々な現場の問題が浮かびあがってきますが、設計には全く問題はなかった
  のでしょうか?皆さんと一緒に検証してみたいと思います。
(今後の開催予定)
 ◆2020年8月予定 愛知県産業労働センター
 不良品を流出させない品質対策!
 全数検査による不良流出防止
   ヒューマンエラー再発防止・予防対策
 4月24日(金)名古屋市愛知県産業労働センター1601会議室 9:30~16:30
 6月24日(水)東京北区北とぴあ806会議室

 ★セミナー4つのテーマ
 ①再発防止手順:「なぜなぜ2段階法」による再発防止対策(ルールの見直しと定着)
 ②全数検査の見逃しゼロ対策:周辺視検査法、画像検査機導入手順
 ③ヒューマンエラー予防策:ルール順守とは?異常に気づく、コミュニケーション
 ④IT・AI技術導入:ヘッドマウントディスプレイ(HMD)AI検査機導入ステップなど

 小ロット受注生産工場の
   実践的!生産現場の問題解決手法!
 5月29日(金)群馬県太田市新田文化会館会議室1 9:30~16:30

 1.現場の3悪(リードタイム・在庫・不良)はなぜ放置されているのか?
 2.若手・中堅社員の「プロ人材」としての「現場改善力」を徹底的に鍛える!
 中小製造業の生き残り策はただ一つ!
 固有技術を磨き、ニッチな市場でオンリーワンの地位を確立すること。
 それにはまず、身近な課題を解決する改善力を身に着けることから始める。

  ★お支払いは、Paypalまたはクレジットカード、銀行振り込みで!
  会員入会(無料)で、30%割引特典!
  ★購入お申し込みは <こちら>
  検査合格品が市場でクレームとなる、客先で不具合が発見されるなど、品質問題に
  悩まされている工場では、一体何が課題となっているでしょうか?時代は変化しています。
  これからの品質管理のポイントを徹底的に解説!

   2020 新品質管理の基礎講座.jpg
   目次.jpg