2019年10月18日

4M管理の目的と品質管理上の位置づけ:製造業の品質改善の進め方

4M管理とは、人:MAN,機械:MACHINE,方法:Method,材料:MATERIAL
の4種類の頭文字をとったもので、工場における生産活動を行う上で、管理の
対象となる重要な要素を指しています。
多品種少量生産においてはQCDを確保する上で特に重要となるのが4M管理です。





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当研究所が考える4M管理の中心となる実務手法は、日常業務において、突発的
に発生する「異常」の管理と、あらかじめ予期できる変化を捉えてトラブルを
予防する「先手管理」です。日常業務において、この2つのことを押さえておく
ことで、品質は格段に上がると考えています。
1.4M管理の目的
そもそも、4M変化点管理を行う目的は何でしょうか?
お客様からの要望であるならば、お客様は何か意図をもってそのような要望を
出されているのでしょうか。

しかし、お客様から指摘されるまでもなく「不良を流出させない」「お客様に
迷惑を掛けない」ためにはどうすればいいか?管理層の方は、常に考えて行動
されていることと思いますが、往々にして「もぐらたたき」になってしまい、
不具合が発生してからの後手、後手の対応になりがちです。

不具合の発生を未然に防止するにはどうしたらよいか?
それには、機械の保守点検を実施する、ポカヨケ治具を準備する、作業者を
教育するなど、モノを生産する前に万全の策を講じます。
(工程設計における予防対策のしくみ)
モノの生産が始まったら、不良が出ないように、上記の予防策を組み込んだ
決められた手順、決められた方法(QC工程図・作業標準書)で整然と作業を
行います。ところが、整然とした作業を乱す、様々な要因が発生します。

そのきっかけとなるのが、変化点です。
いくら予防対策の仕組みを万全に講じても、生産現場では、変化点がきっかけ
となって不具合が生じてしまいます。様々な変化点が生じても不具合が生じ
ないように管理を行うことを、「変化点管理」「4M変更管理」などと呼びます。

変化点管理は、予防対策とも捉えられますが、もうすでに生産が始まってから
の管理なので、厳密には予防対策とは言いません。
(予防対策は生産を始める前に工程設計段階で講ずる処置のこと)

この予防対策で防ぎきれない項目(予防対策の不備や対応対象外)を、製造
現場で、不具合が発生しないように管理すること、これが4M変化点管理の
目的です。

2.4M管理の体系化
4M変化点管理の位置づけと目的が明確になったら、次に自社の工程で、何を
管理すれば不具合が発生しなくなるのか、項目を抽出して管理方法を決めます。
意図的であれ、意図的でない変化点であれ、工程が乱れないように管理する
項目を決め、日常管理の中で手順化しておきます。
異常・・・不良ではないが、放置すると不良につながる現象(異音がする、
寸法管理限界値を超えた、初物、中間、最終チェックで寸法が変化した)
不良(不具合)・・・寸法規格はずれ、検査不良、機械の停止、ヒューマン
エラー発生
不良(不具合)が発生する前に異常を検出して、速やかに対処し、不良を未然
に防止する、あるいは、不良が次工程へ流れないように管理する、それが
異常管理」であり、何に重点を置くか(異常の種類、異常の程度)を決めて
管理を行います。
そして日常業務で、予測可能な変化点、例えば「人の移動」「機械や治具の
切り替え」「作業手順の変更」「材料の変更」などは、変更情報を関連部門
で共有し、確認項目を明確にして、問題のないことを確認し、トラブルの
発生を予防します。このことを「先手管理」と言います。

変化点管理で必要な事は
①異常を定義する
何を異常と定義するか点検項目、手順、判定基準を明確にします。これは、
先手管理を行うために、自社の今までの実績や経験から、抽出すべき内容で
あり、世の中で決まっているわけではありません

異常が発生するのは、何らかの変化が生じていると考えられるので、それを
突き止めて対策を講じます。
②重要度を決める
すべてを均一に管理することはできないので、重要製品、重要寸法、重要工程
などを決めて点検点・管理点を定義します。重点管理では、一般の管理とは
異なり、異常の監視周期の頻度を上げる、工程の点検項目・品質特性の監視
項目を増やすなどの管理方法を取り、異常を漏らさず検出します。

③予測可能な変化点の定義
あらかじめ予測ができる変化点発生時の管理を明確にします。
設計変更、工程変更、段取り替え、人の交替など、それぞれに応じて①、②
を適用します。

④突発的に発生する変化点の定義
予測できない突発的な変化点発生時の管理を明確にします。
停電、不具合発生による作業中断、機械の故障など、それぞれに応じて①、②
を適用します。

変化点管理は、日常管理の大部分を占める重要な管理であり、管理監督層は
「異常」「重点項目」「予測できる変化点」「予測できない変化点」など、
管理方法について、明確に答えられるようにしておかなければなりません。

変化点管理ボードは以上のような管理手順を明確にした上で、何を表示する
のかを決める必要があります。

3.4M管理の品質管理上の位置づけ
4M変更管理は、品質管理上、現場の日常管理の中でも重要な管理項目の一つ
であり、ISO9000の中での定義では「予防処置」に相当します。

「プロセスの監視測定を通じて得られた(危険)情報に基づいて、起こり得る
不適合が発生することを防止するために、その原因を除去する処置を決める事」
とあります。
但し、生産が始まる前に、事前に予防処置を講ずる本来の「予防」の考え方と
は異なります。あくまで、日常の生産活動の中における「予防的活動」です。
なぜなら、日常管理の中で、4M変更対応のための特別な監視体制や異常時の
対応を行わなければならず、費用や人出が掛かってしまうからです。予防処置
が万全であれば、このような事は発生しません。そこで、「体系的4M変更管理」
では、完全な予防処置ではなく、「異常処置」「先手処置(先手管理)」として
位置づけます。
posted by k_hamada at 23:59| ★4M変更(変化点)管理の進め方 | 更新情報をチェックする

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