ヒューマンエラー(ポカミス)とは、人間が機械を使って作業する場合などで
人間が行うべき作業を適切に行わない事により生じるエラーのこと。
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認知⇒判断⇒行動の人間の3つの行動における無知、無理解、誤認識、誤判断
スリップ、忘れなど、いわゆるポカミスを対象として生産現場や、間接職場
における対策が行われて来た。
ただ、本当にこの対策で物事は解決するだろうか?
大量生産時代の工場では、大勢のワーカーが製造ラインで流れ作業を行う
生産体制が敷かれ、そのなかで、いかにポカミスを無くすかに注目が集まっ
ていた。そのために、様々なポカヨケ対策が工夫され、日々改善されていった。
しかし、現在では多品種少量生産、非正規労働者の増加、海外生産や外注
による委託生産など、ものづくりに関わる業務は複雑かつ多様化している。
最近の傾向として、故意または仕方なし、やむを得ずの違反・手抜き作業まで
も含めて広範囲のミスをヒューマンエラーとして扱う必要性が生じており、
そのためには、企業組織の背景に潜む管理的な要因に着目する必要が生じて
いる。
①間接業務の増加により、モノを主体としたポカミスから情報を主体とした
ポカミスへの対応が求められている。
②仕組みや体制の整備遅れ、管理がおろそかになり、作業現場では指示違反
手抜きなどが横行するようになった。
③また、管理層の現場軽視のなかで問題が放置されたままとなって、やむを
得ず、違反作業を行っている。
④多品種少量生産工程では、ポカミス防止治具、装置製作など、きめ細かい
対応が困難となっている。
このような状況下で、効果的なヒューマンエラー対策を実施していくため
には、しくみ、ルールを主体とした対策を講じて行く必要がある。
・情報の加工や伝達方法・ルート
・管理層も含めた人の教育方法
・ルールを守る組織風土の醸成
・業務の見える化
品質向上を図って行くためには、用語や手法・技法の本質を理解した上で
正しく使わなければならない。
工場で、建前だけになっている様々な活動は、その活動の正しい姿の追求が
おろそかになっており、全く効果が得られないばかりか、返ってムダな時間
・費用を費やしている。
目的と効果を正しく理解し、何事にも限界があることも見極めながら行動
する姿勢が重要なのである。