2018年04月26日

正しいクレーム対策書・報告書の書き方:2段階(5M/3P)なぜなぜ分析の進め方

不具合対策書・不具合報告書、品質問題対策書など、呼び方は様々ですが
その内容書き方、手順、フォーマット(雛形)を紹介します。
但し、対策書を作成するには、「工場における品質管理上の原因と対策」とは
何かをよく理解しないと書けません。




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★対策書作成の基本となるルールの構成

 「2段階(5M/3P)なぜなぜ分析法」によるルールのピラミッドとクレーム
 流出の考え方を示します。

 一番の底辺には、組織風土(暗黙のルール)があり、無意識のうちに行動や
 考え方が支配されています。

 次に共通のルール(ISO9000)があり、企業の品質マネジメントシステムと
 して、運用されています。

 現場では、作業手順書や、業務マニュアルなど現場のルールがあり、具体的な
 業務のやり方を規定しています。

 実際に不具合現象として現れるのは、自然界のルールによります。
 リンゴは木から落ちる、ぶつかると傷がつく・・・などです。

 以上、「ルールのピラミッド」により、組織の暗黙のルールから自然界の
 ルールまでを頭に置いて原因究明と対策を講ずることになります。
正しいなぜなぜ.jpg

★対策書作成の手順

1.不具合現象
この欄は、不具合の事実(発生メカニズム:因果関係)内容を記入します。
三現主義に基づいた事実を、「誰が、いつ、・・・したときに・・・だったので
・・・となるべきところが、・・・が・・・となった(不具合の内容)」
5W1Hで、正しい結果に対して、不具合の結果がこうなったと具体的に記入します。

決して、「傷が発生した」「寸法が規格外となった」など一般的な表現は避け、
その不具合固有の事象を記入します。

そして、発生のメカニズム(物理科学な因果関係)として、「重さ10kgの製品を
片手で持ったため支えきれず落下させてしまった」というように、物理科学のルール
沿った原因と結果を記入します。

2.現場ルールの原因と対策
①現場ルール原因(直接原因)
発生のメカニズムが解明できたなら、次は現場の品質管理ルール上の原因を探ります。
つまり、ルールの内容と実際の作業内容を比較検討します。
具体的には
 ・作業標準(作業手順書)の有無
 ・作業手順書の内容を守って作業したか?
 ・作業手順をを守らなかったのか?
 ・守らなかったならなぜ、守らなかったのか? 
その理由を明らかにします。

その結果、手順書(ルール)がなかった?、ルールはあったが守らなかった
知らなかった。ルール通りでは作業がうまくできない、などの作業を行う上
での直接の原因が見えてきます。
品質管理の原因は、一つではなく、4M(5M)の中で複合的に考えます。

②現場のルールの対策 
ルールがない、又は不備な場合は、ルールを新しく制定する、不備な場合は
修正します。内容は具体的に、「・・・標準の・・・ページ・・・の記載を
・・・に修正する」「・・・の記述を追加する」と記載します。
また、誰がいつまでに作成して、どのように周知するかも記載します。

ルールはあるが、それが守られていない場合、なぜ守られないのかを明らかに
します。周知方法や教育の方法に不備があった、故意に守らなかったなどの
原因に対して、周知方法、教育方法など、それぞれの対策を講じます。

ルールの原因.jpg

現場における原因の究明は、不具合発生時の状況から、現状ルールに照らし合わせ
その差異を明らかにします。
そして対策は、ルールとの差異をなくすための手段のことを指します。

 誤)ミスが発生したので、二度とミスが起きないように、作業者を教育した。

 正)ミスが発生したので、二度とミスが起きないように、作業指示書の不明確な
   記述を修正した。その修正内容を守るように関係者に周知し、以後の作業
   の状況を定期的に管理者が確認し、守られていることを確認した。

よく対策書に「発生原因」「流出原因」という分類で書かれているのを見かけます。
しかし、発生原因というのは物理的な「因果関係」を指すのか?「不注意」など
人的ミスの内容なのか?「標準書の不備」などの管理の内容を指すのか?わかりません。
人それぞれに解釈してしまい、本来の原因にたどり着かないことになります。

流出原因も最終検査漏れなのか?それとも作業者が作業後よく確認せずに次工程に
渡してしまったのか?明確ではありません。
対策書に「発生原因」「流出原因」と書くことは避けるべきです。

3.共通のルールの原因対策
ここでは、なぜ事前に市場流出を防止できなかったのか?原因を究明し対策を
講じます。市場流出するのは、いくつもの防波堤を乗り越えて、歯止めが効か
無いためであり、「工程設計」「4M管理」「検査」の工程の上流から下流に
至る段階のどこかで流出を止める対策が必要となります。

品質対策1.jpg
現場で発生した問題は、上流工程にに遡って、対策する、下流側で対策するなど
工場の共通のルールの不備を是正する必要があります。

①【工程設計】ルール
QC工程図や作業指示書を作成するとき、生産開始後、問題が発生しないように
万全な工程設計がされるよう、設計のしくみ(ルール)に漏れがないかどうかを
再度見直しを行います。具体的には、
 ①QC工程図や作業指示書を漏れなく作成するしくみ
 ②新製品を生産開始する前に試作を行って品質確認を行うしくみ
 ③FTAによる過去と同様不具合が発生しないか?検証を行うしくみ
 ④FMEAによる、未知の不具合が発生しないか?検証を行うしくみ
など整備、見直しを行います。


②【4M変動管理】ルール
万全な工程設計を行っても、生産開始後は整然とした生産を乱す様々な変動が
発生します。
例えば、機械の突発的な故障であったり、作業者の操作ミスなどにより製品品質に
影響を及ぼす危険性があります。

生産を乱す突発的な事象や、設計変更、納期変更などによって、製品品質に影響を
与えない様、常に「異常」が発生していないかどうかを監視し、「異常」が発生
したらすぐさま対処できるよう処理方法、手順をあらかじめルール化しておきます。

例えば、
 ①作業者が交代した場合、その作業スキルに問題ないかどうか確認する
 ②製品のロット切替時、準備作業や作業上注意すべき点は何かを明確にする
 ③監督者が工程を巡回し、設備・機械、作業者の状況を確認する
④設計変更が発生したとき、必要な4M項目の確認、品質特性の確認方法
などの日常の管理ルールを見直すなどです。


③【検査】ルール
第三者検査は、工場の外には絶対に不良品を流さないというしくみの構築が
必要になります。つまり
 ①不良を発見したらラインをストップする
 ②出荷を止める
などの強い権限を持たせなければなりません。それには、検査部門は製造部門
から独立させ、社長や工場長に次ぐ出荷判断権限を持たせることが必要になります。

自工程検査においては、
 ①作業者一人一人が、後工程に不良品を流さないという意識向上
 ②作業が確実に実施されたことを再確認する(指差し呼称)などの習慣を徹底させる
など、徹底した教育を常日頃から行うことが求められます。


4.ルールの位置づけ
ルールの必要性はだれもが理解しています。
しかし、中小企業では、ルールを作る、ルールを更新・維持する、ルールを守らせる
ことは並大抵の努力では実現困難な現実があります。

私は、日本では、ルールをすべて明文化する必要は無いと考えています。
良い風土を醸成し、良い暗黙のルールを作って運用することが理想の状態であると
思います。この意味については、別の機会に詳しく解説したいと思っています。

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以上の考え方と手順を踏んだうえで、対策書を作成します。
単に、フォーマットを準備しても、背景の理解無しにそれを埋めることは
できません。

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 ①ルールのピラミッドを用いた「なぜなぜ2段階法」による再発防止策を理解します。
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 ③ヒューマンエラー予防策について、4つの要因と対策を行う手順を理解します。
 ④全数検査の見逃し、流出防止対策の手順を理解します。

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