品質対策を行う場合、原因はどこまで追求するのか?という疑問が沸いてきます。
ほとんどの場合、間違ったなぜなぜ分析を頭の中で巡らし、原因追及を行った結果
いつまでも原因にたどり着かないというケースが考えられます。
真の原因とは、品質管理のしくみの原因(不備・欠陥)までたどり着くこと。
そのことにより、再発防止につながります。
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では、真の原因にたどり着くためには、どのような手順で解析を進めればいいで
しょうか?
まず、物理現象の原因と、品質管理上の原因を分けることです。
●物理現象の原因とは何でしょうか?
例えば、部品の表面にキズが付いたのは、運搬中に部品同士が振動でぶつかった
とします。そうすると、ぶつかるという物理現象が起こって傷になった。
これが、物理現象の原因です。
物理現象の原因はぶつかったから傷がついたという因果関係が成り立ちます。
その原因を取り除くには、運搬中振動でぶつからないように部品と部品の間に
緩衝材を入れれば傷はつきません。これは「処置」で、品質管理上の対策は
何も実施していません。
●では、品質管理上の原因は何でしょうか?
作業者が、運搬作業を行う時、どんなルールに従って作業したでしょうか?
・部品を入れるトレーで運ぶことになっているが、その時トレーがなかったので
トレーを使わずに運搬した
・作業者はトレーで運ぶことを知らなかった
・トレーを使うルールはあるが、一度に多くの部品が運搬できないのでルール
を無視してトレーを使わずに運搬した
・運搬上のルールは全くないので作業者の判断で運搬している
ヒューマンエラーの場合、必ずルールを基準に作業がどうなっているのかを
探るのが品質管理上の原因究明のやり方です。つまり
ルールがあるのか?無いのか?
ルールを守っているのか?守っていないのか?
ルールを知っているのか?知らないのか?
ルール通り作業ができるのか?できないのか?
上記のように、ルールと実態のギャップをあきらになればそれが品質管理上の
原因です。物理的な原因は一つですが、品質管理上の原因は複数の場合も
あります。
●また、4Mの要因に分類してその中から原因を探す方法もあります。
これは、ヒューマンエラーと特定できない場合にこの分類方法で原因を探します。
人・・作業者はルール通り作業したか?
機械、冶具・・運搬車、トレーはルール通りのモノを使たのか?
運搬の方法・手順はルール通りか?
加工前の材料に問題なかったか?
この場合も、ルールが基準になります。
ルールが全くなければ、品質管理はできません。(無法地帯)
ルールを守らなければ、守るように指導しなければなりません。
ルールと作業の実態がかけ離れているなら、合わせるようにどちらかを改善します。
●ルールが工場の基本です。
ただ、基本が間違っている場合もあれば、あいまいになっている場合もあります。
ルールを直すこと、ルール通りの作業、工程に直すことが再発防止につながります。
ルールに基づかない対策は、すべてモグラたたきとなって、再発を繰り返すこと
になります。