「うっかり」ミスや、「手抜き」「近道」行為などは、標準書を整備し
いくら教育しても防ぐことはできません。
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例えば、車に乗る場合は、必ずシートベルトを着用します。
しかし、シートベルト着用の法律ができた40年前はどうだったでしょうか?
ほとんどの運転者は、シートベルト着用はしていませんでした。
また最近は、後部座席でも着用が義務付けられましたが、まだほとんど徹底
されていません。
このように、人の行動は頭ではわかっていても徹底するには時間がかかります。
つまり、無意識のうちに動作を行う「習慣づけ」が必要であると考えられます。
では、製造業の現場ではどのような習慣づけが必要で、また定着させるための
手段は何が考えられるでしょうか?
■ある中小企業の活動事例
習慣化は、粘り強く継続的に、全員参加によって成し遂げていくことが重要で
あるという事例を紹介します。
**工業株式会社(従業員80名)の安全衛生委員会は、会社側と従業員側から
5人ずつの10人で構成されている。安全衛生委員会は毎月1回開催されるが、
その前に安全パトロールを実施する。パトロールは安全衛生委員会の代表2人
と製造現場から選ばれた5人の計7人によって行う。
製造現場からの5人は毎回交代するため、全社員は1年に1回は安全パトロール
に参加することになる。工場内を巡回し、少しでも危険が予測される箇所などが
あれば写真撮影し、パトロール後に問題点を指摘する。この時すぐには事故に
つながるとは思われないようなことであっても、万が一を想定し、徹底的に検証
する。
パトロールによって、普段は気にしなかったことでも気付くことがある。安全
管理はともすると安全委員だけの活動になりがちな面もあるが、パトロールで
全社員が参加することになり、社員自ら問題意識を持つようになる。そのため
社員1人ひとりのミス防止や安全に対するスキルアップにもつながっている。
パトロールによってささいなことも含め、毎月20件程度の問題が提起される。
しかし、小さな問題をきちんと受け止め、議論し、少しでも改善する方向へ
持っていくことによって、問題提起をした社員のミス防止・安全意識が向上する。
また、製品の積み方が不安定であれば、誰が見ても危険を指摘することができ
るが、実際に作業をしている人でなければ分かりにくい作業ミスによる危険と
いうものもある。そうした声をこまめに拾い上げることができる。細かなこと
を積み上げていくことで、大きな危険となるかもしれない芽を摘み取っていく。
同社では小さな事故が発生した場合や、事故にはならなかったが、事故につな
がったかもしれない事例を、「**工業安全速報」で社員に知らせ、対策を考える。
また、不安全行為対策書では事故につながりかねない不安全な行為があったとき
に状況を報告させ、対策を立てる。単にミスの発生状況を報告させるだけではなく
その事故が発生した原因、さらにその原因のそのまた原因といった具合に、
「なぜなぜ」と徹底的に追及する。事故を発生させてしまった人に、より深く考え
てもらうことで、反省材料にもしてもらおうというわけである。
不安全行為対策書はミスを起こした本人だけではなく、その作業に関係する人達
皆で考えて記入する。そして工長、係長、課長、次長、部長、安全管理者など
何段階ものチェックが入り、「なぜ」と問われるたびに書き直す。最終的には
役員が目を通す。
2.5Sに「習慣」を加え6S運動に
同社では5Sに『習慣』を加えた6S運動を毎月6の付く日に実施している。
5Sを習慣付けようという意味で、朝30分ほどかけて整理、整頓、会社周りも
含めて清掃を行う。
ゴミ1つ落ちていないようにすることで、納品業者さんに会社の周辺にまで目を
行き届かせている会社であることを意識してもらおうという狙いもある。**工業
にとって安全で一番重要なことは全員参加による日常のさまざまの活動を習慣づけ
ることなのである。
5S以外にも、現場の事情に応じて社員全員で習慣化に取り組むことが作業の
効率化、ミス低減、モチベーションの向上につながることが期待できます。
・報連相の習慣化
・指差し声出し確認の習慣化
・ヒヤリハット報告の習慣化
参考文献
厚生労働省:安全衛生関係リーフレット等一覧:東プレ岐阜株式会社の取り組み
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