中小製造業で決定的に不足していることとは?
最近の多品種少量生産工場で、決定的に不足していることとは一体何でしょうか?
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「経営課題は組織の中にあり」という言葉の通り、中小企業の経営課題の8割は
時代と環境の変化に対応できない自社の体制や体質にあります。
中小企業にとって最大のコスト…それは、間違いなく、人件費です。
人は「最大の経営資源」であると同時に「最大のコスト」ということになります。
つまり、「人材」をどう教育し「人財」に育て上げられるか否かにより、人が
「資源」になるか「コスト」になるかが決まります。
つまり、中小企業の経営課題は、ほぼすべてが「人の問題」なのです。
ところが中小企業にとって、社員の教育は最重要課題と言っても過言ではありま
せんが、ほとんどの中小企業は社員教育に時間もお金を注ぎ込んではいないのが
現状です。
中小企業の経営課題の本質は、環境変化や競合他社との戦いではなく、自社の
改革を阻む従来からの体質や体制の壁との戦いなのです。
では、経営環境の変化に対応して体質や体制を革新するためにはどうすれば
良いでしょうか?
1.若手社員の社会人としての考え方と行動
最近は、企業人・組織人としての考え方・行動の常識がないので、そこから
教育を始めたいという要望を聞くことがよくあります。それは、私も全く同感
であり、以下は、若手社員だけでなく、指導する立場の現場管理者にも同時に
学んで頂きたい基本中の基本となる項目です。
(1)会社で「仕事」をするうえで前提となる心構え、態度
(2)仕事をする心構え
(3)コミュニケーション
(4)仕事に対する姿勢
2.現場改善の原動力「中核人材」
忙しいから、自分の仕事の権限外だから、管理層が動かないから・・・
このような理由で問題が放置されているというのが、一般的な中小製造業の
実態です。それを乗り越えていくためには意識改革も必要になって来ます。
社員の意識改革によりモチベーションを高めるには、経営トップの方向性
を社員全員に明示する必要があります。3年後、5年後の会社のあるべき姿
とそのために必要となる人材像の明確化です。
(1)日常業務以外にも、教育、現場の改善などに時間を割かなければならない
(2)問題が起こったら、現場の関係者の知恵を結集して解決に当たる
(3)現場を明るく活気あるものにするための「よい風土づくり」を率先して行う
(4)世の中の必要な情報を収集、研究して仕事の改善に生かしていくこと
3.企業の方向性を決定づけるトップ層・管理層
中小企業の経営者というのは、企業経営の責任がどっしり自分の肩にかかって
います。順調にいっている人もそうでない人も含めて、どういうふうに
経営をしていこうかと責任感に押し潰されそうな毎日を過ごしておられると
思います。
そして、何といっても経営者は、経営のあり方で悩んでいる。
「こうすればいいんですよ」というものが欲しい。最大の悩みは、従業員を
どうまとめていくかです。どういう理念と哲学で引っ張っていけばいいのか。
その活動の原動力となるのがマネジメントサイクルです。
すなわち
(1)ありたい姿の設定
(2)ありたい姿に近づけるための基本方針の設定
(3)活動目標の設定
(4)活動の推進
(5)活動経過、目標達成度の評価
(6)活動結果の評価と基本方針の見直し
(1)(2)(6)は経営層によるトップマネジメントの役割、(3)(4)
(5)は中間管理層、第一線監督者の役割です。
売り上げの増大が期待できない経営環境で由一、利益を上げていくための
方策は、「生産性向上(スループット向上)」です。生産性向上に対する正しい
方策は、「生産性向上(スループット向上)」です。生産性向上に対する正しい
認識と、施策に取り組むことが急務となっています。
生産リードタイムの極小化(スループット向上)を図るためには、以下のような
対策が必要です。
①一人作業化(多能工化)
②応援体制(人を固定せず、仕事量に応じて移動)
③小ロット化(平準化のため受注ロットをできるだけ分割して生産する)
④段取り時間短縮(シングル段取り)
⑤ネック工程能力アップ
この結果、工程間仕掛品削減、材料在庫削減、製品在庫削減が図られます。
中小製造業で最も必要とするものとは、このような考えをもって行動できる
人材です。正しい考え方と行動で、業務を改善できる現場の「プロ人材」
を育てることにまず取り掛かるべきです。