マニュアルは、明確な作成目的のもとに作成し、運用することが大切です。
業務マニュアル作成の第一の目的は、「会社や職場の目的・目標達成のため」
です。
業務マニュアルを使って作業・業務や改善を行ない、会社や職場の目標を達成
することにあります。
事例研究・実習で品質改善の実務能力向上を図る
DX、FMEA/DRBFM、再発防止手順など
★中小企業の経営品質を高めるステップ
★工場長・品質管理部長のスキルアップセミナー
★無料サービス
したがって、業務マニュアルを作成するときには、マニュアルを使って仕事を
するときの目標(目標項目と達成水準)を設定して進め無ければなりません。
目標を明確にしないで作成したマニュアルを使って仕事をしても、成果の達成が
おぼつかなくなります。
マニュアル作成のステップは概略以下の通りです。
(1)業務を洗い出す
業務マニュアルを整備するためには、どんな業務が行なわれているかがわからない
状況では作成はできません。そこで、まず実際、メンバーが行っている業務の調査
を行ない見える形にします。
業務調査のやり方には、各担当者に担当している業務を書き出してもらう方法と、
業務マニュアル作成担当者がヒアリングを実施する方法が考えられます。
(2)業務マニュアル化する業務を抽出する
業務調査を行い、業務一覧表にでまとめておきます。
その中でトラブルやミスが頻発している業務であるとか、作業効率が悪い業務など
から優先的にマニュアル化を行います。
(3)業務マニュアルを体系化する
抽出し、優先度付けされた業務一覧表をもとに、マニュアル化すべき業務を抽出し
これを体系的に整理します。業務マニュアルの全体像を把握しやすくします。
フロー図や系統図、あるいはマトリクス図などにまとめると分かり易く漏れが
無くなります。
マニュアルの様式について一定のフォームを作成しておき、このフォームのなかで
レイアウトを行います。誰もが使いやすいマニュアルは、
①業務の全体像がわかること
②業務の目的がわかること
③何をこなせばよいのかがわかりやすい
④チェックリストで業務の確認ができる
⑤誰にでもわかる言葉で書かれていること
⑥トラブルの起こりやすい部分がわかりやすい
などが網羅されたものです。
(4)記載内容の検討
マニュアルは一般的に、以下の項目を記載します
①目的
②適用範囲
③用語の解説
④関連規格
⑤内容
・Plan(計画、目標)
・DO(5W1H、責任部門、実施時期)
・Check(実施結果の記録、評価)
・Action(改善、次回計画への反映)
(5)教育・導入・定着化
完成したマニュアルは、印刷または電子化して共通ファイルに入れて閲覧が容易
にできるようにします。そして、導入に先立って関係部門に教育を実施します。
業務を行う上で、疑問が生じたら、すぐにマニュアルを見て、マニュアル通りに
業務を行うようにし、定着を図ります。
(6)運用・見直し
関係者がマニュアル通りに業務を行うことを徹底することが基本ですが、マニュ
アル通りに作業すると効率が低下したり、品質上のトラブルが発生しやすくなる
ようであれば、マニュアルを変更する必要があります。
このように、業務の効率化、品質向上につながるように、常にマニュアルを見直し
業務内容と一致させておくことが重要な作業となります。
最後に
マニュアルづくりには、相当の労力が必要とされます。
一所懸命に作り上げても、できた時点から内容の陳腐化が始まります。
「今の仕事のやり方」がベストであり続けることはありません。
日々改善し続けることで、仕事の質は高まっていきます。
マニュアルもそれと歩調を合わせながら、改定していくことで鮮度を保つことが
できるのです。
今あるマニュアは完成品ではなく、業務に携わる人がより良くしていくために存在
していることを理解すべきです。そして、マニュアルが常に最新の状態を保ち
やすいように工夫し、実行していくことが大切です。