製造工程のヒューマンエラー対策を行う場合、出荷した製品の市場において
発生が予測されるリスクの程度に応じて行うことが求められます。
ヒューマンエラー対策はリスクの程度に応じて行うでは、R-MAP法で、リスクを
ランク付けしました。
★ヒューマンエラー再発防止・予防対策(事例研究)
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前回の解説で、市場で発生した事故をR-MAP法に当てはめると「A領域」に
相当する事が解りました。
このため、リスク評価を行うためには、市場のデーターを収集・分析すること
が非常に重要であることも説明しました。
R-MAP法では、Aランク、Bランク、Cランクの3つのランクに分けそれぞれ
ランクに応じて対策を講じます。
では、それぞれどのような対策を行えばいいでしょうか?
Aランク
許容できない(耐えられない)リスク領域。
死亡や重傷あるいは後遺症の生じる障害を発生させる確率が社会的に許容
できないレベルであり、リスクが低減できない場合は、製品化を断念すべき
領域。 市場に製品がある場合は、リコール領域と考えられる。
Bランク
危険/効用基準あるいはコストを含めて、リスク低減策の実現性を考慮しな
がらも、最小限のリスクまで低減すべき領域。
例えば、薬品は、服用方法によっては副作用が生じますが、医師の処方を守る
ことによって効用が得られます。
家電製品に於いても、「危険」「高温注意」などの表示や、取りつかい説明書
に注意事項を記載することで、許容される領域です。
Cランク
危害の程度や発生頻度は低いと考えられ、無視できると考えられるリスク領域。
社会的に受入れ可能なリスクレベルです。
リスクは、設計時点、製造工程に於いて極力C領域まで、減ずることが求め
られますが、技術的に達成困難あるいは、企業として市場の状況を的確に
判断し、B領域でも可と判断することができます。
次回は、リスクに応じた対策内容について解説します。
(続く)