工程設計で4Mの要因を規定する:事例・進め方の紹介・製造業の体系的4M変化点管理

工程設計とは、ものづくりを始める前に、その工程順に、4M要因の管理項目
点検項目を細かく定め、その結果、特性値として得られる寸法重量などの測定
方法、検査方法を規定することを言います。設計の結果として得られるドキュ
メントがQC工程表です。

① QC工程表の目的
QC工程表は、モノの作り方、流し方を決めるもので工程順にどの要因を、どの
ように管理すればどのような特性が得られるのかの関係を示したもので、製造
工程で「モノの作り込み」を行うために作成します。

特性要因図と同じ考え方で、管理項目を漏れなく列挙し、QC工程表にその内容
を記載します。その時、管理項目と共に、ポカミス防止などの予防策を網羅しな
ければなりません。 

②QC工程表の作成方法、内容
QC工程表のフォーマットの基本的な構成は以下の図の通りです。

QC工程.jpg
ここで気を付けなければならないのは、
 ・どのような作業方法(作業手順書)で
 ・どのような設備、治具、測定機を使って(具体的な型式を入れる)
 ・どのような材料を
 ・どのような資格を持った作業者が作業を行うか
が、具体的に記されていなければならないということです。

そして、その結果得られた製品の特性を
 ・具体的名特性値(寸法、重量)を
 ・どのような測定方法で
 ・どの測定機を使って確認するのか
 ・どのように記録するか

を記載します。


③4M変化点管理におけるQC工程表の位置づけ
4M変化点管理において、QC工程表は以下のように管理を行います。

a.設計変更、工程変更時
 まずQC工程表を変更して内容の確認を行ってから作業に入ります。
 緊急時には、暫定的な臨時作業指示書を使う場合もありますが、必ず変更
 内容は、QC工程表にフィードバックを掛けます。

b.突発的な事情で工程を変更する場合
 工程の異常を発見した場合、工程能力が不足している場合などで、工程の
 管理手順、設定値などの変更が必要な場合は、まずそれが、QC工程表通り
 に作業が行われたかどうかを判断します。もし行われていなかったらQC工程
 表通りに作業を行うように修正します。
 もし、QC工程表通りに作業を行っても、期待する特性値が得られない場合は、
 QC工程表の要因の管理項目の不備の見直しを行います。
 まずQC工程表を基本とし、指示通りの作業を行い、それが間違っている、また
 ヒューマンエラーなどのミスが発生する場合は、QC工程表を見直し改善を繰り
 返していきます。
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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
 日本が誇るものづくり技術にもっと磨きを掛けよう!!

 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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