製造業の現場の特徴とヒューマンエラーを誘発する4つの要因とは?
ヒューマンエラーの対策は、かつては量産ラインの加工・組立作業など
繰り返し作業中のミスが主な対象でした。
そこでは、人の認知、判断、行動に伴うミスに注目し、できるだけミスを
引き起こさないようにする「ポカヨケ」対策が主体となっていました。
つまり、個別の要因ごとに現場の「カイゼン」によって対策されてきました。
しかし、小量の受注で多品種化された工場のヒューマンエラーは、いままで
の「ポカヨケ」対策だけでは対応が難しくなっています。
★多品種少量生産工場の正しいヒューマンエラー対策シリーズ
多品種少量受注生産工場における現場作業の特徴は
①作業工程、手順
機械加工や組立作業は変則的で、1個だけしか生産しない製品もあり必ずしも
標準書が準備されているわけではなく、図面だけを頼りに加工する場合も多い
ため、作業ミスや作業漏れが発生し安くなっている。
②準備作業、間接作業など
工具や材料、条件セットなど準備作業、他部門との確認や調整、運搬作業など
の間接作業など、直接生産作業以外の作業が格段に増加しており、間接作業に
おいても、ミス防止対策を講ずる必要がある。
③作業教育訓練
熟練技能者が減少し、パート社員などの非正規社員が増加していること、また
新人社員が入社しても、多忙のために十分な教育訓練が実施できていないため
作業ミスが多く発生する。
④部門間連携のルール
複雑かつスピーディーな管理が要求される中、部署内や、部署間の連携が
欠かせないが、連携のためのルールがない、または不明確な場合が多く情報
伝達ミス、作業漏れ等が発生している。
⑤品質管理の基本
「ルール順守」「報連相」などの品質管理の基本が守られず、品質軽視の
組織風土が蔓延する様々な問題が放置され、解決されない状況にある。
など、生産を取り巻く環境は大きく変化しています。
従来の考え方に基づいた現場管理では、いくら作業者に注意を促しても、一向にミス
が減らず、むしろ増加傾向にあります。
ではその場合、何がヒューマンエラーの要因で、何を重点に対策を実施すればよい
でしょうか?

■ ヒューマンエラー要因
(1)情報要因
情報伝達で求められるのは、内容の正確性/スピード性/到達性です。
刻々変わる製造品種に伴って、工程間のスケジュール調整や納期調整などの
生産管理情報、顧客からの要求仕様、図面などの情報、これらを正しく、
タイムリーに必要部署に伝達しなけれななりません。
しかし、必ずしも情報ルート、情報伝達手段などが明確になっているとは言え
ない状態です。
(2)教育訓練要因(人の経験・スキル)
正しい手順を守るための教育・訓練が不足しているために技能が未熟なまま
作業を行い、ミスにつながっています。
教育計画、教育方法、教育手段、ツールなどが整備されていないため、新人教育
熟練技能教育がほとんどなされていないという状況を多く見かけます。
(3)変動要因(PSF)
作業環境や、作業そのものにムリムラムダが生じている、やりにくい作業など
によってミスが生じます。
また、作業負荷によって焦りや疲労、プレッシャーが生じている中での作業は
ミスに結び付きます。
(4)組織風土要因
工場の現場では、ルールを守らない、役割と責任が不明確、正しい品質管理
手法が浸透しないなど、組織全体の活力やモラールが低下している職場も多く
見受けられます。
ヒューマンエラーは以上のような要因が複合して発生しているが近年の製造業
の現場の実態ではないでしょうか?
では、このような状況を脱し、ヒューマンエラーを減らすにはどのように対策
すれば良いでしょうか?
続く!→ ヒューマンエラー・再発防止手順:是正・予防対策の進め方
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