今まで、KKD(勘と経験と度胸)により、場当たり的に進めてきた外注政策は
見直す必要が生じています。外注化するか、しないかの判断は何を基準に行う
のか、ほとんどの企業で社内基準は明確になっていません。
工場監査・工程監査のポイント、新製品立ち上げ手順など、品質管理のポイントを詳しく解説します
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1.管理の基本事項
外注の選定、発注業務の基本事項を明文化、文書化して、納期面、品質面での
トラブルをなくし、パートナーとして、自社の工程の延長線として管理すること
が求められています。
管理の基本事項は以下の通りです。
①内外作区分とその比率の決定
②外注先への生産割当計画
③材料支給方式、設備貸与方式の決定
④単価決定、変更ルールの決定
⑤技術指導体制(管理組織)の整備
⑥外注評価とランク付けのルール作成
付加価値生産性を高める意味で、外部流出費用は極力圧縮しなければいけません。
社内の生産性を高め、できる限り社内で生産することが望ましいのです。
但し、高度な専門性を有する製造技術で、社内では対応できないものについて
外注化することはあり得る判断です。
しかし、価格が安いからと言って安易に外注化したり、生産計画の悪さによって
外注化せざるを得ないといったことは避けなければなりません。
2.不良・納期遅延対策
外注化を行った場合、一番のネックになるのは品質不良と納期遅延です。
原因は、いろいろありますが、発注側の原因が大きく影響する場合も多い
のです。
(1)発注側の原因
①生産計画立案の遅れによるリードタイム不足
②設計不備、設計変更多発
③外注先生産能力把握不足
④無理な納期設定
⑤甘い納期管理、品質管理
⑥材料支給、治工具、図面等貸与の遅れ
⑦安すぎる単価
⑧技術水準の調査不足、評価ミス
(2)外注工場側の原因
①責任感欠如、労働意欲の欠如
②能力以上の受注を行った
③工程管理、品質管理の不備
④作業の習熟度が低いなど
では、品質不良や納期遅延を減らすにはどうすればいいでしょうか?
(3)受け入れ態勢の強化
まずは、不良品を自社工程に入れない様、受け入れ検査を実施します。
受入検査対象品をリストアップし、検査方式・検査項目を決めて実施し
不良品(不良ロット)は外注へ返却します。
そして、二度と同じ不良が発生しないように対策を講じさせます。
(4)納期管理体制の強化
コンピュータによる発注、納期管理システムを導入する、自社内の
管理支援体制を強化し、製造部門、技術部門、生産管理部門などが共同
で、対策に当たるように体制を整えます。
(5)外注管理組織の強化
外注管理課を組織化し、専任スタッフを置きます。また専門の外注
指導員を養成し、外注先で改善指導を行います。
3.外注の評価と格付け
外注工場の評価、格付けを行いランク付け、再編成、取引量をコントロ
ールするボーナス&ペナルティー制度を設けます。
外注評価項目は以下の通りです。
①納期遵守率
②不良率
③コストダウン率
④経営状況
⑤前生産高に対する自社製品の依存度
⑥取引年数
⑦その他
これらの評価を少なくとも1年に1回は実施し、その結果にもとづいて
各外注ごとに、取引量の拡大または縮小を行います。
同時に、グループを編成し、割当量の配分を行います。
このように、外注管理においてもPDCAを回す仕組みの構築が求められて
いるのです。
(P)目的の明確化・管理の基本事項の決定
(D)発注管理、納期管理、品質管理
(C)外注評価
(A)外注の格付け、グループ化と取引量の割り当て
外注は、サプライチェーンを構成するために欠かせない存在です。
外注を含めた生産のジャストインタイム化をめざし、一体となった
取組みが求められています。
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