ルールとは?ルールを守るとは?いったいどんな意味があるでしょうか?
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■ まず、ルールについて考えてみます。
「右側通行しよう」、「制限速度を守ろう」これは、子供もお年寄りも守るべき交通
ルールですね。
では、工場の品質管理のルールを考えてみます。
品質管理のルールは、一定の教育を受けた、あるいは一定の経験を経た社員が守る
もので子供やお年寄りに守れと言っても守ることができない、高度な内容が含まれて
います。
一方、品質管理のルールをもう少し細かく見てみましょう。
品質管理のルール=工場のしくみ+作業の標準
これが、品質管理のルールの意味です。
つまり、大きく分けると工場のしくみと、作業標準から成り立っています。
工場のしくみは、工場のモノの流れや、情報の流れ、各部門の役割と責任、問題が
生じた時の処理方法など、工場全体または、部署間の共通の決め事が該当します。
作業の標準は、文字通り作業手順書、作業フロー、チェックシート、帳票などが
該当します。
しかし、上記の明文化されたルールのほかに、実はもっと強制力を持ったルールが
あるのも事実です。
・顧客からの要求事項
・上司の指示、経営層の指示
・暗黙のルール(組織風土、力のある者の主張など)
■ ルールを守るとはどのようなことでしょうか?
以上述べた、さまざまなルールで、守らなければならないルールはどれでしょうか?
実は、ルールを守ると言っても、どれを優先的に守らなければならないかというと
なかなか難しい判断になります。
上司の指示が間違っているとわかっても、社員はそれに従わざるを得ない場合も多い
のです。暗黙のルールは、組織の構成員が従わざるを得ないルールのことです。
規定化された品質管理のルールは、間違っていれば比較的簡単に直せます。
しかし、暗黙のルールは、間違っていても直すのはかなり難しい作業になります。
品質管理ルールがしっかりしていないために、暗黙のルールが優先してしまうことが
日本の企業ではよく見られる現象です。
いくら理想的な品質管理の規定を制定しても、それが守られ無ければ全く効果を発揮
しません。
■ルールをどのように運用すべきか?
ルールの目的はそもそも何でしょうか?原点に戻って考えてみるべきです。
目的は、ルールをみんなで守って、トラブルを未然に防止することです。
そうすれば、昔の古い習慣を打ち破って、現実に即したルールを考え、運用し、不具合
があれば修正していくという品質管理活動が生まれてきます。
実は、ルールを作って守るということは、古い習慣を打ち破って未然防止の考え方と
行動に変えていくという、現場の改革を行うことに他ならないのです。