強い工場3つの条件:人・機械設備・生産方式の重要ポイントとは?

一般的にものづくり工程の管理は4Mをという人(man)、機械(machine)
方法(method)、材料(material)の4種類を指し、生産される製品の品質を
決定づけるとされてきました

しかし、現在人手不足の中で多品種の製品を短納期生産しなければならず
4Mの管理をまじめに行っていても、QCD(品質・コスト・納期)確保が困難
になっています。
  1章~5章目次

【現場ですぐ使えるマニュアル】

そこで強い工場の実現のためには、ムダを省き、生産性を向上させ、利益を確保
していかねばならず、そのための重要管理要素とは何か?について考えていき
たいと思います。

1.人材
中小企業にとって、人は最も重要な資産、あるいは経営資源といってもいい
でしょう。
今までは、熟練技能者の存在は、品質、コスト、納期を確保する上で重要な
役割を担い、中小製造業の生産の中心的役割を担ってきました。
当然、今もその重要性に変わりありませんが、スピードや変化期対応していく
には、熟練技能者だけに頼っていくだけでは対応が困難になっています。

そこで、以下のようなスキルを有する高度な技術人材の育成が必要になって

きます。
(1)現場で積極的に行動し、日常課題を解決する若手中核人材の育成
(2)デジタル機器導入、データー分析等に強いIT技術スタッフの育成
(3)自社の製品価値を高め、顧客に提案できる技術営業スタッフの育成

中小企業では日常の業務に追われ、教育訓練に手が回らないというのが現状
です。しかし、教育を継続的に行っている企業と行っていない企業では
3年後、5年後には確実に「現場力」に差が表れます。教育訓練・人事制度の
しくみを早期に確立することを強く推奨します。


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2.機械・設備
機械設備の新たな導入は、投資効果をよく検討し、慎重に行っていくこと
求められます。
特に今ブームとなっている、IOT、AIなど省力化機器の導入は費用対効果の
面で、導入時の費用に加え、維持管理、学習に関わるランニングコスト、及び
人が関わる手間を考慮する必要があります。

それよりも、今ある機械設備の生産性は適切かどうかを定量的に捉え、ムダの
見える化によって、そこに改善を加えていくことがまず必要と考えられます。
(1)可動率、稼働率などの推移を監視し見える化する(必要に応じIT技術活用)
(2)ネックとなる工程の機械設備や段取り方法を改善する(TOC理論)
(3)画像検査機などの導入で全数検査を自動化する(検査システムの設計)
(4)AI搭載自動化機器の導入は技術レベルを見極め慎重に導入を行うべき

IOTとは、単に機械がインターネットにつながるだけでなく、その収集した
データをAIで解析し、機械の効率的な動作につなげるというスマート工場を
目指しています。現状は生産状況の見える化に留まっており、飛躍的な生産性
向上、省力化を実現するまでには至っていません

現在、IOT導入として紹介されている事例は、機械にセンサーを取り付け稼働
状況を見える化する取り組みが始まっていますが、これはIT化に過ぎず、まだ
まだ、本来のIOTの実現には時間が掛かると考えられます。


3.自社独自の生産方式
製造業の生産活動の目的は何でしょうか?
顧客から受注を獲得し、材料を購入、加工して顧客の望む製品やサービスを提供
することです。そして、当然適正な利益を確保しなければなりません。
今の時代、売り上げを大幅に増やすことはほとんど不可能になっているのが国内
製造業の実情です。
であるならば、生産方式確立によって達成すべき目標は以下の2点です。
(1)顧客の要望し沿った、付加価値の高い製品・サービスを販売する
(2)社内の生産効率を高め、ムダを徹底的に排除する

この2つの目標に向けて対策を講じていくことになりますが、顧客要求と、利益
をバランスさせていくには、以下に述べる「技術力」「組織力」「改善力」の
3つの要素が必要となってきます。

<技術力>
(1)自社技術を基本に、顧客要望を理解した上で、実現策を講ずる技術提案力
(2)顧客要望を品質特性に落とし込む企画開発力・加工技術力
(3)工程のムダを徹底的に排除する生産技術力
(4)要求品質を確保する品質技術力

であり、それらの機能をシームレスに結合する組織力と組織間情報の伝達ルール
必須となります。
<組織力>
(1)自社の得意技術を基本に顧客要望との調整を図り、受注に結び付ける営業部門
(2)顧客要望を受けて最もマッチした商品・サービスを提案できる技術部門
(3)要求通りの製品を最小の製造コストで生産する工程を設計する生産部門
(4)最終製品が顧客要求通りかを確認する測定・検査部門

<改善力>
(1)方針管理に基づく工場の中長期戦略と目標設定、各部署に対する方針展開
(2)プロジェクト活動、小集団活動などの改善活動のPDCAを回すしくみ
(3)日常オペレーションにおける問題の早期発見と再発防止策を講ずるしくみ


中小製造業では、与えられた図面通り、忠実にものづくりを行うだけでなく、自社
技術を前面に顧客にアピールし、専門分野で独自技術の提案を行って、顧客と共に
良いものを作り上げていくという「パートナー」としての位置づけを確保していく
ことが求められています。

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