検査方式の設計とは?流出不良ゼロを目指す!品質対策の進め方事例

近年、ものづくり企業の生産現場では、「労働力不足」「競争力強化に向けた
さらなる生産効率向上」「顧客要求品質の高度化」等への対応が急務となって
います。

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こうした状況下、ものづくり企業においては、製品等の検査を主として人の五感
に頼っているところも多く、「人手が掛かり非効率」「高度な検査が困難」「人
による品質ばらつき、見落とし」「定量的検査データが残らず品質管理が不十分」
等の問題が指摘されています。

■検査機器の導入による検査の自動化
これらの問題の改善策として、検査機器の導入による検査の自動化が各企業で進め
られています。

しかしながら、高度な機能が検査機機に求められる結果、検査機器・技術の精度
やスピード等の性能不足が指摘されるほか、検査対象・項目、仕様・基準等の
多様性や変化、検査対象の形状・材質・色等の特性に起因する困難性も指摘され
ており、精度・スピードや汎用性・融通性を高める開発も課題である。

自動検査と人による検査については、補完・共存または両立関係にあるべきと
考えている企業が多く、どちらも重要と認識しているようです。

■人による検査改善の課題
検査員の訓練、手順の見直しや検査環境の整備が必要となる中、新たな検査手法
・手順の導入や検査環境・器具などを改善する手段・方法の見極めが難しいこと
品質保証を担う人材と技術・ノウハウの不足が問題となっています。

このため、現在は目視検査を中心に、検査の手法・手順や組織・体制等を行う
に当たって、他社改善事例の調査や、指導人材育成、現場指導支援、他企業との
情報交換を積極的に行っていくことが求められます。


■検査方式設計とは
下図に、検査工程の設計例を示します。
受入検査から出荷検査まで、必要な工程のポイントにおいて、それぞれの種類
の検査を実施します。各検査は必ずしも固定ではなく、検査結果の品質状況を
見ながら各検査が必要かどうかを判断します。

製造工程において多段階で行われる検査は、その目的のほか、場所、性質、やり
方などの分類視点により、多様な種類に区分できます。
検査のやり方からは、製品すべてを対象とする全数検査(個別検査)、ロット
ごとに製品の一部を抜き取るロット別抜取検査、検査の管理・調整などを目的に
行う管理抜取検査、単純な検査で良品・不良品を選別する全数選抜検査、確率
基準にこだわらず適当に抽出して行うチェック検査のほか、品質情報等に基づき
実際の検査を省略する無試験検査(無検査)に区分されます。

検査設計.jpg
下図は、客先での不良を50ppm以下に抑えるための検査工程を含むQC工程図です。
各工程の検査不良率の目標値、重点管理項目、日常管理項目を定めています。
QC工程.jpg

 QC検査:製造部門で実施する検査(全数)
 ICT:インサーキットテスター(部品検査)
 FCT:ファンクションテスター(機能検査)
 外観検査:画像検査機による部品の取り付け状態検査
 QA検査:品質保証部によるロット保証検査
製造工程で行われる検査は、原材料の選別から中間製品・最終製品の良否判定
に至る段階的検査によって、製造工程を適切に制御しつつ不良品の流出を防ぐ
役割を果たしています。
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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
 日本が誇るものづくり技術にもっと磨きを掛けよう!!

 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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