外観検査の自動化:外観検査機導入時に検討すべきこと!

人による目視検査ではNG品がたびたび客先に流出してクレームとなっている
こんな悩みを抱えている工場は多いと思います。かと言って、高価な検査機を
導入しても、効果に疑問を感じているというのも事実です。

   従来からの品質管理の常識を破り、環境の変化に適応した新しい品質管理の
   常識を定着させるための解説記事シリーズ

    事例研究・実習で品質改善の実務能力向上を図る
    DX、FMEA/DRBFM、再発防止手順など


そこで、賢い外観検査機の導入方法について考察を試みます。

1.外観検査の現状と検査機導入の悩み
工程で不良ゼロに抑えるのは難しいとすると、そこは検査で流出を防がなけれ
ばなりません。
一般的に、人的ミスの発生率は、緊張を保っている場合、3/1000と言われて
います。また不良を見逃す確率も3/1000です。
従って不良は、3/1000×3/1000=9/1,000,000(9ppm)以下に抑え
ことは難しいということになります。

しかし、一般的な工場ではおそらく数百~1000ppmを推移しているのでは
ないかと思われます。しかし、人間には機械では絶対に実現できな万能性も
備えておりそこは、ケースによって人間と機械の使い分けをしていくことが
必要になります。

①人間による検査
 ・「目」でみて、触れて「脳」で検査を行う
 ・特に「脳」は認識能力が高く、大変優秀で、応用も利く
 ・チェックシートなどにより、かなりの精度で不良品を見つけることが可能
 ・長時間同じ作業を続けるということが得意ではない(ポカミス・手抜き)

②検査装置
 ・機械が得意なことは少なく、残念ながら応用範囲も狭い
 ・ただ単調に指示したことをひたすら続けるということが得意
 ・想定内のものなら人間のようにポカミス、違反をすることもない
 ・処理スピードは人間の何十倍、何百倍にも達することが可能
 ・学習機能はあるが、幼児をしつけるように手が掛かる

2.賢い検査機導入の手順
人間に頼らず、すべてを自動化したいが、費用的にも、技術的にも実現するのは
難しいというのが現状です。そこで「人間」「検査装置」それぞれの得意分野を
うまく共存させ、より効率のよい検査システムを構築することを推奨します。

        IMG_1898.JPG
         当技術研究所が企画・開発した表面歪測定検査機

①自動検査装置の対象となる検査
 ・生産量が多く、人海戦術で検査しているもの
 ・人による目視検査で大きな工数を消費している
 ・精度が高く、顕微鏡などを使用して大きな工数を消費しているもの
 ・検査範囲が広いため、人の検査に適さないもの
 ・人の検査ではどうしても見逃してしまい、流出してしまうもの

②自動検査装置導入のポイント
すべては自動化できないので機械が得意なものだけを自動化するというのが
基本的な考え方になります。また外観検査機では画像処理ソフトがカギを握
っています。

従って、何を検出したいのかを明確にしたうえで、検出するための画像処理を
しっかりと行うことができる(実績のある)メーカーに依頼することが重要に
なってきます。

大手測定器メーカーの汎用検査機は、様々な検査に対応でき、すぐに使うこと
ができると言うメリットがある反面、実際に使いたい機能や性能が物足りない
ということ一般的に言われています。

非測定対象物の搬送系、冶具、照明、操作性などを含めた検査システムとして
使いやすくそれなりの機能・性能を実現させるためには、特注の検査機を製作
することをお勧めします。
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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
 日本が誇るものづくり技術にもっと磨きを掛けよう!!

 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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