是正処置、再発防止、水平展開、予防処置の違いを正しく理解しよう

製造業の品質対策・クレーム対策における是正処置、再発防止、水平展開、
予防処置の違いについて考えてみます。更に、標準化と歯止めについても
考えてみます。
おそらく、すべての用語を正確に区別して正確に答えられる人は少ない
のではないでしょうか?


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1.是正処置
「是正」を辞書で引くと「誤ったことを正しく改めること」と出ています。
しかし、ISOの是正は、それとは大きく異なります。
「組織は、再発防止のため、不適合の原因を除去する処置をとること。」
と記載されており、是正処置とは、不適合が発生したら、同じ不適合が二度と
起こらないように、不適合の発生原因を取り除く処置のことと規定しています。
 a) 不適合(顧客からの苦情を含む。)の内容確認
 b) 不適合の原因の特定
 c) 不適合の再発防止を確実にするための処置の必要性の評価
 d) 必要な処置の決定及び実施
 e) とった処置の結果の記録(4.2.4 参照)
 f) とった是正処置の有効性のレビュー(a~e)

是正処置は、工場の管理の仕組み、組織の変更、設備の見直しなどが含まれます。
作業指示書、検査基準書などその製品固有の管理手順(書)は単に処置であり
是正処置とはみなしません。

それだけでは、類似した製品や工程でも同様の不具合が発生する恐れがあるため
個別のドキュメント変更では是正したことにならないためです。

2.再発防止
ISOの是正処理と再発防止は同じ意味です。
不適合が発生したら、同じ不適合が二度と起こらないように、不適合の発生原因
を取り除く処置のことと規定しています。

3.水平展開
是正処置の効果をより大きくしていくための有効な活動は「水平展開」です。
ひとつの改善で得られた情報は、かならず、その結果を同じように活用できる
ところはないだろうかと考えることが大事です。
 a)同じような構造の機械はないか
 b)同じような作業方法をしているものはないか
 c)同じような材料を使っているものはないか
 d)同じような設計をしている製品はないか

どこまでが是正処置で、どこまでが水平展開なのかは厳密には区別がつけづらい
思います。
是正処置を行うときにはできるだけ、考えられる範囲で水平展開を図り、同様な
不具合発生しないようにします。


4.予防処置
「予防処置」とは「不適合やロス、ミスが発生することをあらかじめ予測し、
防止するために、その原因を除去する処置を決めること。」と定義できます。
ISOでは「予防処置」について以下の事項を規定しています。
 a)起こりうる不適合及びその原因の特定
 b)不適合の発生を予防するための処置の必要性の評価
 c)必要な処置の決定及び実施
 d)とった処置の結果の記録
 e)予防処置において実施した活動のレビュー

つまり「是正処置」は一度発生した事実「顕在的要因」に基づく再発防止策であり
「予防処置」はまだ発生していないが、「今、こうしておいた方が良いのでは
ないか」という予測による対策することです。つまり「潜在的要因」を除去する
発生防止策です。FTAやFMEAは予防処置のツールとして用いられます。

5.標準化と歯止め
歯止めとは標準化と管理の定着のことです。
「標準化」とは、だれがやっても同じようにできるような仕組みにすること
ですが、標準書とか手順書、或いは作業書といった作業をするためのマニュアル
を見直す、または新しく作り、そして、これを皆で順守するということが
標準化です。

しかし、決めごとだけ作って、それを実行しないと意味がありません。
決めたことがちゃんとできているかという点検やチェックが必要です。そして
それはやったかどうかの記録を残す必要があります。

それが「管理の定着」になります。

さらに新しい人が加わった場合は、その作業手順を教えなくてはなりません
つまり「教育」が必要ということです。
これら、「標準化」「教育」「管理の定着」を5W1Hで整理し、いつ・どこで
誰が・何・どのようにとするのかを明確にします。

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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
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