2019年03月10日

海外調達における品質管理3つのポイント

海外から安く良いものを調達したいと考えている製造業の調達担当者は多いと
思います。一方で、海外で調達し、原価コストを下げると品質が悪く、何度も
作り直すなど、結局高くつくのでは?とリスクが伴う心配があることも事実です。




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トータル費用を考えるのであれば、日本の協力工場から調達すべきではないかと
思っても経営者としては、海外調達を進めたいと思う気持ちもあることも事実です。

一般論では、結論として海外調達はリスクが大きく、メリットが無いことになって
しまいますが経営者の要望に応えるため、バイヤーは知恵を働かすことが必要に
なってきます。

確かに一般的に、品質や工場の管理力には日本と新興国では差があることは事実で
しかも安い労働力に頼った工場の製品は、継続的に安定した品質を確保することは
望めません。

つまり生産工程で不良を作らない仕組みを確立させるか、日本人スタッフを現地に
派遣して出荷前検査で不良を出荷しないようにするか、どちらを取るかの選択に
なります。

生産工程で未然防止の仕組みを確立している工場を選ぶことになりますが、そう
すると必然的に高賃金のスタッフで管理されている工場を選ぶことになります。

しかし、逆に賃金水準の高さが技術,品質の優位へ,さらにコスト競争力の優位
へと繋がる面もあると考えられます。そこで、改めて海外に調達先を求める理由
を考えてみます。
 ①ただ低コストだけを求めて海外から調達する
 ②望む価格、望む品質のものをグローバルで調達する

ほとんどの場合、②の理由から海外調達を行うのですが、調達担当者にとって
調達先の選定は、そのように面倒くさくて効率の悪い仕事が待っています。

そこで、海外調達における品質管理3つのポイントを整理してみます。

■ポイント1:委託先選定
優れた調達先は、探す努力をしないと見つかりません。小規模で知名度は無いが
しっかりした優れたサプライヤーを探し出すのは調達担当者の仕事です。

その中で、一番のポイントとなるのは、経営者です。
経営者の品質重視の姿勢が最も重要な選定条件です。日本メーカーから継続して
受注している、スタッフが長期日本滞在で、日本的感覚を身に着けているのなら
コミュニケーションも取りやすいと思われます。

もし、運悪く品質改善努力を全く行わないメーカーと付き合ってしまった場合、
そこで品質改善努力のために労力を費やすのなら、割り切ってその労力を別の
メーカーを探すために使うべきです。

日本的な考え方で、工程を改善しようとして上手くいかない例は山ほど知って
います。

■ポイント2:製造準備
 ①図面、ドキュメント
 ②工法の決定と、治工具の準備
 ③検査規格、検査用治具、限度見本
まず、図面や関連ドキュメントですが、日本の熟練技術者であれば、図面が多少
不備でもこうすべきと自分で判断して、工夫し精度の高い高品質の部品を作り
上げることができます。

しかし、海外では熟練技能者はいません。
日本で通用する図面は、海外では通用しないのです。特に、公差が厳しいと、
海外では図面通り作ることはほとんど不可能です。公差を緩和する、公差を緩和
しても、製品として支障なく組み立てることができる構造設計とすることが求め
られます。

更に、工法、加工手順、治工具をあらかじめ考えて準備し、期待通りのものが
ばらつきなくできる様にすることが必要です。

特殊工程は要注意です。
メッキ、溶接、熱処理、塗装などの工程は、日本と違って「特殊工程管理」と
「トレーサビリティー管理」をしっかり行う必要があります。

安物買いは、大失敗します。

■ポイント3:検査体制
工程での品質作り込みが期待できない海外工場では、流出防止の手段として検査
工程がいかに機能するかがポイントとなります。日本人が付きりで検査を行って
品物をハンドキャリーで日本に持ち込むなどは、よく聞く話です。

何らかの形で、現地スタッフにより梱包前に第三者検査を行うことは必要なこと
と思います。少なくとも、単純ミスは発見できる体制が必要です。外観など、
官能的な判断が必要な部分は、傷や色などの限度見本を準備します。

また最近は、色々な機能を持ったセンサーが出回っています。
「寸法測定」や「キズ・色」などを機械で判定させる方法も検討の対象とすべき
と考えます。

安く、良いものを調達するには、それなりの事前準備、体制が必要です。日本で
調達する感覚で、価格だけを追求すると、安かろう悪かろうの世界から抜け出せ
ません。

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