タグチメソッドの体系を企業の開発方式に組み込めば、現在の開発の問題点の
多くが解決できると考えられます。

品質工学、タグチメソッドの入門書です。
とかく難解なタグチメソッドの概念・用語を技術者や工学系の学生向けに
わかりやすく解説しています。
著者/編集: 立林和夫
出版社: 日科技連出版社
定価: 3,240円(税込)
現在の開発設計方式は重大な問題点を抱えています。
タグチメソッドを組織的に活用し、開発プロセスの改革を推進する必要が
あると言われています。
■ 現在の開発方式の問題点
設計 ⇒ 第一次試作 ⇒ ノイズを加えて試験 ⇒ 改良
第二次試作 ⇒ ノイズを加えて試験 ⇒ 改良 ・・・
量産 ⇒ 市場投入 ⇒ 品質トラブル流出
一般的な開発プロセスは、上記のようなステップで行われています。
これでは、開発期間、費用はかさんでしまい、なおかつ完全には品質が
安定せずに、多数の品質トラブルの追いまくられることになります。
■ タグチメソッドの開発方式(2段階設計法)
ノイズに強い設計 ⇒ 目標値に調整する
量産 ⇒ 市場投入 ⇒ 品質トラブルは最小化
タグチメソッドでは、作ってからノイズに強いかどうか試験するのではなく
最初にノイズに強い設計にすることです。
タグチメソッドの体系を企業の開発方式に組み込めば、現在の開発の問題点の
多くが解決できると考えられます。
自動車に例を取るならば、騒音などの問題が市場クレームとなったとき
騒音という特性に対して、その要因となっているシリンダー、ピストン、
ピストンリングの形状、寸法、材質などに改良を加えることになる。そして
図面や規格で規定します。
しかしながら、使用部品の信頼性は、図面や規格だけでは規定できません。
タグチメソッドの中心的な考えは、この部品のばらつきや使用環境などの
ノイズに対するロバストネスを源流である技術開発段階で追求しようとする
ものなのです。
愛知県の伊那製陶のタイル製造において、釜内部の温度ばらつきでタイルの
寸法、つや、反りなどのばらつきが大きかった。
それをタグチメソッドを使って改善し、大きな成果を得たことは有名な話で
です。