市場では、設計の信頼性・安全性が求められています。
それには客様目線で設計・製造を行い、市場のリスクを最小限に抑える
リスクアセスメント手法の導入は必須となっています。
今回は設計の「標準化」と「共通化」について整理してみます。
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漏れのない設計ステップとは?
①設計仕様書を作成する
②具体設計に着手する
③技術的手段(方式)の妥当性を確認する
④実際に試作検証して設計通りのものか確認する
⑤最終のアウトプットとして、設計図面をリリースする
その中で、②③のステップについて一つ一つ考えてみます。
このステップは、設計者としての力量を発揮できる最もクリエイティブな
場面なのですが、逆に最も慎重に作業を進めなければならない重要なステップ
でもあります。
新製品と言っても、必ず過去の技術や、過去の製品を流用しているはずです
ので、その実績にある手段をそのまま実現すれば、問題は発生しないはずです。
但し、気を付けなければならないのは、流用した部分に問題は無くても、新規
部分との組み合わせたことによって不具合が発生することがあります。
1.標準化の意味
なぜそのような問題が発生するのか?
「標準化」という言葉はよく聞きますが、例えばUSB接続の機器はUSBの
規格を満足するように作られています。USBはコンピュータと端末装置を
接続するための規格として最も普及している標準インターフェース規格です。
部品・ユニットの仕様や属性に関して設計意図を明確にすること、これが標準
化の意味です。図面は標準図面として公開され、標準化されたものは、一度も
作ったことの無い部品・ユニットであっても、以後は設計側の検討を経由せず
に製作手配してもよいということになります。
2.共通化の意味
一方、「共通化」という設計手法を考えてみます。
過去製作した部品・ユニットを流用することによって図面作成枚数の削減や、
設計ミスの少ない効率的な設計が可能になります。
但し、似たような形状・仕様のものを検討する場合でも再度設計側で使用可否
判断が必要となります。「同じなので流用しました」で済ますことなく、何が
同じで、何が違うために、この項目と、この項目を確認し問題が無かった、と
すべきです。標準化されていない部品やユニットは、安易に流用は出来ない
のです。
「共通化」は「標準化」のための1つのアプローチであることは間違いあり
ません。しかしながら「過去図面を設計部サーバなどに蓄積しておき、ここ
から流用していく」という環境を構築するだけでは真の標準化には到達でき
ないといえます。
「標準化」のためには、製品体系の整備と明確な仕様を定義することが必要
となります。
(続く)