新入社員は、入社後の研修、OJTによる現場指導など、教育訓練を実施して
早く即戦力として仕事を任せられるようにしなければなりません。
★技術者スキルアップ・事例演習セミナー(FMEA/品質作り込み)
★YouTube動画(無料)
しかし、中小企業にとっては教育はなかなかうまくいかない、というのが
実情です。その理由としては
①教育計画が建前となっていて、中身が十分でなく効果が上がらない
②現場指導者は、あれこれ自分の業務で忙しすぎて指導ができない
③そもそも現場指導者に教育するスキルがない
などです。
1.企業人・組織人としての考え方・行動の基本
最近は、企業人・組織人としての考え方・行動の常識がないので、そこから
教育を始めたいという要望を聞くことがよくあります。
以下は、若手社員だけでなく、指導する立場の現場管理者にも同時に学んで
頂きたい項目をまとめたものです。
(1)会社で「仕事」をするうえで前提となる心構え、態度として
1.声を出して挨拶する
2.身だしなみに気を付ける
3.自分の職場、机の上、使った器具は整理整頓、清掃して帰る
4.ノートを持ち歩き、メモを取る習慣をつける
5.約束事は守る、どうしても課題納期が守れない場合、早めに理由を連絡する
(2)コミュニケーション
1.わからないことは積極的に聞く
2.上司に聞かれたら応えるのではなく聞かれる前に自分から報告する
3.疑問や問題と思えることはそのまま放置しないですぐに聞く
4.その日指示された仕事は、結果または経過を業務終了前に報告する
5.指示内容は、復唱しメモを取る
6.同僚が困っているときは声をかけ必要に応じて支援する
(3)仕事に対する姿勢
1.毎日の仕事の目標を立て実施できたかどうかチェックする
2.仕事の内容や手順は、どこにルール化されているかを知る
3.仕事をより深く、幅広く理解しようと積極性を持つ
4.苦手な部分を直視し、できるように努力する
5.他人のせいにしない、どうすればうまくいくか考える
6.今やっている仕事に情熱を注ぐ
7.失敗を犯しても、諦めない、前向きに考え改善する
8.自分の仕事は、会社の何に貢献するのかを理解する
9.会社の目的と自分の目的は何かについて考える
10.自分の将来像を描き、自らの努力や友人、上司の力を借りて実現する
2.OJTがうまくいかない理由
OJTは、職場内で、実践の知識や技能を身に付ける重要な教育訓練手段です。
従って、効果的な方法で、きちんとしたOJTを実施する必要があります。
しかしながら、OJTの実施者(上司・管理者)の力量によって、成果にバラ
つきが生じる欠点があります。
例えば、この製品を仕上げる技能は右に出る者がいないというベテラン係長が
その加工技術や組立技術・ノウハウを部下にうまく伝授できないため、係長
だけがいつもその製品を担当し、他の人間は作業ができないといったケース
です。
この係長も部下にOJTをしていないわけではないが、「指導ノウハウ」の未
熟さから部下を育てきれていないのです。
要するに、会社として部下を育てる能力・ノウハウが個人任せになっているのです。
3.効果的なOJTを行うには
効果的なOJTを行うには、具体的な計画づくりと、実施のフォローが成功させる
ための最大のポイントになります。
計画作成は、教育ニーズに基づき実施しますが、それには、個人別にニーズを
捉える必要があります。
①仕事に必要な内容を基本作業に分解する
②新人の能力を把握する(学校を卒業して入社した場合は能力ゼロと捉える)
③現在の能力と、必要とされている能力の差がOJTのニーズとなる
④ニーズに基づいて、個人別にOJT計画書をつくる
⑤OJTの実施、遅れた場合は、計画を見直して日程を組み直す
⑥終了にて、受講者はOJT受講報告書を作成する
⑦評価とフィードバック(教育実施者は結果を評定し、フォローする)
OJTは、実際の業務の経験を積むことで、仕事を任せ、うまく遂行できるよう
に教え、受講後は自分で学習し、成長する機会を与えることが重要です。
OJTの基本フローは下図の通りです。
ポイントは、「基本作業の抽出」と「自ら見本を見せ」→「作業者にさせ」→
「確認・評価」を行うことです。
決して、「これやっておいて」と言って、後で結果だけを見て判断しては
いけません。
またOJTの名のもとに、現場に任せきりとなって、無計画な教育が実施されて
いると離職率の増加や、戦力として育たないという、せっかくの人材を生か
せないことになるので、管理層は、教育担当者の意識付けと、教育時間の配分
などのフォローが必要です。
4.作業分解シート
作業分解は、工程の作業の主なステップ(順序)、各ステップの急所は何か
を整理し、作業の目的を明確化することを目的としています。
例えば、作業を指導する監督者は、経験に基づき、仕事をするときの作業手順
を一つ一つ作り、主なステップの目的を達成するための手段を、作業標準書
に書かれないもの(勘、コツ、巧み)も含めて急所を掘り起こして、わかり
易い言葉で纏めることを指します。
各ステップの急所を掴むには、以下の三つの条件があります。
①出来栄え判定:仕事の到達点と品質判断基準が明確か?
②安全性:危険で、作業員が怪我をする恐れがあるか?
③やり易さ:どのような勘やコツ動作が必要か?
作業指導の方法として、「いって聞かせる、やって見せる」だけでは、作業
をうまく伝えることはできません。それは、監督者が教える前に指導内容を
如何にうまく伝えるかという方法を考えていない、また伝え忘れたり、言葉
の表現が下手だったりなどの理由から、自分で思っているほど、相手が理解
していない場合が多いと考えられるからです。
そこで、「いって聞かせる、やって見せる」だけでは、作業をうまく伝える
ことはできないため、監督者が教える前に指導内容を、作業分解シートに
まとめます。
ひとつの作業を何回教えても同じステップ、急所、その理由をわかり易く伝え
られるツールとして作業分解シートにまとめます。
作業分解シートのフォーマットの詳細は以下の記事を参照してください。
企業トップは教育に関心を持ち、どのような人材を必要としているかを、
はっきり明示し長期戦略で、人材育成に取り組む必要があります。
中小企業こそ、人材を生かして行かなければ、生き残りは難しいと考えます。
★メルマガ・バックナンバー
★無料会員登録はこちらから(解説書・DVD割引)
無料ネット相談:問い合わせ/質問など <こちら>
無料品質管理書式フォーマット・簡易マニュアル <こちら>
無料メール講座(品質管理基本/設計品質向上/経営品質向上)<こちら>
YouTube動画サイト <こちら>