2019年06月27日

是正処置の本当の意味は?(再発防止、水平展開、予防処置の違い)製造業のクレーム対策の進め方事例

製造業のクレーム対策に於いて是正処置とは一体どのような処置でしょうか?
また再発防止、水平展開、予防処置の意味と違いについて考えてみます。
更に、標準化と歯止めについても考えてみます。
おそらく、すべての用語を正確に区別して正確に答えられる人は少ない
のではないでしょうか?





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1.是正処置
「是正」を辞書で引くと「誤ったことを正しく改めること」と出ています。
しかし、ISO9000でいう是正は、「組織は、再発防止のため、不適合の原因を
除去する処置をとること。」と記載されており、同じ不適合が二度と起こらない
ように、不適合の発生原因を取り除く処置のことと規定しています。
 a) 不適合(顧客からの苦情を含む。)の内容確認
 b) 不適合の原因の特定
 c) 不適合の再発防止を確実にするための処置の必要性の評価
 d) 必要な処置の決定及び実施
 e) とった処置の結果の記録(4.2.4 参照)

つまり、「誤ったことを正しく改める」だけでなく、加えて「再発防止を確実に
することを求めています。
では、再発防止を確実にするとは、具体的にどのようなことを指すでしょうか?

2.再発防止
事故が起こると、必ず「事故の原因を速やかに究明し、二度と事故を起こさない
ように万全の再発防止対策を講じ・・・」というのが決まり文句となっていますね。

しかし間違ってはならないのは、「修正処置」で終わらせてはいけません。
具体的には、不適合品に対して、手直し、修理、廃棄、人に対しては、優位勧告
、教育作業方法に関しては、「手順書の見直し」「基準の明確化」「検査の強化」
などです。
これだけでは、「修正処置」の域を免れません。

では、何を行えば「再発防止」になるのでしょうか?
再び、ISO9000の主張を引用すると
「業務が定められた通りに実行され、所定の結果が確実に得られるよう、業務
実行を管理しなければならない。この管理で所定外の業務実行や結果が検出され
た場合には、『計画どおりの結果を得るため、かつ、継続的改善を達成するため
に必要な処置をとることが必要である。
是正処置をとる活動は、各業務の継続的改善に相当する問題対応の活動であり、
改善の活動である」

つまり、「修正処置」以外に次のことが必要になるのです。
①「修正処置」で決められたことが正しく実行されるように管理すること。
②もし正しく実行されない、あるいは決められた通り実行しても不適合が発生
 する場合は更に追加の「修正処置」を取ること
③再発防止処置の決定と承認、その実行の責任など必要な事項を対策の手順に
 含めること

ほとんどの場合、手順書を修正する、教育するで終わってしまうが、それが正しく
実行されているかを管理し、結果を確認し、確かに再発しないということを判断し、
承認することが大切になります。

再発防止は、①~③の継続的な取り組みを含めた「改善活動」により初めて有効
なものとなるのです。

是正処置.jpg
3.水平展開
是正処置の効果をより大きくしていくための有効な活動は「水平展開」です。
ひとつの改善で得られた情報は、かならず、その結果を同じように活用できる
ところはないだろうかと考えることが大事です。
 a)同じような構造の機械はないか
 b)同じような作業方法をしているものはないか
 c)同じような材料を使っているものはないか
 d)同じような設計をしている製品はないか

どこまでが是正処置で、どこまでが水平展開なのかは厳密には区別が付けられ
ない場合も多いと思います。しかし、是正処置を行うときにはできるだけ、
考えられる範囲で水平展開を図り、同様な不具合発生しないようにします。

4.予防処置
「予防処置」とは「不適合やロス、ミスが発生することをあらかじめ予測し、
防止するために、その原因を除去する処置を決めること。」と定義できます。
ISO9000では「予防処置」について以下の事項を規定しています。
 a)起こりうる不適合及びその原因の特定
 b)不適合の発生を予防するための処置の必要性の評価
 c)必要な処置の決定及び実施
 d)とった処置の結果の記録
 e)予防処置において実施した活動のレビュー

つまり「是正処置」は一度発生した事実「顕在的要因」に基づく再発防止策で
あり「予防処置」はまだ発生していないが、「今、こうしておいた方が良いの
ではないか」という予測による対策することです。つまり「潜在的要因」を
除去する発生防止策です。
FTAやFMEAは予防処置のツールとして用いられます。

5.標準化と歯止め
歯止めとは標準化と管理の定着のことです。
「標準化」とは、だれがやっても同じようにできるような仕組みにすること
ですが、標準書とか手順書、或いは作業書といった作業をするためのマニュアル
を見直す、または新しく作り、そして、これを皆で順守するということが標準化
です。

しかし、決めごとだけ作って、それを実行しないと意味がありません。
決めたことがちゃんとできているかという点検やチェックが必要です。そして
それはやったかどうかの記録を残す必要があります。それが「管理の定着」に
なります。

さらに新しい人が加わった場合は、その作業手順を教えなくてはなりません。
つまり「教育」が必要ということです。
これら、「標準化」「教育」「管理の定着」を5W1Hで整理し、いつ・どこで
・誰が・何を・どのようにとするのかを明確にします。

品質管理活動とは、不適合の発生を防ぐために、日常の業務の中で、管理の定着
を図り結果をレビューするという継続的な取り組みを行うことを言います。

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