2019年10月01日

不足している経営トップの品質管理への理解

日本製品の品質には、これまで内外から高い評価を得てきました。
その一方で、日本が誇る“品質”にかげりを感じている人々も少なくありません。
従来の品質管理や仕組みでは対応できない」「何をどこまでやれば十分な品質と
いえるのか?」と言った悩みを抱える企業が増えています。
  1章~5章目次

【現場ですぐ使えるマニュアル】

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1.日本の品質管理の危機
「製品のライフサイクル短縮」「顧客要求の高度化」など、環境変化によって
品質を保証するための難易度があがっていること、また熟練工や技術者の定年
退職、定着率が低下し流動化している雇用の状況も大きく変化しています。
こうした条件のもとで品質を維持するには、従来のやり方では追いつかなく
なっていると考えられます。

企業としてもISOをはじめとする標準的な仕組みを導入し、品質保証の機能
向上を目指してきましたが、最近では、このような仕組みが行き詰まり、
形骸化したり、日常業務の身近な問題を改善していかなければならないQC
サークル活動も低調です。

そこには、品質を意識し、正しく考えて行動する人員が経営者も含め相対的
に少ないという現実があるように思えます。多くの企業が、品質を重要視し、
品質を維持・向上するための仕組み「品質マネジメント・システム」を構築
しています。

このような仕組みは、どの企業でもある程度用意されているが、大切なのは
その仕組みがどれほど機能しているかということです。
 (1)問題対応はしているがもぐらたたき対処型になっているレベル
 (2)製造など下流工程での議論が中心で上流までに波及していないレベル
 (3)PDCAサイクルが回って、品質リスクを評価するシステム存在するレベル
 (4)品質リスクの視点が定着、予測する活動と対策を実施しているレベル
 (5)品質経営が実行できているレベル

だが、冷静に見て、ほとんどの企業がレベル(1)、(2)というのが現状です。
どうも品質に対する考え方が、充分浸透していないため、発展が阻害されている
としか説明のしようがありません。

2.不足しているトップの品質意識
品質を高めることが競争力強化において重要であることは間違いありません。
しかし、それとは裏腹に、品質を経営上の問題としてはとらえない企業が意外
と多いということです。

現場だけでは追いつかないテーマであるにもかかわらず、『品質は、現場や品質
保証部門で解決すべき問題だ』という感覚でいる経営陣は少なくないのです。
しかし、お客さま満足のための品質を社内へ展開するプロセスが入るのですから
本当はとても大きな経営課題なのです。

品質経営を実現していくためには、全社として取組むという意識をもつべきで
あり、やる気のある一部の人だけが手がけるのではできないことなのです。
品質経営というのは、組織として取組むことが大切であり、そういう社内の体質
もっていかなくてはなりません。

それが品質マネジメントシステムであり、その一つの実現手段がISO9000に沿っ
システム構築だったはずです。(良い悪いは別として)
一番重要なのは、トップである経営者に品質を重要視した経営方針を採用する強い
意志があるかどうか、という点です。ISO9000を取得して、品質向上に努めて
いると言いながら、コストだけ、生産性だけを重く見ているというのでは、やはり
大きな改革は難しいのです。

品質経営は会社の経営活動そのものですから、そのマネジメントの仕組みに欠陥
あると、改善がうまくできない以前に日常業務にも支障が出てきます。

そこに大きな「問題」があります。
ところが、問題解決というと、すぐ現場でIEとかQCを駆使した改善活動を
イメージしてしまうのです。

品質マネジメントの仕組みの欠陥でうまく進まない改善活動で、マネジメントの
欠陥を改善しようとしてもムリです。QCサークル活動がうまく機能しないのは、
すべてそのせいなのです。

3.改めてマネジメントとは何かを考える
マネジメントの基本とは何かを整理してみましょう。

(1)トップマネジメント。
 社長、取締役、工場長などのマネジメントで、その最も重要な役割は、方針
 を出すことです。そして、全社員へ浸透させる努力を払わなければなりません。

(2)ミドルマネジメント
 部長、課長など組織の長のマネジメントで、トップ方針に基づく経営を実現する
 ためにトップ方針を展開し具体化して、組織としての効率を最大限発揮できるよ
 う、人の教育、効率的な配置、業務プロセス(仕組み)の構築、改善を行います。

(3)ロワーマネジメント
 係長とか班長など実務の監督者のマネジメントで、組織方針に基づいた業務の実
 施計画を立てて、作業者に実行させ、進捗を管理します。

このようなにして、仕組みに基づいて業務を遂行した結果が確実に経営成果につな
がるようにしていく一連の活動がマネジメントであり、全社の仕組みが品質マネジ
メントシステムです。ここで大切なことがひとつあります。

つまり、これらの役割の中で、それぞれの責任を果たすための「権限委譲」という
ことが行われます。この権限委譲が行われた場合に「報告責任」という新たな責任
が発生することも決して忘れてはいけません。

仕事は部下に任せろ、任せたら必ず報告させろということです。ところが、こんな
簡単なことがうまくできない。その上、ほとんどの場合、当事者はマネジメントに
問題があるとは思っていません。マネジメントについて全く無知・無関心というし
かありません。

仕事をPDCAのサイクルで回す過程で、5W1Hをはっきり明確に示し、アウトプット
として、QCDの成果を出す。

4.トップは勇気を持ってマネジメント改革を実施すべき
マネジメントの問題を放置していたら、いつまでたっても改善の成果を得ることが
できません。そこで、現場の改善活動と同時に マネジメントの質を向上させる取
組みが必要となってくるのです。

本気で改善活動を進めようと思っているならば、 経営者・管理者は自ら率先して
自分の行っているマネジメントに改革のメスを入れる覚悟をしなければなりません。
それができなければ、いつまでも特効薬を求める不毛な改革運動にムダ金を使い続
けるだけです。


posted by k_hamada at 22:00| ★強い工場のあるべき姿 | 更新情報をチェックする

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