見える化は何のために行うのだろうか?
単に美しいカラーグラフをつくって貼りだすのは見える化と言えるだろうか。
工場を訪問するお客様に「見せる」ための見える化になっていないだろうか?
品質管理を正しく行くためには、用語や手法・技法の本質を正しく理解
した上で、使わなければならない。
★品質管理の本当の意味を事例で習得するセミナー
★製造業の品質改善事例解説書シリーズ
見える化は、問題をきちんと見えるようにして問題を解決するためにある。
それを忘れて現場も見えず、問題も解決せず、単にカラーグラフを貼りだすのは
本末転倒だ。
見える化の目的は、問題を解決するために、「異常」「潜在不良」を見える
ようにして、早期に手を打てるようにする事にある。
従って、「問題を解決したい」という強い意欲があるかどうかが問題だ。
製造現場では、品質特性(Q)コスト(C)納期(D)を見える化すること
製造工程をコントロールする4M(人、機械。材料、方法)での「変化点」
における「異常」を見える化することが重要となる。
トヨタ方式の「現場の見える化」は「アンドン」に代表されるように問題点
を見えるようにして、みんなの知恵を集めて現場を改善するために使われる。
現場が見えないとどこに手を打てばいいかが分からないが、現場が見えるよう
になっていれば、みんなで知恵を出すことができる。
工場全体に見方を広げると、トップの「想いの見える化」「目標の見える化」だ。
そしてリーダーの役割はある目標に向かってみんなの力を結集することだが
肝心のトップの想いがしっかりと伝わっていないケースが少なくない。
忘れてはならないのは見える化は手段であり、目的は「みんなの知恵を集めて
問題を解決する」点にある。
工場で、建前だけになっている様々な活動は、その活動の正しい姿の追求が
おろそかになっており、全く効果が得られないばかりか、返ってムダな時間
や費用を費やしているケースが多いのではないか?
目的と効果を正しく理解し、何事にも限界があることも見極めながら行動
する姿勢が重要なのだ。