2018年03月12日

納品先が納得する3つの品質対策とは?製造業のクレーム対策の進め方

自動車部品メーカーが、顧客メーカーから信頼を得られる品質対策について考えてみます。
モグラたたき対策では納得してもらえない厳しい現実を打破するには、品質管理力を高める
以外に方法はありません。

1.ある部品工場の不具合対策事例
自動車部品の量産工場、月産、約200,000本のステアリング部品の生産をして、某メーカー
に出荷しています。半年ほど前に、客先メーカーから当社の生産した製品のネジがきつくて
相手部品が組み付かないとクレームがありました。暫定的に流出を防ぐため客先から全数
検査の指示がありました。

対象製品を急いで隔離、選別をして対応しました。後日工程内での発生原因の追求をして
発生原因の解決が出来ました。発生原因、流出原因、水平展開をして客先に報告したの
ですが客先からは全数検査の解除が出ずに未だに完成した製品を全数検査しています。

さて、客先メーカーはなぜ、全数検査を解除しないのでしょうか?

2. 再発防止策だけでは納得してもらえない?
客先メーカから見て、上記の対策では納得できないのだと思います。
では、どこが納得できないのでしょうか?

製造メーカでは、最初に①因果関係の究明を行い、次に②直接の管理の要因を洗い出し
 ・ねじ穴を規格通りに加工する作業手順書通りに作業を行ったか?
 ・ドリルの交換周期のルールを守っていたか?
 ・ねじ穴が規格通りの寸法で加工されているかある間隔で確認したか?
などの管理要因の不備を対策し、この問題は再発防止策が打たれたことを報告しました。

しかし、ここまでは、すでに発生した不具合の原因究明と対策であり、モグラ叩きにすぎ
ません。ほかに、管理上の不備・欠陥、作業ミスなどにより、様々な不具合が発生する
可能性があるのではないかと疑いの目で見られます。

不具合が発生したら対策する「後追いの改善」の結果をいくら報告しても、今の厳しい
市場環境下、お客様は納得できません。お客様は、ほかに不具合の可能性がないかどうか
をすべて検証し、今後不具合が絶対に起きないように対策してほしいと思っているはずです。

3.お客様が納得できる報告とは
では、お客様の納得する報告をするには、具体的にどうすればいいでしょうか?
それには品質管理の考え方を、問題が起きないようにあらかじめ予防処置を講ずる「未然予防」
の品質管理の考え方に変えていかなければなりません。そのような体制がとられない限り、
永久に全数検査を義務付けられることになるでしょう。

未然予防の品質管理とは、不具合発生を予測し「予防処置」を組み入れた「工程設計」、製造
工程における異常をいち早く発見し不良発生を未然に防止する「4M変化点管理」、そして
不良を一切流出させない出荷停止機能を持たせた「検査方式」の構築です。
これらの上流から下流に至る工程の対策が流出防止の考えで構築されているのかがポイント
になります。

品質管理の基本0601.jpg

(1)工程設計(QC工程図)
工程設計のアウトプットはQC工程図です。
QC工程図には、5Mの要素である人、機械、材料、方法、測定などの管理項目を規定します。
例えば、溶接作業は1年以上の経験を持った熟練作業者(認定者)が、溶接作業手順書に
沿って作業を行い、出来栄え確認、合格基準を満たしていることを確認します。
このように、管理項目を規定し、漏れがないことを、例えば「工程FMEA」で検証します。 

(2)4M変化点管理
QC工程図が完璧にできていても、製造工程ではいつもその通りの作業ができるとは限りません。
例えば、熟練作業者が忙しく、経験1年未満の作業者が作業に当たらなければならないことも
あります。その場合はどうしたらいいでしょうか?

このような突発的な事態にどう対応するのか?を決めておく必要があります。例えば作業者の
行った溶接部分を、後で熟練作業者が必ず確認を行って、不良の流出を防ぐ手順を確立して
おきます。このような変化に応じた予防策を講じることを4M変化点管理といいます。

(3)検査方式
検査の方法はいろいろな種類があります。
例えば、作業者自らが後工程へ不具合品を送らないように検査する「自工程検査」、工程の
最後に専門の検査員を置いて検査する「第三者検査」、管理層が現場を巡回して作業者や
機械、製品を抜き打ち的に検査する「巡回検査」など、それぞれの目的を考えて、また製品
の品質状況に応じて検査方法、頻度等を決めます。

検査で重要な事は、不具合を発見したら「工程を止める」「出荷を止める」ことです。
この仕組みがないと、納期優先で、どんどん不具合品が流れていってしまいます。

この3つの未然予防対策を至急社内で整備し実績を報告することによってのみ、製造メーカー
は信頼され、全数検査が解除されるものと考えます。今までの後追い品質管理から決別する
ことが会社の存続のみならず更なる発展につながるものと確信しております。

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セ ミ ナ ー 予 定 表
テーマ(目的日時開催場所
主な項目
 多品種少量生産工場の現場改善力強化による
 付加価値生産性向上と利益率UP
未定
 
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 ヒューマンエラー予防7つの対策
 ヒューマンエラー要因4分類と再発防止策
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