過去トラブル事例を設計へ取り込む方法:リスクの予測&アセスメント設計手法

市場では、設計の信頼性・安全性が求められています。
それには客様目線で設計・製造を行い、市場のリスクを最小限に抑える
リスクアセスメント手法の導入は必須となっています。

設計品質を確保するのに重要な過去トラブルの有効利用について考えます。


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1.過去トラフィードバック上の問題点
どの会社でも過去トラブルのデータを収集して有効利用しようと考えています。
しかしながら、
 ・「過去トラ」を登録・管理するための仕組みが不明確
 ・「過去トラ」の件数は増加し続けている
 ・「過去トラ」の登録内容はメンテナンスされていない
などの管理上の問題が見られます。

また、それを利用する設計者側の問題として
 ・「過去トラ」の利用方法は開発現場任せになっている
 ・利用される「過去トラ」は身近なものに限られる
 ・「過去トラ」が利用されないこともある
 ・「過去トラ」の利用効果を確認していない
 ・「過去トラ」の利用効果がフィードバックされるのはその部署のみ
などにより、過去トラの利用方法にも問題が有ります。

但し、これらは設計者個人の問題と言うよりも開発設計部門の仕組みとして、
それぞれの企業の事情に応じた過去トラ利用システムを構築する必要があります。
 ・「過去トラ」の情報共有の場を構築する
 ・蓄積した「過去トラ」を適切に分類し、体系化する
 ・効果を客観的に判断するため、活用状況や品質を定量化し計測する
 ・増え続ける「過去トラ」の改廃や再発したときの既存情報へのフィード
  バックなど、情報の新鮮さを維持する仕組みの構築
など、一朝一夕では難しい課題を、少しずつ解決しながら積み上げていく必要
があります。

さあ、皆さんの開発部門ではどのように過去トラを活用しているでしょうか?
各設計者の頭の中にあるので、それを聞き出して設計しているという会社も
多いのではないでしょうか?

2.過去トラの宝庫、大部屋設計フロアー
私の設計していた頃の事例はあまり参考にならないと思いますが、1980年代
から1990年代にかけて設計していた頃、設計室というか、仕切りもない設計
フロアーには何百人という設計者が、日夜設計を行っていました。

ベテランから新人まで、機構設計、電子回路設計、ファームウエア設計など
あらゆる設計を行っており、何か分からない事があると、あの人なら以前
このような製品でこのような機能を実現しているので、効くと言いよ!と
教えられ、先輩に紹介してもらって聞きに行ったものです。

そして、その人は聞かれたこと以上に親切にいろいろ教えてくれるのです。
過去トラのデータベースがなくとも、先輩から教えてもらうという、風土
があったのです。

(続く)


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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
 日本が誇るものづくり技術にもっと磨きを掛けよう!!

 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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