ここでは、工場の生産性を定量的に表す、スループット、スループット会計
について解説します。
現場管理者の視点から見た生産性向上の進め方とは?
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1.スループットとは
スループットは一般的には、コンピュータ機器や通信路などの性能を表す特性の
一つで、単位時間あたりに処理できる量のこと。ITの分野では、コンピュータ
システムが単位時間に実行できる処理の件数や、通信回線の単位時間あたりの
実効伝送量などを意味します。
工場においても考え方は同じで、材料を仕入れたら、できるだけ早く加工して
単位時間当たりの生産スピードを高めることでスループットが向上します。
つまり、性能の良いCPUをいくつも使ったコンピュータがスループットが高い
と同じで、作業速度、加工速度を高めることで工場のスループットを高める
ことが可能となります。
2.スループット会計とは
お金の流れで見ると、スループットとは、製品を販売して得られるキャッシュ
(売上高)から、製品を販売するために投資したキャッシュ(材料費など)
を引いた額のこと。
★スループット = 売上高 − 社外へ支払った金額(材料費、外注費など)
スループットとは、言い方を変えると、材料を購入して社内で加工したり組み立て
たりして加わえられた付加価値額のこと。
スループット向上とは、売上高を上げること(高く売ること)と外部に支払う
お金を少なくすること、そして材料購入時点から、売上げ金額を回収するまでの
期間を短縮することをスループット向上といいます。
そして工場の利益は、付加価値額から業務費用を差し引いた額になります。
★利益 = スループット(付加価値額) - 社内業務費用の合計
(業務費用の合計=直接人件費+間接人件費+減価償却費+輸送費など)