検査員の悩み!慢性不良が放置されたままで困っている!原因究明と対策を行うには?:ある製造業の部品加工工場の事例

製造業における慢性不良対策の状況を見てみましょう。ある自動車部品加工
メーカーの流出不良に悩む工程の検査員から届いた質問ですが、一検査員と
してどのような行動を取ったら良いか?考えてみましょう。



(質問)
私は、車関係のベアリングシールを作っている会社に勤めています。
製造工程は①ゴムシールを機械で型抜き→②検査→③加硫→④最終検査です。
私は②の打ち抜き後の出荷検査にいます。流失する不良は
 ●打ち抜き機械の不具合による不良 カケ・バリ・打こん傷等
 ●打ち抜き機械の動作不良による不良 主に形状不良で、二回打ち抜いて
  いる、二度打ち、逆打ちなどで

不良流失の数字は管理職が管理しており、3~4件/月が実態です。
 ●検査方法
  目視検査を行っており、だいたい1束100枚結束の芯金をバーに
  通しての「流し検査」ですが、不良を全て摘出するのには無理が
  あります。やはり 企業は効率を求めているからです。
  機械の側の対策も会社としてプロジェクトを組んで 原因を調べて
  いますが、3年かかっても真の原因究明には至っていないと思います。

  このような場合、流出を防ぐには、どうすればいいでしょうか?

(回答)
●検査ではじいても、月に4,5件流出不良を出しているということは検査
 の見逃しがあるわけですね。(ヒューマンエラー)
 検査で見逃しを防ぐためには、検査員を増やして今より時間を掛けて検査
 する、あるいは自動検査機を入れる、です。

●不良発生源を絶つには、機械のメンテナンスの方法改善、機械がだめなら
 新しい性能の良い機械に買い替える、が一般的な回答です。

 しかし、その対策が根本的に打てないので、現状の状態が続いているのだ
 と思います。(問題放置)
 でも現状に対して、一検査員として危機感を抱いていると言うことですね。

●上層部もある程度分かってはいると思いますが、忙しい毎日の仕事の中で
 なかなか手が付けられないと言った状況でしょうか?(問題放置)

●最近検査のデータねつ造問題が起きています。
 これも似たようなもので、企業の上層部もある程度現場の状況は把握して
 いるが、何も手を打たず、仕方なしに現場担当者がデータをねつ造するしか
 手が無くなっているのだと思います。

●「だいたい1束100枚結束の芯金をバーに通しての「流し検査」です 」
 とは、本来全数検査すべきところ、事情があって、このような方法を取ら
 ざるを得ないのと、データのねつ造は同じだと思います。(問題放置)

 他の例でも、現場からの疑問の声や、このやり方では問題があるという訴え
 もなかったのだと思います。

 検査を担当している立場で、このような訴えを上司にして、改善するには
 どうしたらいいか話し合うことが必要です。(ホウレンソウ)
 朝礼などの職場のコミュニケーションの場を利用する、あるいは、休み時間
 に雑談の中で話題にしてみるなど、工夫してアピールすることが必要と思い
 ます。

 あなたが、きっかけを作らないとだれも声を上げないでしょう。
 自分の仕事に誇りを持ち、検査員として自立するには、自らの責任で動く
 ことが必要ではないでしょうか?

 厳しいことをあえて言うと、このまま放置することは、仕事に対する責任
 放棄です。自ら工夫して、より検出力の高い検査方法を見つけることも
 必要です。

解決のステップ.jpg
現場の検査担当者として、できることは限られます。
多くの場合、問題と感じていても行動に移せないというのが実態ではないで
しょうか?
 ・忙しいから
 ・自分の担当ではないから
 ・自分だけでは解決することができないから

などと諦めてしまい、ずっとそのままになって「報連相」も行われなくなって
しまいます。
実はこのことが、慢性不良が減らない一番の原因ではないでしょうか。

担当者の役割の自覚と、改善への意識付けは重要な事ですが、管理者はそれを
フォローする役割を担っています。

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