2020年03月10日

リコール処理で経営体質が問われる:強い工場のあるべき姿

最近のホンダの品質問題、リコールの多さは、会社全体の品質管理に疑問が生じる
ほど深刻な問題をはらんでいる。品質問題の本質を明らかにして、緊急に品質改善
を行わない限り、市場から見放される危険をはらんでいる。
  1章~5章目次

【現場ですぐ使えるマニュアル】


ホンダは、昨年後半に発売した主力車種の「フィット」で5度、「ヴェゼル」で3度
と、短期間に相次いだリコールで新車投入が遅れ、過去最高益を狙う勢いだった生産
に急ブレーキがかかっている。

フィットのHVは、発売直後の昨年10月と12月、さらに今年に入って2月と7月に変速
装置やエンジンの制御プログラムの不具合で、急発進の恐れがあるとして、リコール
を実施した。

トラブルの状況と原因はそれぞれ異なるが、いずれもHV用デュアルクラッチ式自動変
速機(DCT)の制御プログラムにかかわる部分だ。今回、十分な対応ができなかった背
景には、DCTを使ったHVシステムがホンダにとってこれまでに経験がないまったく新し
い複雑なシステムだったことがある。

従来、ホンダはHVのシステムとしてIMAという方式を使っていた。これは常に稼働す
るエンジンを必要に応じてモーターがサポートするという比較的単純な方式のHVシス
テムだった。

これに対して新システムは、2つのクラッチを持つDCTにモーターを組み合わせ、発進
時にはモーターのみで走行し、加減速や車速など状況に応じて変速機の段数を変化さ
せてモーターアシスト走行やエンジン走行、充電を行う複雑な機構になっている。

HV競争の緒戦でトヨタに完敗したホンダが、逆転をすべくHVシステムを完全刷新する
という高い目標に挑んだわけだが、品質管理での詰めが十分でなかった。

これまでの状況を見て、問題の本質は何なのかを推測すると
HVではトヨタの後塵を拝したホンダとしては、逆転を狙ってHVシステムの刷新を試み
たが、結果は不完全な形で市場に出さざるを得なかった。

車にソフトウエアを組み込み、ソフトウエアが重要な機能を果たすことになると、ソ
フトウエアの開発体制の良し悪しが、車そのものの品質を決定づけてしまう。

また、単純にソフトウエアのバグではなく、おそらく、機構部分の動き、センサー
からの信号など、メカトロニクスの世界で、ソフトとメカの機能分担、情報のやり
取り、タイミングの調整など、理論では解決できない泥臭い部分もあるのだと想像
はできる。
これはもう、カットアンドトライを何回も繰り返し、限りある時間との戦いの中で
一つ一つ不具合をつぶすしか方法はない。
事実、DCTのユニットを供給するドイツの大手機械メーカーシェフラーの開発陣と
ともに、本田技術研究所では最後の最後まで手直しを繰り返したというから、結果
は推して知るべし!

リコール回数の多さから見ても、充分な評価も行わないまま時間切れになったとしか
言いようのない結果だ。開発プロジェクトの進め方、次工程へのステップで、進むか
それとも留まって、再検討を加えるかの判断が甘いとしか言いようのない結果では
ないだろうか?

開発ステップの基本を無視した判断ミスと捉えられても仕方がなく、今後のホンダの
品質管理体制にも疑問符が付いてしまうことになる。

相次ぐリコールを受けてホンダは品質改革担当を新設した。四輪事業本部の福尾幸一
専務執行役員がこれを担当し、併せて本田技術研究所の副社長も兼務することになっ
た。社内で「ミスタークオリティ」とも呼ばれる福尾氏は重責を担う。

リコールの多発で販売に影響が及ぶという負の連鎖を断ち切れるか、これからが正念
場ではないだろうか。
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