5Sとは?!5S3定とは?製造業の品質管理 改善の進め方事例

5Sとは、「整理」・「整頓」・「清掃」・「清潔」・「躾」という5つのSの
実施事項のこと。
また3定とは「定められた位置」(定位置)に「定められたモノ」(定品)を
「定められた量」 (定量)置くこと。

5S活動における整頓とは、単にモノをきれいに整えることだけでなく、「必要な
モノ」を、「決められた場所」に、「いつでも取りやすい」ように置くことです。
つまり「3定」(さんてい)を決めること、とも言われている。

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製造工場の5Sは、効率化、現場従事者の規律強化、経費削減、安全管理などの
効果が期待されている。

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しかし、5Sに取り組んではいるが、現場が綺麗になっていない、規律も守られて
いないなどの工場も見受けられる。

疑問を持ちながらもこのような5S活動を継続させている企業も多い。
では、なぜ効果が得られないのだろうか?

5Sが定着しない理由の1つが目的が不明確になっていることがあげられる。
機械加工工場と食品工場では明らかに目的は異なる。機械加工工業5Sの目的は
効率化、現場従事者の規律強化、経費削減、安全管理などであるのに対し、
食品工場の目的は綺麗で衛生的な環境を保つことである。

目的について深く考えられていなかったり、また最近の工場では経費削減、
人員削減などのため、人員が安定せず、教育訓練もままならない状態となって
いる、など5Sの運用が思い通り行かなくなる。

大半の従事者は、その目的や意味、必要性を理解していないことが多い。
「5Sをやるぞ」という意気込みがある者と「5Sをやりたくない」者はいずれ
も少数であり、大半の従業員は周りに流されている。そのため、少数の
ルール違反や例外を許していると5Sをしない状態に逆戻りしてしまう。
たとえ社長だとしても、ルール違反を叱責できる会社としての取り組みや
雰囲気づくりも5S成功のためには重要である。

このように「躾」は1つのSでありながら、非常に重要であり、品質や生産性
にも影響するため、大きな役割を担っている。

■5S基準
5Sの目的と、達成レベルをどこに置くかで、管理基準が決まって来る。
(在庫金額、不良率、労働生産性などを数値化し、見える化する)
 ・製品や仕掛品の置場や数量(在庫を減らす、一定数に保つ)
 ・異物や不良品の混入を防ぐ(清掃の頻度、不良品の識別方法)
 ・作業時間の短縮(治工具の置場管理、部品材料の取り揃え方法)

5Sのために何時間、時間をかけているでしょうか?
もし毎日、30分、5Sのために全員が時間を取っているとすると
0.5H×30人×22日=330時間/月かけていることになる。時給1500円とすると
330時間×1500円=495000円/月、年間に換算すると594万円になる。

経営者として、594万円掛けた効果をどう評価しているのか?
工場がきれいになった、仕事がやり易くなった、お客様にほめて頂いたなど
もちろん無形の効果はあるが、経営効果として具体的に何を期待しているか
を明確にしなければならない。

経営効果が分からなければ、5Sを毎日行っている従業員は負担ばかりで、
利益に貢献しているのか、それが自分の業績にどう跳ね返ってくるのかも
わからない。

そういう見方で5Sの効果を考えてみると
整理・・・不要なものを捨てる、仕掛在庫をなくすことによって資金の
     回転が良くなる。
整頓・・・モノを取り出しやすくする、工具を探す時間が短縮するなど
     生産性がアップする。
清掃・・・機械設備や治工具を清掃することで、故障を未然に発見でき
     チョコ停が減る。

など、それぞれ生産性の向上や、リードタイム短縮に直結している。
この指標を全員に見える化して、5S改善を行うことにより、目標に向かって
改善が進んでいることが明確になる。
貢献度によって評価にも反映することで、従業員のモラールアップにもつな
がってくる。

■5S運用ルール
については、PDCAが回るようにします。
 ・計画・・・目的を踏まえ、管理する項目、確認頻度、担当を決める
       教育実施の内容、頻度、担当を決める
 ・運用・・・誰が、いつ、何を(5W1H)を明確にする
       うまくいかない項目は、原因調査と対策を実施する
 ・検証・・・毎月、毎期、毎年の単位で目的を達成したか、基準に到達したか
       についてレビューし検証する。結果を次の計画に反映させる。

品質管理手法の間違った運用は、効果が得られないどころか、形骸化し、
実際の業務に於いても虚偽の報告やデーターのねつ造問題に発展し、企業
の信頼を失墜しかねない。

目的と効果を正しく理解し、何事にも限界があることも見極めながら行動
する姿勢が重要なのである。

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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
 日本が誇るものづくり技術にもっと磨きを掛けよう!!

 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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