誰も教えない正しいクレーム対策書フォーマット(品質改善課題解決ツール3)不良対策書の書き方:【無料】書式フォーム

不具合対策書・不具合報告書、品質問題対策書など、呼び方は様々ですが
その内容書き方、手順、フォーマット(雛形)を紹介します。



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不良対策書の項目は大体下記のような構成になっています。
不良対策書フォーマットを埋めるためには品質管理の基本、再発防止の手法
・手順を正しく理解する必要があります。

 EXCELプルダウンメニュー選択式
ヒューマンエラー対策書フォーマット (ver1)
 これならできる!原因/対策欄は、プルダウンメニューから項目を
選択できる、画期的なEXCELフォーマット
クレーム対策書(不良報告書).jpg

1.ルールの構成(ルールのピラミッド)
問題の原因は、すべてルールを基本とする因果関係で解明します。
実際に不具合現象は、自然界のルール(科学の法則)に沿って現れます。
リンゴは木から落ちる、ぶつかると傷がつく・・・などです。

次に「これを守れば正しい作業ができるはず」と定めた品質管理のルールが
あります。

このルールを守ったのか?守らなかったのか?が次の問題です。
そして、なぜ守らなかったのか?なぜ守ることができなかったのか?という
ように原因を解明していきます。

「ルールのピラミッド」により、組織の暗黙のルールから自然界のルール
(科学の法則)までを頭に置いて原因究明と対策を講ずることになります。
ルールのピラミッド

2.現場のルールの対策(ルールを基準とした原因究明フロー) 
①作業手順書、検査手順書などの現場のルール
ルールがない、又は不備な場合は、ルールを新しく制定する、不備な場合は
修正します。

内容は具体的に、「・・・標準の・・・ページ・・・の記載を・・・に修正する
・・・の記述を追加する」と記載します。
また、誰がいつまでに作成して、どのように周知するかも記載します。

ルールはあるが、それが守られていない場合、なぜ守られないのかを明らかに
します。周知方法や教育の方法に不備があった、故意に守らなかったなどの
原因に対して、周知方法、教育方法など、それぞれの対策を講じます。

ルールを基準とした、原因究明フローを以下に示します。
現場における作業ミスや機械の不具合など、ほとんどのトラブル解析と対策が
可能です。
ルールの原因究明

現場における原因の究明は、不具合発生時の状況から、現状ルールに照らし
合わせその差異を明らかにします。
そして対策は、ルールとの差異をなくすための手段のことを指します。

 誤)ミスが発生したので、二度とミスが起きないように、作業者を教育した。

 正)ミスが発生したので、二度とミスが起きないように、作業指示書の不明確
   な記述を修正した。その修正内容を守るように関係者に周知し、以後の
   作業の状況を定期的に管理者が確認し、守られていることを確認した。

②【4M変動管理】ルール
万全な工程設計を行っても、生産開始後は整然とした生産を乱す様々な
変動が発生します。
例えば、機械の突発的な故障であったり、作業者の操作ミスなどにより
製品品質に影響を及ぼす危険性があります。

生産を乱す突発的な事象や、設計変更、納期変更などによって、製品品質
に影響を与えない様、常に「異常」が発生していないかどうかを監視し、
「異常」が発生したらすぐさま対処できるよう処理方法、手順をあらかじめ
ルール化しておきます。

例えば、
 ①作業者が交代した場合、その作業スキルに問題ないかどうか確認する
 ②製品のロット切替時、準備作業や作業上注意すべき点は何かを明確にする
 ③監督者が工程を巡回し、設備・機械、作業者の状況を確認する
 ④設計変更が発生したとき、必要な4M項目の確認、品質特性の確認方法
などの日常の管理ルールを見直すなどです。


以上が、現場における再発防止を図るため、「管理監督者」が主体で実施する
対策です。

3.上流工程、共通のルールの原因対策
ここでは、なぜ事前に不具合の発生を予防できなかったのか?市場流出を防止
できなかったのか?原因を究明し対策講じるための考え方を示します。

市場流出するのは、いくつもの要因が重なって、歯止めが効かない状況が発生
する問題であり、「工程設計」「4M管理」「検査」の上流から下流に至る
工程のどこかで流出を止める対策が必要となります。
品質対策1.jpg
現場で発生した問題は、上流工程にに遡って、対策する、下流側で対策
するなど工場の共通のルールの不備を是正する必要があります。

①【工程設計】ルール
QC工程図や作業指示書を作成するとき、生産開始後、問題が発生しない
ように万全な工程設計がされるよう、設計のしくみ(ルール)に漏れが
ないかどうかを再度見直しを行います。具体的には、
 ①QC工程図や作業指示書を漏れなく作成するしくみ
 ②新製品を生産開始する前に試作を行って品質確認を行うしくみ
 ③FTAによる過去と同様不具合が発生しないか?検証を行うしくみ
 ④FMEAによる、未知の不具合が発生しないか?検証を行うしくみ
など整備、見直しを行います。


②製造準備のルール
工程設計の結果、QC工程図、作業指示書が作成されます。
その内容は、実際の作業実施に当たって、抜け漏れがないか?やりにくい
作業がないか、実際に作業を行って検証を行います。



③【検査】ルール
第三者検査は、工場の外には絶対に不良品を流さないというしくみの構築が
必要になります。つまり
 ①不良を発見したらラインをストップする
 ②出荷を止める
などの強い権限を持たせなければなりません。それには、検査部門は製造
部門から独立させ、社長や工場長に次ぐ出荷判断権限を持たせることが
必要になります。

自工程検査においては、
 ①作業者一人一人が、後工程に不良品を流さないという意識向上
 ②作業が確実に実施されたことを再確認する(指差し呼称)などの習慣
  を徹底させる
など、徹底した教育を常日頃から行うことが求められます。


4.ルールの位置づけ
ルールの必要性はだれもが理解しています。
しかし、製造現場では、ルールを作る、ルールを更新・維持する、ルール
を守らせることは並大抵の努力では実現困難な現実があります。

私は、日本では、ルールをすべて明文化する必要は無いと考えています。
良い風土を醸成し、良い暗黙のルールを習慣化し、運用することが理想の状態
であると思います。
この意味については、別の機会に詳しく解説したいと思っています。

20170706155803.jpg

以上の考え方と手順を踏んだうえで、対策書を作成します。
単に、フォーマットを準備しても、背景の理解無しにそれを正しく埋めることは
できません。

不良対策書フォーマットを埋めるためには品質管理の基本、再発防止
の手法・手順を正しく理解する必要があります。

 原因/対策欄は、プルダウンメニューから項目を選択できる
 画期的なEXCELフォーマット


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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
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 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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