誰も教えない製造工程のなぜなぜ分析の本当の目的は何か?

発生するさまざまな問題について「なぜなぜ」を繰り返し「真の原因」を
見つけるために、「なぜなぜ分析」を使うのだと言われます。

しかし、「なぜなぜ分析」を行っても「真の原因」が分からないという
声も良く聞かれます。

本来「なぜなぜ分析」は何を目的として行うのでしょうか?
また「真の原因」とはいったいどのような原因でしょうか?
製造業の現場で発生する問題に対しての「なぜなぜ分析」の本質を
探ってみます。

   トヨタ式なぜなぜ5回分析の研究!
   なぜなぜ分析の疑問を取り除く考え方と実践方法の解説



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1.なぜなぜ分析の疑問 
 原因の原因の原因・・・と深堀していく事で、真の原因へたどり着く事が
出来ると、一般に説明されていますが、最終の真の原因は何かが明確に指摘
できないという声をよく聞きます。

意図的というか、安易というか、犯人探しや個人に責任を押し付けるだけで
終わってしまい、真の問題解決にならないとも言われます。

確かに機械の動作不具合の原因究明は、事実を一つ一つ順番に確認(分析)
していけば、メカニズムは明確にわかっているのでトラブル解析フローと
同じように、なぜなぜを繰り返せば不具合の原因が見つかります。

しかし、作業ミスのような人間が関係する不具合の原因は、初めから原因
ありきで、現象との間を無理やりなぜなぜを繰り返して埋めているだけで
意味がない体裁だけの分析となっている場合が多いと思います。

2.なぜなぜ分析で何をしたいのか?
工場の現場では、様々な問題が発生します。問題の解決方法を分類してみると
3つに分かれます。

(1)問題の種類によって、原因の導き方が異なる
①科学的現象
科学的な原因探求におけるなぜなぜ分析は、現場で発生した物理的現象を
あらゆる角度から可能性を追及します。
全く再現しないか、きわめて発生頻度が低い、あるいはバラツキが少ない
現象などががいとうします。

その時仮説を立て、考えた結果が正しいかどうか、事実を確かめます。
(仮説の検証)
物理量を測定する、拡大する、化学分析するなど事実の積み重ねから原因を
特定する 問題は、複雑に絡み合ったように見えるが、原因は一つです。

科学的現象は、機械工学、電子工学、物理化学の因果関係を究明すること
が目的となります。

②日常作業で発生する問題
日常現場の作業で発生する問題は、ほとんどが人が絡んだ問題です。
情報伝達ミス、不注意や故意によるミス、教育不足による間違った作業
などが原因となります。

これらの原因は、現場のルールとそれを守るべき作業者や管理者の問題
として捉え、ルールと作業の不整合に注目します。
作業指示書の不備であったり、教育訓練不足であったり、情報伝達方法が
不十分など、複数の管理上の原因が考えられます。

③管理システムの問題
問題が再発する、問題が流出するなどの問題は、一個人や一職場だけの
問題ではありません。

この時の「なぜなぜ分析」の狙いは工場全体の「管理システムへの反映」
です。しかし、企業にとって仮想的な「あるべき管理システム」を前提
として原因を特定する(あるべき姿に対する不備・欠陥)必要があり、
その場合、あるべき品質管理のシステムが基本として描かれている必要
があります。(ISO9000、TS16949など)

(2)問題の種類によって、担当者が異なる
①科学的現象・・・その道のプロ、場合によって分析専門機関
②日常作業で発生する問題・・・現場のリーダー、管理者
③管理システムの問題・・・経営層が関与し最終決裁

(3)問題の種類によって、対象範囲が異なる
①科学的現象・・・機械設備、材料など
②日常作業で発生する問題・・・自職場内
③管理システムの問題・・・工場全体

以上をまとめると、工場におけるなぜなぜ分析の目的は3つです。
① なぜ発生したのか、物理的な因果関係を探る
 ・機械はなぜ停止したのか?
 ・寸法ばらつきはなぜ出るのか?

② なぜ発生したのか、現場の品質管理の原因を探る
 ・なぜ作業ミスが多いのか?
 ・なぜルールを守らないのか?

③ なぜ流出したのか、工場の管理のしくみの不備を探る
 ・検査合格品がなぜ市場でクレームとなるのか?
 ・なぜ検査で不正が行われたのか?

以上に述べた問題の性質によって、求める「真の原因」も違って来ます。
そして、一番求められるのは日常作業で発生する問題の原因究明と
対策であり、現場の品質管理の不備・欠陥に注目しそれを取り除いて
いくことです。

それには、現場を管理するリーダー、管理者により問題解決を図って
いく必要があります。

3.なぜなぜ分析を正しく行うためには
なぜなぜを繰り返して原因にたどり着くためには品質管理の基本を理解
する必要があります。
正しく分析を行うためには
 ①発生した問題を正しく認識すること(三現主義)
 ②何を解決したいのか目的別に、それぞれの方法で「なぜなぜ」を行うこと
 ③品質管理のしくみに基づいて、その不備を指摘すること
 ④問題を解決するには、「なぜ発生したのか」と「なぜ防げなかったのか」
  両面で原因を探ること

工場では品質管理を行っているからには、品質管理の不備なところを
直していく、品質管理活動が基本になります。
「なぜなぜ分析」はそのための一つの手法として位置付けられます。 

そのことを理解した上で、ツールとしてなぜなぜ分析が適当か?どうか
判断していく必要があります。
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 合同会社高崎ものづくり技術研究所代表の濱田です。
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 設計、製造、品質管理、海外工場管理などの実務経験45年
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