ヒューマンエラー(ポカミス)とは、人間が行うべき作業を適切に行わない
事により生じるエラーです。
ヒューマンエラーの要因を分類する方法は様々解説されており、当研究所
においても、製造業に当てはまる分類方法について、試行錯誤を繰り返して
来ました。
★ヒューマンエラー再発防止・予防対策(事例研究)
人間も、機械もインプット・処理・アウトプットの処理システムとみなすことが
できます。
人間は、臨機応変に判断力を駆使して、対応が可能ですが、反面ミスを犯しやすい
という欠点があります。

機械に置き換えられない手作業は、ミスが起き難くするように、プロセスを正し
くコントロールすることと、変動要因をなくすことがミスを少なくすることに
つながります。
従ってミスをした作業者を特定し処罰するのではなく、ミスをした内容を調査し
ミスの背景に潜む原因を特定することが大切です。
大量生産時代には、ひたすら作業者を訓練し、ミスを犯し易い作業はポカヨケ
冶具製作などを中心に対策を行ってきましたが、現在では多品種少量生産に
於ける4M変動管理に代表されるように、ものづくりの環境変化によって、その
要因も直接作業より、間接作業に重点が移ってきました。
ヒューマンエラーの要因として以下の4種類に分類できます。
①情報要因
②教育訓練要因
③ハード要因
④ソフト要因
(組織風土要因)
それぞれの項目における内容の詳細は以下の通りです。
①情報要因
・口頭で伝達された内容を聞き違える(伝達手段・内容の問題)
・内容を先入観で聞き違える(正確に理解し判断する意識が薄い)
・無視(情報を無視し、自分の判断で処理する)
・情報無し、遅い(情報の発信元の問題)
②教育訓練要因
・教育・訓練の絶対的時間の不足
・背景の教育不足(なぜそうするのか)
・教育ツール、方法の問題
③ハード要因
・外部PSFの問題(温湿度・照明などの作業環境の悪化)
・機械、治工具などの故障、欠陥
④ソフト要因
・やりにくい作業(人間工学上、手順上)
・勘やコツを必要とする作業
・組織風土要因(指示命令系統が曖昧、ルール違反の日常化)
ものづくりの環境変化によって、ヒューマンエラーの要因も変化が生じています。
ポカヨケなどのハード対策に注目するだけでなく、品質管理のしくみ上の問題と
捉えて解決を行っていくことが求められています。