情報伝達ツールの問題とヒューマンエラー:なぜ情報が伝わらないのか?伝え方の3原則とは?

ヒューマンエラーを情報伝達ツールの観点から見てみましょう。
現在は、情報化社会と言わるように、世の中にあらゆる情報があふれています。
しかし、企業の内部では、必ずしも必要な時に、必要な人(部署)に必要な情報
伝わっていないことも多く発生しています。





 ★ヒューマンエラー再発防止・予防対策(事例研究)

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多品種少量生産によって、複雑で様々な作業を、臨機応変に行わなければなら
なくなった最近の工場では決められた作業を繰り返すだけでなく、新たな要求や
新たな情報に基づく判断が必要になったり、高度な技能を要求される作業が発生
したりします。

しかし、情報伝達ツールは相変わらず、電話、口頭、e-mail、あるいは未だに
FAXを使っている例も見受けられます。

立った20,30人程度の企業でも、情報が共有されていないためにトラブルが
生じることも多く見られます。
情報化時代と言われている現代でも、意外と社内外の情報流通の悪さ、コミュ
ニケーション不足が指摘されています。

1.コミュニケーション活性化ツール
ミスを減らし、仕事の生産性(創造性・効率性)を向上させるためには、社内
コミュニケーションの良し悪しが大きく影響していると考えられます。

コミュニケーション不足は組織にさまざまな機能障害を引き起こします。また
コミュニケーションの基本は「顔」が見られる関係であるということも言えます。

現代社会において大切なのは、ITとフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケー
ションをバランスよく持つことだと言われています。
では、コミュニケーション活性化ツールとはどのようなものでしょうか?

①「社内ブログ」「社内掲示板」
 日常業務上発見したノウハウ、ランチ情報、個人的意見などの情報発信する
 機能を社内に持つことは、スマホを使う今の時代の生活スタイルにも合致
 しています。

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② グループチャットツール
 e-mailに資料を添付したり、メールを送った後、わざわざ確認の電話をする
 など、今までの情報ツールは、スピード時代についていけない弊害が顕著に
 なってきました。

 ビジネスチャットツールと呼ばれる、業務で利用する、専用のチャット機能
 共有ファイル機能を持ったツールを新たに導入することによって情報伝達が
 格段に効率化すると考えられます。

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③ フリーアドレスオフィス
 フラット型組織の導入、プロジェクト単位で仕事する場合、社員一人ひとり
 の座席を特定しない「フリーアドレスオフィス」が一般的になりつつあります。

 自らの経験談になりますが、大部屋の区切りのない設計フロアーの中で仕事
 をしていた時、数十人の設計者と毎日顔を突き合わせて設計を進めることに
 よって、情報をすぐに伝える、あるいは情報をすぐにもらうことができるので
 非常に設計効率が上がります。

 プロジェクトチームの場合、一つのエリアに集まって仕事を行うメリットは
 はかり知れません。 

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④ スタンディング・ミーティング  
 スピード重視の内容の時に行う。
 現場で問題が発生したとき、速やかに関係者が集まって対策を練ることが
 求められます。まだ、現状が保持されいるうちに現場の状況を見ながら
 その場で、その日のうちに問題を解決することによって、お客様に迷惑が
 かからないようにすることが大事です。

 この場合、人数設定は少人数で、時間は短く区切って行うスタンディング
 ミーティングが有効です。

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2.情報伝達の責任は発信側にある
そのような中で、情報が不足したり正確でなかったりする場合は、間違った
情報を基に作業を進めてしまい、ミスにつながります。
また、情報を正しく理解しないまま作業を進めてしまうことも考えられます。

情報の発信元、情報の受け手ともに正しい情報をタイムリーに必要な人(部署)
に伝える、又は受け取るように努めなければなりません。

相手に指示内容を「伝えた」からといって、それだけで自分が期待した成果を
得られることはありません。伝えたい内容が相手に正確に「伝わる」ことで、
初めて結果が出ます。

ところが、意外と縦/横の情報ルートが確立していない企業が多いのも事実です。
情報伝達ルールが確立していないのです。

最近はネット社会で、すぐさま情報は伝わるはずですが、社内の事情となると
それが徹底されません。あるアンケート調査では、社内の風通りの悪さを感じ
ている人は80%以上に上っています。

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、仕事の現場では、これを意識でき
ていない人がかなりいます。よく見られるのが、「資料作成の指示をしたのに、
後輩が全然わかっていない」「メールで連絡したのに、全然理解していない」
などと愚痴を言って、コミュニケーションミスの責任を「受け手」のほうに
転嫁するケースです。

でも、悪いのは本当に受け手でしょうか?
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コミュニケーションミスの責任は、発信者側にあるのです。
たとえどんなに素晴らしいビジネス戦略を考えたとしても、それを組織に伝え
ことができなければ実行されず、成果を得ることができません。「絵に描い
た餅」で終わってしまいます。

3.相手に1回で伝わる「伝え方」の3原則
では、相手にきちんと「伝わる」伝え方とは、どのようなものなのでしょうか。
相手に正しく「伝わる」ためには、雄弁であったり、声を大きくする必要はあ
りません。次の3つの原則を押さえておく必要があります。

[原則1]「短く」伝える
長い説明、長いメール、とても読みきれないほどの資料……。
自分が受け手側のときは、誰でも「明らかにダメ」だとわかるはずです。にも
かかわらず、自分が情報の発信側になった途端、「伝えなければならない」と
いう気持ちが強くなって情報を詰め込みすぎてしまい、長くなってしまうのです。

長くなってしまう原因は、自分の持っている情報をすべて発信しようとして
しまうからです。枝葉な情報までをすべて伝えようとして、結果、話に「背びれ」
「尾びれ」がついてしまいます。
大切なのは「最低限、何を伝えるべきか」。一番伝えたいメッセージを中心に、
伝える情報の「選択と集中」をするのです。

[原則2]「構造」を意識して伝える
情報が伝わらないのは、話す側の人が情報を論理的に「構造化」できていない
ために起こります。論理的に話をすること、これは世界共通のビジネスルールです。

いくら英語がうまくても、論理的に話ができなければビジネス上のコミュニケー
ションは成立しません。それは、日本人同士の日本語での会話でも同じです。

「昨日の件、どうなったの?」と聞かれたら、「まだ決まってません。なぜなら
ば……」と結論から話すだけで伝わり方は格段に違います。そのように話すため
には、物事を「構造化」して捉えることが重要なのです。

[原則3]「イメージ」で伝える
「この道をまっすぐ行って、3つ目の信号を右に曲がってください。そこには
コンビニがあるのでわかると思います。そして、そこからまっすぐ行って、2つ
目の信号を過ぎて、3本目の路地を左に曲がってください。その先に小さな薬局
があるので、そこを右に曲がって30メートルほど歩くと目的地に着きます」

このように口頭で説明されて、たどり着く自信はありますか?
会話するときには極力、紙に図や表、グラフ、絵を描いてコミュニケーション
するように心がけます。
特に、海外の作業者と仕事をするときに、こちらが英語で話しても伝わらない
相手が日本語で話してきても正しく理解できないという状況の中、紙に図を書き
ながらコミュニケーションすると格段に伝わりやすくななります。

人は、耳で聞いたり、目で読んだりした文字の情報を頭の中でイメージに変換
しています。簡単な日常会話ではあまり実感しませんが、仕事でちょっと難しい
話をしている場面を想像してみてください。

文字や口頭で伝えられた情報を、頭の中でイメージに変換する。このプロセスで
誤変換が生じてしまい、コミュニケーションミスの原因になります。ミスを回避
するためには、最初からイメージで伝えるように徹底すべきです。

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