誰も教えない科学の「なぜなぜ」と品質管理の「なぜなぜ」は根本から異なる:2段階(5M/3P)なぜなぜ分析の進め方

工場のなぜなぜ分析はどのように行えばよいでしょうか?
ここでは、科学者の「なぜなぜ」と工場の品質管理スタッフの「なぜなぜ」は
目的、対象が根本から異なることを理解します。

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科学者と、工場の品質管理スタッフは真理を追究する点では共通しています。
しかし、科学者は、自然科学の真理を追究するのに対して、品質管理スタッフは
品質管理のしくみ上の真理を追究する点で、対象が異なっています。

物理学者は、「なぜリンゴは木から落ちるのか?」という事実に対して物理学の
原理を解明して原因を追究します。地球上では万有引力が働いてリンゴは地上に
落下するという因果関係が証明できます。

脳科学者は、「なぜポカミスをするのか?」という現象に対して、脳生理学の
原理を追究します。

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ところが品質管理スタッフは、それで終わりではありません。
「人がポカミスした」「製品が床に落ちて変形した」「機械が故障した」「材料が
化学変化した」など、それはそれぞれ「ヒト」「モノ」「機械」「材料」の科学の
法則による不具合現象であり、もちろんそのことを正しく捉える必要があります。

しかし、品質管理では、自然科学の原因追究と対策に留まっていては、再発防止
はできません。
工場では、品質管理上の「発生した原因」を突き止めて、対策することが重要な
ポイントとなります。
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「発生した原因」とは、「ルールを基準にした原因」ということになります。
ルールには、作業手順書や業務手順書、業務フロー、チェックリスト、教育のルール
などがあります。

そしてまた同じ問題が再発するのは、このルールが不十分であったり、周知されて
いないことが原因となっています。

製品が床に落ちないように取り扱いのルールを決める、機械が故障しないように
日常点検や定期点検ルールを決める、材料が化学変化しないように、保管ルールを
決めるなどを行い、そのルールを守るように、周知し、関係者に徹底します。

そして管理監督者は、ルールが守られているかどうかを定期的に確認することも
必要になります。

以上をまとめると、品質管理では2回の「なぜ」が必要なことが分かります。
 1回目の「なぜ」:起きた現象の自然科学における因果関係を調べる
 2回目の「なぜ」:なぜ起きたのか?品質管理の原因(ルールとの関係)を調べる
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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
 日本が誇るものづくり技術にもっと磨きを掛けよう!!

 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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