多品種小ロット生産工場における4つの問題と、3つの対策ポイントとは?品質問題の市場流出防止対策

製造業の品質問題流出を防止する場合、3つのポイントで対策します。
さて、3つのポイントのどこで対策するのが一番効果的でしょうか?



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日本の製造業の現在置かれている状況は、多品種少量の受注生産企業がほとんど
となっている。製品を受注し製造を行うに当たって、品質管理上様々な課題がある。
 ・すべての製品についてQC工程図・作業指示書を作成することは困難となっている
 ・多品種少量で、急な納期、また頻繁に変更が入る受注生産においてミスが多発する
 ・問い合わせ、調整作業など間接的な作業が増加し、そこでミスが多発する
 ・多品種の製造は非正規作業者の増加等もあり教育・訓練が行き届かずミスが多発する
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●それぞれのポイントにおける対策内容を詳しく見てみましょう。
 ①工程の設計
  QC工程図を作成する段階、工程を準備する段階で、あらゆるトラブル発生を
  予測し、予防策を工程に組み込んでおく。
  上流工程で対策することにより、製造工程で問題が発生しないようにする。
  対策内容として
   ・製造工程の4Mの管理項目を明確にする(QC工程図)
   ・ミスの起きやすい作業は、ポカヨケなどの対策を組み込む
   ・特殊な作業は、訓練を受けた作業認定者を指定する
   ・工程FMEAを実施して、潜在不具合の流出防止策を講ずる
   ・初期量産ロットで、初期流動管理を実施し、問題点をQC工程図に
    フィードバックする
   ・作用者訓練を実施する

 ②製造工程
  生産を開始した後、不具合が発生しない様、現場レベルで対策を講ずる
   ・普段とは違う異常な事象、予兆を捉えて不良になる前に対策を講ずる
   ・出来栄えのばらつきが管理限界を超えた時、原因究明と対策を行う。
   ・設計変更、工程変更時の確認手順を決めておく
   ・変更情報の伝達方法、伝達先、内容、フォーマットを決めておく
   ・突発的に工程にトラブルが発生した時の手順を決めておく
   ・工程の異常、製品の異常の内容と対処方法決めておく
   ・作業の中断、再開時の確認手順を決めておく
   ・基本作業における作業者訓練を実施し、スキルマップを管理する
   ・ルールを順守し、作業を行うように指導する
   ・ヒヤリハット報告のしくみを運用する

 ③検査
  お客様に不具合が流出しないように検査のしくみを作って流出を防止する。
   ・顧客要求がある製品について、指定内容に従って検査を実施する
   ・設計変更など変化点発生での検査方法を決めておく
   ・工程ストップ、出荷停止の権限を行使する
   ・第三者検査、巡回検査、自工程検査などを組み合わせ流出を防止する

さて、上記①~③の対策で、どのポイントで対策するのが効果的でしょうか?
一般的に、未然防止のためには、①の工程設計段階で対策するのが理想と
されています。

●どのポイントの対策が最も効果的か?
しかし、現実は、QC工程図を作成しない小ロットの製品も存在します。
全てが理想通りにいくとは限りません。
①を補う形で②、③をうまく組み合わせ、総合的に対策するようにします。
近年では多品種少量生産、短納期に対応しなければならないこと、また非正規
社員の増加などによって作業ミスが多く発生する状況にあります。

あるべき姿としては、①のポイントを重視すべきです。
しかし現実的には、③の検査を流出防止の有効策として見直していく必要も
あると考えられます。

●検査において特に、重視する点は2つあります。
一つ目は、検査不合格の悪いものは絶対に市場に出さないこと。
これは当たり前のことですが、実際には様々な圧力が働き、悪いとわかって
いながら市場に出してしまうという不祥事が多発しています。
これは品質部門は何のためにあるのか?存在価値が問われます。出荷停止
権限を行使して、断固市場流出を防ぐ行動が必要と考えます。

二つ目は、自工程完結の考え方です。
つまり、自分で行った作業は、自分でミスがないか再確認することです。
これは、工程の作業でも事務作業でも同じことです。悪いものを後工程に
渡さないとする確認作業を個人レベルで習慣づけることです。
効果的な方法として、目視だけでなく、「指差し、声出し確認」を作業後
に徹底することです。
不規則かつ、急な作業などが増加する中で、自工程完結の考え方を浸透
させていくことがミスを防ぐためには重要であると考えます。

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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
 日本が誇るものづくり技術にもっと磨きを掛けよう!!

 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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