ロジカルシンキング(logical thinking)とは、一貫していて筋が通っている
考え方、あるいは説明の仕方のことです。
日本語訳として「論理的思考」と置き換えられ、2000年ごろより、ロジカル
・シンキングのための様々なツールや手法が企業向けに提唱されています。
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ところで、日本人は論理的思考が苦手とされています。
なぜでしょうか?
「お互いに何も言わなくても分かり合っている集団」「以心伝心が重要となって
言語は必然的に感覚的なものになった」
つまりは、先祖代々の小さなコミュニティー間では、相手を論理的に説明したり
説得したりする必然性が無かったということが理由ということです。
では、論理的思考とはいったいどのようなことを指すでしょうか?
ロジカルシンキングにおいて共通に紹介される手法およびキーワードには次の
ものがあります。
①MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)
情報や分析対象をグループ分けする際に、「重複なく・漏れなく」行うべきで
あるということを示した指針。
製造業では、 次の切り口で管理を漏れなく実施する、不具合の要因を挙げる際
漏れがないように調査するなどの際に用います。
・工程を 原材料 - 製造 - 加工 - 輸送 - 販売 - 使用 - 廃棄 というように「時間」
・工程を 原材料 - 製造 - 加工 - 輸送 - 販売 - 使用 - 廃棄 というように「時間」
的に漏れなく挙げる。
・製品故障をなくすために、対策案を「科学」的に(重力・電気力・磁気力、
固体・液体・気体)漏れなく挙げる。
・工場のプロセスを管理するために4M(人、機械、材料、方法)で管理する。
②So What / Why So
結論と根拠が適切につながっていることを確認するためのテクニック。
「So What?」はその根拠がどういう結論を導くのかを、「Why So?」はその
結論の根拠が適切かをそれぞれ確認するために用いる。
③ピラミッドストラクチャ(階層構造)
結論と根拠を多段に組み立てることによって作られる構造で、ドキュメントの
骨子全体の構造を表現するものとされる。
④ロジックツリー
問題の分析や、課題の整理の結果をツリー構造として表現したものであり、目的
によって様々な種類がある。
品質管理においては、FTA(故障の木解析)、特性要因図が該当します。
⑤フレームワーク
コンサルティングを行う際に広く使うことのできる構造のひな形であり、項目は
MECEになっているとされる。(漏れやダブりがない)
品質管理で使われる例として、5W1H、PDCA、STPD、4M、報連相などがあります。
本書の狙いは、体系立った、しかもシンプルで実践的なロジカル・コミュニケーション
の技術を習得することにある。あえてこれを「技術」と呼ぶのは、これまでの経験から
訓練を積めば誰でも身に付けられると確信するからだ。
【目次】
第1部 書いたり話したりする前に(相手に「伝える」ということ/説得力のない
「答え」に共通する欠陥)
第2部 論理的に思考を整理する技術(重複・漏れ・ずれを防ぐ/話の飛びをなくす)
第3部 論理的に構成する技術(So What?/Why So?とMECEで
「論理」を作る/論理パターンをマスターする/論理パターンを使いこなす)