工場で発生する不良は、原因究明を行って対策を実施します。
しかし往々にして、対策内容が不十分となって、再発します。このような対策
はモグラたたき対策と呼ばれます。
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モグラたたき対策となる原因は、対策すべき内容が不十分であり、どこかに
対策の漏れや、不十分な点があるからです。不具合が発生する因果関係は一つ
ですが、品質管理の原因は複数あることに注目すべきです。
発生した現場の作業・工程に目が行きがちですが、本格生産に入る前の
工程設計(QC工程図作成)、製造準備段階に不備がある場合が多いと
考えられます。
つまり、準備不十分のまま、量産に入ってしまうため、やりにくい作業や
できばえ確認の方法、良否判定基準などが不明確だったりして、不良が発生
し、そのまま後工程へ不良が流出してしまうのです。
1.不良分析マップ
不良分析マップは、上流工程~下流工程までの不良原因(品質管理上の)を
漏れなく検討するためのツールです。
現場で発生した問題は、直接的には作業者のミスが原因ですが、ミスを予測し
予防対策を講じなかった上流工程の原因も指摘することを目的としています。
列方向に、工場の受注から出荷までの工程を、行方向に「人」「方法」
「情報」そして「組織風土」をマトリクスとして、そこに該当するしくみ
手順書などを記載します。
2.原因究明
発生した不良の原因究明を行うには、下記の通り不良分析マップ上に、発生した
不良の要因をマトリクスの該当する箇所に記載します。
下記の例では、製造工程の人による作業ミス、製造工程の方法で、作業指示書に
不備があったことを示しています。
また、検査工程では、外観検査を実施していたが、この不良は検査では検出でき
ない不備があることが分かりました。
しかし、よく考えてみると、製造準備段階で作業指示書の不備が発見できなかった
検証作業が不十分であることも原因ではないか?ということが分かってきます。
3.再発防止策
上記で検出された不良内容に対してすべて対策を講ずることによって、この不良の
再発防止が図れます。一つでも対策内容が不備であれば、同じ不良が再発する可能性
があることになります。
製造工程のミスに対して作業者へ注意する、教育を行う、検査基準書を見直すと
言う対策だけでなく、製造準備段階の「試作時の検証」方法を見直すことによって
再発防止を確実にするだけでなく、他の製品への「水平展開」も図ることができます。
もし、すべてを対策しても再発するのであれば、2項の原因究明が不十分であると
考えられ、他のマトリクス上の原因を見逃していることになります。
不良の原因究明、対策方法は様々な手法が提案されていますが、視覚的に漏れを防ぎ
再発防止が確実に図ることができる不良分析マップ法は有効な手法と言えます。
不良分析マップ法は、各製品毎の工程に基づいた不良分析マップを漏らさず正確に
作成することが最も重要なポイントとなります。
また上流工程における、未然予防対策手順の詳細は別途解説したいと考えています。
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