中国金型の現状と対応策

中国の金型メーカーは、急速にその技術力を高めています。
特にプラスチック用金型については、輸出が各国へ浸透し広東省、浙江省、
江蘇省、上海など金型産地からのの輸出が多くなっています。

但し、広東省や江蘇省の自動車、電機等の相応に品質が要求される金型について
は、日本から中国に輸出される金型も一部存在します。

プレス用金型は、プラスチック金型よりも難易度が高く、やはり日本製金型を
使用するケースが多いと思われます。

以下に、中国金型の抱える課題とその対応策について考えてみます。

1.品質について
もともと、目先の受注に注力し、寿命、耐久性への考慮が不足していることも
あり、日本製に比較して、一般に耐久性は30~50%低いと言われています。
中国企業の特徴として、人材の定着率が低く、一般労働者の多能化はほとんど
進んでいないなど、ノウハウの蓄積が難しいのが現状です。 

また、安価な現地素材を使っており、加工も精度の点で、加工機械を十分使い
こなせていない面も考えられます。

2.納期について
最終納入までの期間は、日本の金型メーカーに比べ、中国の金型メーカーは3割
程度長いと言われています。これは、品質の作り込みが不足し、修正に時間が
掛かるためです。

また、ユーザー先からの度重なる設計変更への対応力や生産管理、スケジュール
管理等の管理力の不足も納期に影響を与えています。

3.価格について
人件費の高騰、人民元の切り上げ等により、コスト面から輸出競争力は低下
傾向にあります。

このように、中国ではCADや加工機械などの整備が進む一方で、ノウハウの
蓄積が不足していると言わざるを得ません。ただこれには、長い期間が必要で
あり、一朝一夕でギャップを埋めることは不可能と考えられます。

4.対応策
精度や寿命、耐久性の面から製品の特性に応じて、日本製金型、中国製金型を
見極めていくことが重要です。そのためには、重要パーツについては、鋼材を
指定するなど材料や金型の方式、構造など金型仕様をより詳細に示し、製作に
入るように心掛けることが必要です。

中国で金型を製作する最大のメリットはやはり「価格」です。
ですからそれを生かし、輸送、メンテナンスなども含めたトータルコストで、
日本製より優位性を追求する必要があります。

品質が悪く、返って費用が掛かってしまったなどということがないように、
仕様段階、製造段階、試作トライ段階などにおいてきめ細かいコミュニケー
ション、現地確認を行っていくことが重要になります。

中国の金型メーカー数は3万社を超え、日本の3倍を超えています。あらゆる
ジャンルの金型を製造できる選択肢の多さ、自動車産業などの金型消費地に
直結しており、輸送や、サービス対応にも有利な点であることから、今後も、
中国金型は積極的に活用が図られていくものと考えられます。

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製造業の未来に向けたメッセージ

★製造業改革 三つの柱
一つ目:人材育成
二つ目:技術力(品質)向上
三つ目:下請け体質からの脱却(顧客開拓のしくみ)


日本のものづくりは、人に受け継がれてきた熟練技能と、全員一丸となって困難に立ち向う、力の結集力より優れた製品が生み出され世界的に高い評価を受けてきました。

 しかし、これだけでは、これからの時代に中小が生き残っていくことは困難になって来ました。市場の厳しい品質要求に応えていくこと、また多様なニーズをとらえて機敏に対応していくことが求められますが、売り上げの伸び悩み、人材難熟練技能者のリタイヤなど、経営資源の不足する中小企業では今までのやり方では対応が困難となっています。

 中小企業にとって今求められるのは、このような時代の要求に応えられる若手人材を育成することです。必要なのは、自ら課題を設定してそれを解決していける「自立型人材」です。また、デジタル革命が進む中、IOT・AIなどの知見を持つ技術人材の育成も急務です。

 IOTの時代が到来し、ルーチン業務は機械への置き換えが加速するといわれています。機械により生産性向上を図ってその分人は付加価値業務へシフトし、新たな製品や新市場の開拓を行い、利益を確保していかなければなりません。デジタル化社会の今こそ、中小企業は、顧客視点のきめ細かいアナログ対応力が求められています。

 経営層は、これらの時代の変化を捉えて、従来からの下請け体質を打破し、果敢に事業変革にチャレンジしていかなければ明るい未来は開けません。

・自立型人材の育成
・差別化固有技術の深耕
・顧客対応組織の新設

など、中小企業の持つソフトな経営資源(人、技術、組織)と、アナログ対応力(顧客の期待に沿う)に磨きを掛け、これらを武器に新たな事業の可能性を追求し、利益を得ていくことこそ日本の中小製造業に課せられた使命と考えます。

   高崎ものづくり技術研究所
   代表 濱田金男