当研究所は、中小企業において「正しい品質管理活動」を行う条件
として「品質管理3つのポイント」を挙げています。
事例研究・実習で品質改善の実務能力向上を図る
DX、FMEA/DRBFM、再発防止手順など
■ 正しい品質管理活動とは
品質管理活動の基本は日常業務の仕事の質を上げること、そのために必要なのは
「品質管理3つのポイント」です。
この3つのポイントを基本ルールの中に組み込み、正しい品質管理活動を行う
環境を整えて行く必要があります。

品質管理3つのポイントとは何か?を詳しく説明します。
①固有技術
固有技術とは、組織固有の技術・ノウハウであり、過去の成功例や失敗例から
学んだ科学的な理論に裏付けされた、製品設計や製造工程における独自の技術の
ことで、個人に依存するのではなく、組織の誰もが同様に使えるように共用化
された文書や図面、標準類や、体験などを通して築き上げることができるコツ
といったようなものになります。
コツに関しては体験によってしか身につかないものになり、職人などの熟練の技
のような、言葉では表せない感覚的な「匠の技」も含みます。
②管理技術
設計や生産など、企業活動におけるアウトプット(製品やサービス)を安定した
一定水準のレベルを保つのに必要な技術であり、品質管理、生産管理、人材管理
などによって、設計・製造現場の問題解決と未然予防のしくみを確立する活動を
行う技術のことを言います。
固有技術がいくら高くても、管理技術がないと、安定した製品の供給を望む
ことはできません。逆に、管理技術だけで固有技術がなければ、価値の高い
製品を作ることは不可能です。企業がビジネスを行って発展をつづけるため
には、個有技術と管理技術の両方をバランスよく持つことが求められます。
③プロ人材
「プロ人材」とは、文字どおりプロフェッショナルな人材で、「特定の業務に
精通し、社内外に認められる市場価値の高い人」のことです。
“スペシャリスト”は、特定領域の高い専門性を持つ人材ですが、プロ人材とは
特定領域に対する専門性と同時に、仕事を通じ社内外を含めて周囲を巻き込ん
で、全体最適の視点から企業に価値をもたらすことができるコミュニケーション
能力を合わせ持つ人材でなければなりません。
さらに、今の時代「グローバル人材」でもあるべきです。
グローバル人材とは、国内にとどまらず、世界のどこでも能力を発揮できる人材
であり、海外で活躍することができるだけでなく、国内であっても本質的には
同じ能力が求められます。
グローバル人材となるためには、語学力と異文化への適応能力が重要ですが、
本質的に大事なのは、自分と異なる価値観を認めた上で、協業できる異文化適応力
だと考えられます。