電気自動車をはじめ、電子化されたユニットのFMEA解析はどうするのか?
簡易評価法では、電機・電子制御(ソフトウエア組込み)ユニットを対象とした
FMEAの進め方、実施事例を提案しています。
難しい理論よりも設計者が簡単に未然防止に取り組める手法(事例も豊富に紹介)
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前回のシリーズ(1)で解説した通り、ソフト組み込みユニットの
故障モードは、システム構造の破損と定義しました。
2回目の今回の解説では、「システムの構造」について解説します。
「システムの構造」とは、いったい何を指すでしょうか?
まずシステムの概念ですが、下図の構成となります。
設計であれ、製造であれ、何らかの働きを持つ対象は、情報やモノがインプット
されると、それを判断し、適切な処理を行って、結果をアウトプットします。
それは、IN ⇒ 処理 ⇒ OUT の連続したプロセスのつながりで機能を発揮して
おり、これををシステムと呼びます。
そこで、FMEAを実施する対象として、SEM:States Event Matrix(状態遷移
マトリクス)をシステム構造として扱います。
SEMは、下図の通り、縦軸はイベント(入力)、横軸はステータス(状態)
を示し、イベント発生毎に、ステータスがどう変化するかを漏れなく示して
います。
次に、故障モードの定義ですが、機構部品の場合は、物理的な破損、劣化と定義
しました。例えば、折損、錆び、材料の化学変化などです。
では、システムでは、故障モードをどのように定義したらいいでしょうか?
この故障モードの正しい定義こそ、電子ユニットのFMEAが正しく効果的に
実施できるかどうかが掛かっているのです。
(続く)