2019年03月15日

それでもリコールは発生する!なぜ設計ミスは減らないのか?

設計ミスの直接の原因は設計者が作成した図面などの指示内容が間違っていた
または不備だったなどですが、そのために様々なトラブルが発生します。
国土交通省発表の29年度自動車のリコール内訳をみると、なぜリコールが
無くならないのかが、見えてきます。


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  表紙.jpg

下図は、自動車の設計、製造に起因するリコール届出件数を示した
ものです。(国土交通省)
自動車リコール件数.jpg
しかし、この原因分類は、必ずしも的を得ているとは思いません。
なぜなら、「性能」「耐久性」「部品・材料」は、自動車そのものの欠陥
を表していますが「設計自体」「作業工程」「機械・工具」は、設計・製造
工程の欠陥を表しており、分類基準が製品の欠陥を対象にするのか?それ
とも、メーカーの設計・製造工程を対象にするのか?ごちゃ混ぜになって
います。

それはともかく、今回、この分類上トップである「評価基準の甘さ」について
考察してみます。

1.評価基準の甘さとは
国土交通省の分類基準では、評価基準の甘さは86件でトップとなっていますが
その事例をいくつか見てみます。
評価基準の甘さ.jpg

事例1
 ワイパーのモーターの防水構造が不適切なため水がモーター内に侵入する

事例2
 ドアミラーの可動接点の表面処理が不適切なため摩耗し接触抵抗が大きくなる

事例3
 レバー保持機構のばねの保持力が不適切なため、振動で保持が解除される

3つの事例とも確かに評価基準の甘さにより、欠陥が見つからずにリコール
となったものと思われますが、原因は指摘している通り、部品の欠陥です。

なぜ、このような部品が設計されたのか、あるいは製造されたのかをメーカー
としては追究する必要があります。

2.評価基準の甘さではなく設計基準の甘さ
3つの事例を見ると、防水構造設計における、外部からの水の侵入に対する
構造上の配慮の甘さ、可動接点の摩耗強度設計における繰り返し強度の想定
の甘さ、ばね設計時の保持力に対する加わる振動の想定の甘さなど、設計
基準の甘さがあったのではないかと推定されます。

このような設計上の配慮の甘さは、評価基準いくら厳しくしても、運よく
見つかることはあっても、ほとんどが見逃されてしまいます。
評価基準の問題ではなく、設計基準の問題なのです。

では、設計基準をどのように設定すれば良いでしょうか?
 ①製造バラツキ(加工や組立)をどこまで見込むかを製造部門と事前に
  取り決め、設計時に製造上の実力を見極めて設計する
 ②環境条件や、使用条件は、使われている実態をよく調べる必要があり
  顧客と取り決めした仕様書通りの設計だけでは、商品としての期待
  に応えられないことを良く認識する

つまり、設計者は設計する際に、使用環境や使用者、製造工程の機械の
バラツキや、部品のばらつきなどの情報が不足したまま図面を書いている
のです。

このことを踏まえ、設計プロセスの中に組みこむべき手法として
田口メソッド、QFD(品質機能展開)、FMEA/FTAの導入が考えられます。
そして、設計者の設計に取り組む考え方も変えていかなければならないのです。

つまり、これからは、設計時に潜在した欠陥を検出する設計手法に切り替え
従来の評価テストで欠陥を洗い出す設計手法から一刻も早く抜け出すパラダ
イムシフトが求められています。

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 ★2017年に発生した新幹線のぞみの台車亀裂事故の原因は何だったのでしょうか?
  直接の原因は、台車製造メーカーの製造ミスによるものですが、FMEAを
  正しく実施していれば防ぐことが可能だったでしょうか?
   ・安全性設計の考え方が末端の作業者に伝わらなかった
   ・現場監督者が、現場や製品をよく確認しなかった
   ・指示書通りに溶接を行おうとしたがうまくできなかった
  様々な現場の問題が浮かびあがってきますが、設計には全く問題はなかった
  のでしょうか?皆さんと一緒に検証してみたいと思います。
(今後の開催予定)
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